2009/1/18

死ぬまでにしたい10のこと(’03)  その他

スペイン・カナダ合作、先日見た「あなたになら言える秘密のこと」のイザベル・コイシェ監督作品。夫、2人の幼い娘と暮らす23才のヒロインが、突然、腫瘍のため後数ヶ月の命、と宣告され、残された日々の内にしておきたい項目を10挙げ、緩やかにそのリストに沿って日々を送っていく物語。

ヒロインのアン役は同じサラ・ポーリー、「あなたになら・・」ではブロンズだったけれど、今回栗色の髪、やはり何処か知的、繊細な雰囲気の女優と改めて。映像はやはりスタイリッシュ、折々の音楽も、コインランドリーで眠るアンをリー(マーク・ラフェロ)が見つめるシーンでのバラード、2人が車の中で聞いていた、ワルツの男性ボーカル曲、リーが実際の名を挙げ、最高さ、と言っていたブロッサム・ディアリーというシンガーの曲等、「あなたになら・・」同様好み的にはいい感触。ラフェロは「コラテラル」に出ていたのだった。

内容は、「あなたになら・・」が、ヒロインが抱えていた生半可でない秘密、その吐露、という爆弾、があったのに対して、致命的運命の宣告、という衝撃はヒロインの内面に留まり、表向きには不発のまま、注意深くソフトに、オブラートで包んだような流れ。

そもそも、アンがカフェで挙げた10のリスト、それは現実的なものも現実逃避的なものもあったけれど、それを書き出したのが、苺の色の小さなメルヘン的なノート、だったり、一家が暮らすトレーラーハウスに、赤いビーズを繋いだ長い簾のようなインテリアが掛かっていたけれど、死というものを、生々しく、でなく、その簾ごしに垣間見ているような印象も。

現実的には、いよいよの時になって、一人蒸発でもしない限り、家族に知られず病死するのは無理だろうけれど、そういう葛藤を全て割愛、夫(スコット・スピードマン)や娘、母達一人一人に、録音メッセージで優しさだけを残そうとする姿は、ある意味、愛情表現、臆病さ、強さ、逃げ、等、私には様々に感じられた。

若い恋愛結婚での絆ある夫との、残された日々の、愛情劇、にはならず、自分に惹かれはしていても、君のことは10%も判らない、という行きずりの男リーに一時の慰めを求めるのも、ヒロインの、周囲には事実を閉ざす深い孤独、からの大人の選択、なのかもしれないけれど、その2人の時間は、どうも切実さのないファンタジックな空想劇、という感も。

むしろ、隣に越してきた同名のアン(レオノール・ワトリング)が、コーヒータイムにアンに打ち明けた看護婦時代の、一人で看取ったシャム双生児の悲しい話、というのが、人間的な過去の生々しい痛み、としてインパクト残り、

その話によって、アンは彼女を、将来の一家の自分の身代わり、の候補に認めた感もしたけれど、「あなたになら・・」のテイストに繋がる感覚もしたシーン。その聡明そうなショートカットのワトリングは、「あなたになら・・」で、出番は少しだったけれどジョセフの因縁の友人の妻役、だったのだった。

そういうふと垣間見える事実、日常の中、隣に住む母とのやや皮肉めいたやり取り、10年刑務所にいる、という父に会いに行き、ガラス越し、母について、幾ら愛していても、相手の望むように生きられない場合もある、というような言葉、根底に娘としての両親への愛情はあっても、やはり自分の悲運を分かち合おう、とは出来ないような距離感、目にする街やスーパーの日常のモノに溢れた風景への、やや醒めた眼差し。

そういう、抑えた切なさや虚無感を、淡くスマートに脚色した、深みあるヒューマンドラマ、というよりは、どちらかと言えば女性向き的な、美しいお伽噺、という後味だった。昨夜「ミューズの晩餐 稲垣潤一」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%BB%E3%81%AC%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%あなたになら言える秘密のこと(’05)

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2008/7/30

オーロラの下で(’90)  その他

先月放映の録画、見かけて中断していた日ソ合作の後藤俊夫監督作品。原作は戸川幸夫の同名小説、ロシア革命の頃のシベリア舞台、実話を元にした、伝染病で苦しむ人々の元へ、大氷原を走り血清を届けた人間とオオカミ犬との絆の物語。

