2008/1/18

愛より強く(’04)  ヨーロッパ

ドイツ・トルコ合作のファティ・アキン監督作品。これもイスタンブール舞台とのことで、いっそ、と。妻を亡くして失意の男が、精神科クリニックで出会った若いトルコ系ドイツ人の女性に偽装結婚の話を持ちかけられ、ハンブルグとインタンブールで展開していくラブロマンス。

「太陽・・」とは違い、割と閉じた世界の展開。オレンジ系のシュールな部屋で、ただ一緒に暮し始めた不安定な2人の心の距離が縮まっていき、起こる事件。互いを求めるが故に自分を見失いつつ苦しむ姿。主人公役シベロ・ユーネルの苦渋の詰まったような風貌に対して、女性役のシベル・ケイリの滑らか、しなやかな透明感。誰かに面差しが似ている、と思いつつ思い出せない。(後日ツルリとした顔のムードがやや鈴木保奈美、と浮かんだ)

ボスポラス海峡とモスクがそびえる対岸を背景に、6人の楽団+女性シンガーの演奏シーンが折に入り、このストーリー自体が1曲のラブソングでもあるような。「クロッシング・・」で7分の8拍子、と言っていたか、トルコ独特の哀愁の音楽が、濃密愛、のテイストと似合わなくもない感じ。お話的には、彼の投獄後の彼女の動向等、やや刹那的で、成り行きまかせ過ぎ、という気も。

シベルが作っていた、やはりスパイシーそうだったピーマンの詰めものをソースであえる料理、4人で台を囲んでいたマージャンのようなゲーム、照明が目まぐるしいディスコのようなダンスホール等、トルコの日常風景背景に、音楽といい、エスニック舞台での純愛〜大人の恋。後味はやや重め。アキン作品は珍しくトルコ舞台、旅した郷愁あって見て、映像や音楽等勢い、のようなものは感じたけれど、音楽ドキュメンタリーはさておき、フィクションの2作は、私の好み的にはやや破天荒ハード気味だった。AOLから「胡同(フートン)の理髪師」試写会券。(http://www.elephant-picture.jp/aiyori/太陽に恋して(’00)クロッシング・ザ・ブリッジ(’05)

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2008/1/9

太陽に恋して(’00)/銀の街から(’08、1月)  ヨーロッパ

昨年見たインタンブールの音楽ドキュメンタリー「クロッシング・ザ・ブリッジ」のファティ・アキン監督作品。これも、トルコ人女性に恋した教師の青年が、ハンブルグ〜イスタンブールへと旅するロードムービーとのことで気になった作品。

主人公の真面目な青年(「ミュンヘン」にも出ていたらしいモーリッツ・ブライブトロイ)が恋に落ちるトルコ人女性役、イディル・ユネルという女優が知的美人、浜辺でトルコの歌を披露するシーン等もエキゾチック。旅自体は、もう一人のハンブルグで出会った女性、ヒッチハイクで出会った訳あり青年も絡んで波乱含み。

展開は、青春破天荒ロードムービー、という所だけれど、多彩な音楽の使われ方とか、キレというか、余りドイツ作品という感のしないテイスト。イスタンブールは終盤だけだったけれど、この街舞台のフィクションものを見たのは多分初めて。ロマンスものの舞台として、似合わなくもない感。一昨夜「ETV特集 チャップリンの秘書は日本人だった」昨夜「銀座旋風児」録画。(http://www.amazon.co.jp/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%81%AB%E6%81%8B%E3%81%クロッシング・ザ・ブリッジ(’05)

今日の朝日新聞の第2火曜日の沢木耕太郎映画コラム「銀の街から」では、19日公開の伊・仏合作「ぜんぶ、フィデルのせい」('06)という作品紹介。’70年代のパリ、9才の少女から見た、両親が傾倒するようになった共産主義、中絶の自由化のフェミニズム運動、それを通した成長を描く作品のようで、少し変ったタイトル。

また、社会面に「陰湿ネットいじめ」タイトルで、子供同士のインターネット掲示板やメールでのいじめが広がって自殺、恐喝未遂事件にも、という旨、身近でもあり前から気になる方面のトピック。ネット上のモラル・著作権・犯罪の講習会等開く学校もあるようだけれど、規制も難しいし、最後の決め手は一人一人の、どこに、誰に、何を書くか、というモラルだけ。匿名性での、見えない相手への言葉でのストレス発散的エスカレートは、大人でも陥りがちな所、たとえ確信犯でなくとも、子供の方が通常”卑劣”という感覚の麻痺度合いは大きいだろうし、被害者の心のケア、というのも難しいけれど、切実、とは改めて。沢木氏小説「血の味」は半分位まで。(http://fidel.jp/index2.html

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2007/12/26

スイミング・プール(’03)  ヨーロッパ

先々週土曜夜放映録画を見た、フランス・イギリス合作のフランソワ・オゾン監督作品。行き詰った女流ミステリー作家が、出版社社長の勧めで南仏の彼の別荘を訪れ、現れた社長の娘との駆引きを描くサスペンスミステリー。

同じシャーロット・ランプリング主演のオゾン作品、海辺で行方不明になった夫の幻を追うヒロインの「まぼろし」('01)が、割と印象に残る作品だったので、これも気にはなった。創作に没頭したい堅い中年作家、当初煩わしかった奔放な若い娘への、作家としての好奇心が芽生え、別荘のプールを舞台に事件が起こり、そこら辺から現実と幻想が錯綜、ラストに登場人物の身元・存在自体覆りかねないどんでん返し。

外界から離れた静かな自然の中の別荘、2人の女性の刹那的・官能的でもある時間の流れ、短い夢の断片のような、後味。現実と幻想の錯綜は似ていても、「まぼろし」の方が、喪失感という筋での一貫した情感があって、ランプリングの演技も深みがあって、脳裏に残る作品、という感。

一昨夜「手紙」録画。時間重複の「ETV特集 熊井啓・戦後日本の闇に挑む」はオンタイムで見た。昨夜「7月24日通りのクリスマス」録画。マイベストクリスマス作品はいまだに「34丁目の奇蹟」('47)。リメイクもあるけれど、やはりオリジナルの方が素朴な夢が広がる風味が。(http://www.gaga.ne.jp/swimmingpool/

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2007/9/8

アズールとアスマール(’06) AOLブログトークスレッド0  ヨーロッパ

 スレッドマスター:- BLOG
アクセス数:2178
投稿日時 2007/9/8 12:06:08
更新日時 2008/3/7 10:40:16

公開中の「アズールとアスマール」は、フランスのアニメ