主演の役所さんはシベリアシーンはロシア語、海外作品は幾つかあっても、実際外国舞台で外国語で外人俳優と渡り合う、というのは初めて見た。日本に残した、家のため不自由な身の恋人(桜田淳子)を救う資金のため、自分の腕を頼りに孤独な密猟生活を送る姿、やはり知る中では、寡黙ながら先日の「シルク」での密売商人のようなワイルドテイストの役。この作品で初めての日本アカデミー優秀主演男優賞だった、と。

シベリアの雪の大地、空にはタイトルのオーロラ、という雄大な自然舞台、オオカミや犬達等、動物同士の弱肉強食の様子が、自然ドキュメンタリー作品よりシビアに描かれていたり、大氷原の犬頼りのソリでの厳しい旅は、「植村直己物語」のシーンのようでも。

日本シーンに登場の桜田淳子は「お引越し」以来か、歌手として懐メロ系番組にも出ないし、久方の姿、やはり反射的に思い出すのは「ニューヨーク恋物語」だけれど、思えば今回舞台の秋田出身なのだった。

オオカミ犬ブランと、役所さん演じる猟師やロシア人猟師(アムドレイ・ボルトネフ)との絆、はそう深く斬り込んだ描写でなく、猟の腕、ブランへの敬意と愛着が縁で友好を結んだ彼らや、役所さんと子連れの未亡人(マリーナ・ズージナ)との国境を越えた心の交流、スケール感ある映像の方が印象的だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%

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2008/7/6

シルク(’07)  その他

先日新作DVDリリースのカナダ・イタリア・日本合作のフランソワ・ジラール監督作品。原作はアレッサンドロ・バリッコの小説、19世紀のフランス、蚕の卵を求めて日本に旅する男、そこで出会った少女との無言の交流、美しい妻との夫婦愛等を描く大河ロマン。

やはり先日のトーク番組での紹介のように、旅のシーンが多く、主人公マイケル・ピットがフランス〜日本を3往復、でもロードムービーというより、馬車、列車、キャラバン、船、馬等での移動自体が、坂本氏の音楽にのせて、草原、氷原、海、雪山と美しい風景の中を行く映像美の連なり、という感。

物語も特に起伏、というより、蚕を求めての旅、という筋と並行して、秘めた想いの切なさ漂う感、日本での和服姿のマイケルと、科白が一切なく、仕草や視線で微妙な心情を表わす芦名星、短い文が渡されたり、2人の間の無言の空気は、「ラストサムライ」のトム・クルーズと小雪との雰囲気が思い出され、それをやや艶かしくしたような、という印象が。

芦名星は初めて見た女優、目線や唇等独特の芳香、役所さん演じる夫への忠誠の仕草、野外の温泉場での湯に身を沈ませるシーン等、存在自体がやや抽象的で、西洋人男性からの一時代前の、神秘的”日本”への憧れの象徴的女神像、という感も。

役所さんは今まで見た中、一番豪放な役、だったかもしれない。「SAYURI」に続き、舞台は日本でも英語を話せる役。「ラストサムライ」を重ねれば、渡辺謙がトム・クルーズと渡り合ったように、キャラクター的、ということもあるけれど、マイケルに押されてはいなかった、というか、余り馴染みなかったけれど、彼が日本人俳優にもフィットするソフトさだった、という感。

彼と接触した少年は、本郷君だったのだったけれど、彼とも割と自然な呼吸だったような。中谷美紀は「ホテルビーナス」で韓国語、はあったけれど、英語の科白を聞いたのは初めて。フランス舞台シーンが仏語、でなく英語なのが思えばやや違和感も。彼女が訳す日本からの手紙、それに秘められていた意外な苦しい想い、が1つのキーだった。

キーラ・ナイトレイは「プライドと偏見」以来、やはり緑と花の美しい背景での夫婦愛、彼女のためにマイケルが作った、西洋の庭園らしく左右対称のデザインのユリの庭が、何ともファンタジック、でも彼女の運命や、その語られなかった心の内、を思えば切ない美しさ、にも感じられたり。

また短いシーンだけれど、2人が出かけた海岸の、女性の腰から広がるドレスや日傘、日除けのテント等、舞台の19世紀の頃の好きな印象派、特にブーダンの海の絵のような、と少し感慨が。

またモチーフの日本の蚕は、千年の歴史があり、病気の心配もない優れもの、というような科白があり、ちょっと検索してみると、中国から技術が伝わって、奈良時代から養蚕が普及したようで、マイケルが蚕を求めて密貿易船で忍んで行く様子、酒田に着き最上川を上り、山形の山を越えて、という道程、また会話に陸奥、と言っていたし、東北の小さい村、という設定のようだけれど、多分それは江戸時代の鎖国中で、

終盤、公に日本が蚕の貿易の許可、というシーンがあって、それは開国時のようで、その後生糸が輸出の主力品として、日本の経済の発展に大きく貢献、と書いてあるサイトがあり、歴史の教科書でも載っているような当時の日本の輸出品、というモチーフが、ちょっと興味深かったりも。

内容的に、秘めた想いの趣が、取り方によっては薄味、またこれは女性向き作品、という感もするけれど、私には映像+音楽がほぼ心地よく見られ、割と好み的にはフィットの作品だった。(http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AF-%E3%82%B9%E3%http://www.silk-movie.com/坂本龍一×役所広司〜世界が求める日本のカタチ〜

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2008/6/21

迷子の警察音楽隊(’07)  その他

先日新作DVDリリースのエラン・コリリン監督のフランス・イスラエル合作。演奏に行く途中、イスラエルの小さな町に迷い込んだエジプトの警察音楽隊員達と、彼らを泊めた現地の人々との、一夜の触れ合いの物語。昨年末、朝日新聞の沢木映画コラムで取上げられており、気になっていた作品。

全体に薄いブルートーンのあっさりした映像、8人の水色の制服を着た音楽隊員と、黒い髪、瞳のカフェの毅然とした女主人(ロニ・エルカベッツ)、イスラエルの砂漠の閑散と広がる土地、細長いシルエットの街灯の間を質素に伸びる道路、店内や室内のレモン色等、派手さはないけれど淡い触感が、一夜のお伽話的ムードに合っていたような。

若い隊員(サーレフ・バクリ)が「マイ・ファニー・バレンタイン」で女性にアピールしたり、イスラエル男性が昔演奏した、という「サマー・タイム」を食卓で歌い始めたり、隊員がクラリネットで自曲を披露したり、音楽も媒介にはなっていたけれど、仲間内では母国語、交流はたどたどしげな英語。

女主人が隊長に、エジプト映画放映が楽しみで、オマー・シャリフに憧れた、等話すシーンがあり、公式サイトを見ると、舞台の’90年代、イスラエルとエジプトは冷やかな隣国同士ではあっても、実際イスラエル家庭でのエジプト映画鑑賞は日常の娯楽で、少し奇妙な状況だった、と。

やはり製作国色でか、隊長役は、エジプト人でなくイスラエル人俳優サッソン・ガーベイ、この二人の絡みが一番多く、それぞれ過去を持つ異国の男女の、束の間の大人の心の交流、という余韻。女主人が出かけた店で注文した、延ばした生地にサラダ、ポテト等を包んだ、厚めのクレープのようなもの等は、どういう味だろうか、と。

「警官が何故そんな(アラブの古い)音楽を?」「では人間には何故魂が必要なのか?」「最近は人は効率性、金儲け、値踏みに忙しく余り音楽を聞かない」「皆、バカね」「時々そう思う」等のしみじみ交わされる会話が印象的。

その他、若い隊員がローラースケート場に付き合い、内気な少年に、並んで座る少女へのアプローチ手順を仕草で伝授するシーン等、画面的に面白味があった。ラストはステージでの演奏シーンではあったけれど、それは今回付録のような感。

やはりその前夜の、見知らぬ異国者達への無償の善意、囲む食卓、飲み物、ぎこちなさもある会話、本来接点のないアラブ人とユダヤ人達が、ある夜共有した時空を超えたような時間。これといって盛り上がりがある訳ではないけれど、イスラエル、という舞台にしては、淡くソフトな余韻の作品だった。(http://www.amazon.co.jp/%E8%BF%B7%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%AD%A6%銀の街から

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2008/5/11

殯(もがり)の森(’07)  その他

先日新作DVDリリースの日仏合作の河瀬直美監督作品。このダイアリー作成時も、唯一好みの女性監督として挙げていて、気になっていた新作。奈良山間部の老人達が暮すグループホーム、認知症の老人と女性看護士との触れ合いの中、生と死を見つめるドラマ。

先週月曜朝日新聞オピニオン欄のカンヌ映画祭の記事で、少し触れていたけれど、10年前パルムドールで知った「萌の朱雀」を見て、舞台はずっと緑の山中、人々のなだらかな暮らしの中、不意な喪失を抱えながら淡々と進み、何だか日本の原風景、らしき舞台で、余り何にもまみれてない楚々とした珍しさ、が印象的だった。

今回、同じ奈良の緑がより深く、登場人物も、心象風景的にも、深く分け入った感じ。「萌・・」の尾野真千子が再びヒロイン、とのことでも、やはりある喪失を抱える、という伏線はあるけれど、その続編的、というか、「萌・・」ヒロインの成長後、とも思え、「萌・・」「火垂」「沙羅双樹」等で、直接露にされる事のなかった悲しみの感情、が滝のシーンで噴出したり、うだしげき演じる老人が、幻にしても故人の存在、を求めて、樹林を分け入り悼む姿、が余韻あった。

河瀬作品的にやはり老人達のホームでの様子はさり気なく、ドキュメンタリーのよう、結構音量を大きくしていても、聞き取れない事があったり。でもそこで紡がれる人間模様、生死への思い、色々、深みや重みや新しさが、というとどうなんだろう、とは思うけれど、少なくとも、人(の心)を記号のようには扱っていない作風、

「萌・・」も今回もBGMはピアノだったけれど、老人のピアノと連弾したり、森でおそらく妻の形見の品の小さなオルゴールを廻すヒロインのように、母性愛のようなものも混じりながら、喪の悲しみ、というものに、法事等の形でなくハートで寄り添おうとする感覚、がして、実際涙が出た訳じゃないけれど、心がどこかスッと解けてシンとなった。

やはり(先日の原田、大貫的に)忙しない現代への静かな反骨、という感もしたり、こういう作品を見て、感動する事が、現実的現代人としては、何と言うのか、弱みになりかねない、というパラドックス、も過ぎったりするけれど、蹴散らし素通りすべき、という類のものでもないと思うし、私にとってはある種インパクト残る作品だった。整理は押入れの3段ボックス、今日母の日、ここ例年通り近くの西友の商品券+母の日用プリンケーキで。昨夜「美の巨人たち シスレー」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E6%AE%AF%E3%81%AE%http://www.mogarinomori.com/

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2008/3/19

ミス・ポター(’06)  その他

先日新作DVDリリースの、クリス・クーナン監督のアメリカ・イギリス合作。ロンドンや湖水地方舞台、「ピーターラビット」の作者、ビアトリクス・ポターの半生の物語で、気になっていた作品。

ピーターラビット自体、絵本はちゃんと読んだ覚えはなくグッズも持っていないけれど、大貫妙子の「ピーターラビットとわたし」もあったり、キャラクターは馴染み。ポターについては、前に高校の英語教科書で、「ピーター・・」の故郷湖水地方に愛着を持ち、ナショナル・トラストの環境保護運動にも参加、等の紹介が。

苦労を重ねて、というより、幼い頃の夢を表現した感の絵本が成功、の段取りは割とあっさり。でもその後、女性の保守的慣習の中、芽生えた恋の悲しい結末。心の故郷の湖水地方で、自分の描く動物達に愛着を持ちながら、製作、開発の手が伸びる地方の保護に向かうポター。

バックの美しい田園風景や、レトロな味の家具、食器、アニメ式に描いた動物が動くシーン等、波乱と言えば波乱、ではあるけれど、女性作家を描いた作品としてはソフトな後味。「コールド・マウンテン」以来だったレニー・ゼルウィガーの、自然な生き生きしたムードが似合っていた感じ。

今朝新聞で「コールド・・」のアンソニー・ミンゲラ監督の訃報、手術での出血が原因のようで、見ていた作品は他に「最高の恋人」「イングリッシュ・ペイシェント」、「イングリッシュ・・」は、それまでは余りいい印象でなかったジュリエット・ビノシュの魅力を感じた作品でもあった。合掌(http://movie.goo.ne.jp/contents/news/NFJjiji-AFP016955/)。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%82%

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2007/11/24

クロッシング・ザ・ブリッジ(’05)  その他

日本では昨年公開のドイツ・トルコ合作のファティ・アキン監督作品。夏に新作DVDリリースの時レンタルしたものの、多忙で未見で返却していて再度。音楽担当のドイツのミュージシャン、アレクサンダー・ハッケがイスタンブールの色々な音楽シーンを辿っていくドキュメンタリー。

東西文化が融合するエスニックな活気の街を背景に、8分の9拍子という独自のリズム、ヒップホップ、「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」でも見られた伝統的な旋廻舞踊セマ等ともリンクする、トルコ音楽の多様性。元々東西の対立、というのはソ連崩壊後危機感を作るためアメリカが煽ったもので、世界の東西の境界など本来不明確、という象徴的な感のコメント。

印象的だったのは、長い間迫害、制圧を受けてきたクルド民族の音楽には、挽歌が多く、哀しみを歌ったものが多いとのことで、女性シンガーの浪々と響く歌声。トルコ語での歌の方が、英語の歌詞よりも感情が湧き出る、という旨の女性のコメントもあったけれど、日本では演歌ジャンルになるのか、何とも言えないエキゾチックな哀愁。

クラリネットに似たもの、琴のような母体を両手の細い棒でたたくもの等、独自の音色を出す楽器類も味があった。2本あるはずのトルコのシンガーのテープは行方不明のまま。折あれば探そうと。(http://www.alcine-terran.com/crossingthebridge/「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」

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2007/11/6

上海の伯爵夫人(’05)  その他

日本では昨年公開の英・米・独・中国合作のジェームズ・アイヴォリー監督作品。真田広之出演とのことで気になっていた作品。第二次大戦前の上海舞台、元アメリカ人外交官とロシアの亡命貴族の未亡人の大河ロマン。撮影はクリストファー・ドイル。

「ナイロビの蜂」以来のレイフ・ファインズは、やや寂しげでくたびれたムードが似合う。無償の助けを受けて、盲目ゆえに、元伯爵夫人の持つ人間・女性としての魅力を感じ取り、動乱の時代を背景に、ラブロマンスとはいえ2人の関係は娘の存在も絡んで純愛的。上海という街で様々な背景・国籍の登場人物の思いが交錯、特に大きなうねりはないものの、落ち着いた情感の後味。

真田広之は黒幕的な謎の日本人青年役で、今回ずっと英語の科白、「ラストサムライ」では寡黙で余り記憶になく、この人の英語と言えばN.Y在住の教師役だったドラマ「ニューヨーク恋物語」以来、今回のミステリアスな役は普通に満足。昨夜「ニューヨーク・ストーリー」録画。(http://www.wisepolicy.com/thewhitecountess/

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2007/8/16

ペンギン物語(’02)  その他

「皇帝ペンギン」のリュック・ジャケ監督の表題作、その他2作品の、南極界隈に住むペンギンや他の動物達の生態を描いたフランス・カナダ合作ドキュメンタリー短編集。「皇帝・・」DVDの隣にあり気になっていた作品。

「ペンギン物語」は、亜南極の島が舞台、ペンギン以外のアザラシ、各種カモメ、シャチ等他の生物の様子も結構多く、自分の子育ての本能は共通していても、各種共存、というよりは、生きるためのシビアな闘い、ヒッチコック「鳥」を思い出すような攻撃性、容赦ない弱肉強食シーンも。

どの作品もヒナの様子は「皇帝・・」や先日アニメでの「ハッピー・・」等同様愛らしいものがあったものの、子育てに飽きた親に見捨てられたり(他のペンギンが面倒を見る、という養子縁組はなかなかないようで)、ブリザードの中で、息絶える哀れなヒナ達の様子も。

親子の触れ合い以外で、友愛が見られ印象的だったのは、普段仲間を助ける、ということをしないペンギンが、”奇跡が起こった”というナレーションと共に、浜辺である傷ついた一羽を囲んで守り、くちばしで励まし続ける様子を捉えた映像。タイトルからの、ペンギン中心という期待ははずれだったものの、氷の大陸等舞台で、涼も感じた作品。「夏うた」録画最初の方見かけaiko、アンジェラ・アキの所等。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%B3%「皇帝ペンギン」ハッピーフィート(’06)

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2007/8/9

アトミック・カフェ追記  その他

昨日何も鑑賞はなしというのもあるけれど一日経って、やはり「アトミック・カフェ」は、今まで見たドキュメンタリーの中でも結構異色のインパクトが残った作品で、保存録画することに。

今日は長崎の原爆の日だけれど、何度か他所でも触れてきた、故黒木監督作品の中で私にとっては最も印象深かった「TOMORROW/明日」('88)は原爆投下前日の長崎の市井の人々のごく普通の暮らしを描いていて、この真摯な作品と、「アトミック・・」での、長崎を爆撃した大尉の無邪気さや、”核実験”のようなニュアンスを思うと、やはり憤り、というのか、空虚な恐怖が。

「アトミック・・」では日本への原爆投下は、構成の冒頭の一部ではあったけれど、ある戦争(の一部)を双方の立場から描いた作品のケースの中、敵とする人々のそれぞれの人生、命の尊厳、というものに対しての完璧なまでの麻痺感覚が、このそもそも互いとは性質の違う2作品で、実際の8月9日長崎での加害者の心境と被害者達の日常、の極端に異質な対比で、リアルに浮かび上がった一例のような気がして、やはりこの時節というのもあってか複雑な後味ではあった。昨日「絶唱」「スウィートソング」録画。(アトミック・カフェ(’82)

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2007/7/22

マルホランド・ドライブ(’01)  その他

1週間前、昨夜と2回に渡って深夜放映のデイヴィッド・リンチ監督のアメリカ・フランス合作。昨夜は録画し損ねてしまい、途中まで見て半端だったのでDVDで。ある夜ロスの”マルホランドドライブ”で衝突事故が起こり、乗車していた女性が街まで辿り着き高級アパートに忍び込んだことから展開する現実と幻想が交錯するストーリー。

昨日新作も公開になったようだけれど、はっきり記憶あるリンチ作品は劇場で見た「エレファントマン」位、苦手意識のイメージが。今回久方で、場所や小道具の伏線が不意に絡んだり、特に後半、登場人物の身元自体倒錯していくまさに抽象的な夢の中の断片のような、後味。

特典映像で監督インタビューがあり、テーマは語らない主義で、完成した映画以上の説得力のある言葉はない、この作品で一番言いたかった事は、まず作りたいという気持、見所は、全編、解釈の難しい作品だがコメントを、との要請に、音楽の様に捉え映画を理屈抜きに体感して欲しい、見た時に自分が感じた事をもっと信用して欲しい、等の談。

ある意味自己陶酔的作風の感も、ながら、この作品自体殺伐としたシーンも一部ありつつ意外とさしたる抵抗なくラストまで見て、印象に残ったのは、クラブで本名で出演のシンガーレベッカ・デル・リオが切々と歌った「ジョランドー(ロサンゼルスの泣き女)」に、ナオミ・ワッツとローラ・ハリングが涙する、さ迷う人々への癒しのニュアンスのようなシーン。

やはり好み、とは言い難いものの、先日触れていたように詩人銀色夏生がエッセイで、ストーリーはよくわからないけれど好き、とあったのがどことなく判る様な気も。今日は曇り、新聞では相変わらず梅雨前線が本州に停滞、と。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%8ストレイト・ストーリー(’99)ストレイト・ストーリー(’00)

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2007/5/19

アーカイブス 手塚治虫・創作の秘密  その他

日曜夜放映を録画を見た「アーカイブス 手塚治虫・創作の秘密」、20年前放映の番組。60代前半だった黒いベレー帽姿の手塚氏の創作現場、事務所等の様子を追ったドキュメンタリー。

本人の映像は今まで余り覚えなく、穏和な人柄が滲むような容貌、時間に押されながらの空港への車中でもペンを走らす姿、子供時代の昆虫好きから本名に「虫」の字を加えていたエピソード、セキセインコと戯れる姿、年齢を経て、アイデアは依然溢れるくらいあっても、腕の衰えで昔のように円のラインが書けなくなった、等のつぶやき。

氏のコミックは未読だけれど命の大切さが永遠のテーマの、700以上の作品、150万枚にも及んだという創作、薄っすらした記憶ながら再放送かTVアニメ「リボンの騎士」はテーマ曲も覚えがあり、「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」、実写の「マグマ大使」等、遠い時代の素朴な懐かしさが。

もう1本放映は、初の本格TVアニメ「鉄腕アトム」と同じ’63年放映、昔話をアレンジした和田誠氏等のモノクロの”アニメーションミュージカル”作品の幾つか。昨夜「プレミアム10(岡本喜八監督)」「ミッドナイト・ラン」を録画。(http://www.nhk.or.jp/archives/nhk-archives/past/2007/h070513.html

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2007/5/15

母の日  その他

一昨日母の日、母は律儀というのか「子供の日も何もしていないし、いいと言ったのに」というのが近年の口癖。カーネーションや、気に入った母の日用小物等が目に付けば添えることもあるけれど、近年恒例で、実質的に、というか、近くの西友の商品券をプレゼント用ラッピングしてもらい、渡している。今年も通常通り。

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2007/5/11

ビタースウィート(’02)  その他

先週金曜深夜放映の録画を見たマリア・フォン・ヘラルド監督作品。青春只中の親友の17歳の少女2人の気ままな日常、一人が父親の浮気現場を目にしたことで起こる波乱、思春期の揺れ動く危うさ、友情を描いたアメリカ=ドイツ合作。

親友を見守りつつ理不尽さへの正義感を持つ金髪の方の少女役、アンナ・マリア・ミューエがキュートで第一印象からやや矢口真理のイメージが重なったり。自分の反射的、道理のない報復的行動が、社会の暗部と繋がって引き起こす悲劇。

若さの持つ制御や理屈のない残酷さ、不安定さ、欲望、あぶくのような恋愛、今風ファッションやエンヤ等の音楽、映像のファンタジックさ等、シビアな展開もありつつ女性監督作品らしいというのか、ややコッポラ作品「ヴァージン・スーサイズ」のような趣が浮かんだりも。相手のエキセントリックさに距離を置いても根底の無垢な友情等、良くも悪くもある時期の純粋さの持つ甘酸っぱい後味。(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%93%E3%http://www.sonypictures.jp/archive

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2007/5/9

地球街道 「卒業」ロケ地  その他

先週土曜夜放映の「地球街道」で、永島敏行が「卒業」('67)のロケ地を辿る旅に。「卒業」は詳細薄れているけれど、「スカボロー・フェアー」「サウンド・オブ・サイレンス」「ミセス・ロビンソン」、「4月になれば彼女は」等サイモン&ガーファンクルの歌声と共に、青春のほろ苦さ、ラストシーンも記憶に残る作品。何度かビデオの他リバイバルでも見たかもしれない。

”ミセス・ロビンソン”役アン・バンクロフトは「キルトに綴る愛」等にも出ていたけれど、2年前子宮がんで亡くなっていたのだった。

車が橋を行くシーンは記憶に残っているけれど、バークレーからサンフランシスコへのベイ・ブリッジだった事、バークレー大学や南カリフォルニア大学の開放的なキャンパス等、西海岸の舞台詳細が今改めて、という感で、印象的だったのはやはり、ダスティン・ホフマンがキャサリン・ロスをさらうLAの教会。

今回永島敏行も再現していたけど、ホフマンが「エレーン!」と叫びつつ2階のガラスを叩いた回数が4、50何回だとか、目にした覚えがあるけれど、当時の映像と同じ、スマートな外観の白い建物、正面がガラス張りで、飾られた十字架の背後に外の樹木の緑が見える、独特のデザイン様式だった事など、時を経て振り返ったカリフォルニアの名作舞台。(http://www.tv-tokyo.co.jp/chikyukaidou/backnumber.htmlhttp://www.tv-tokyo.co.jp/chikyukaidou/driveguide/070505.html

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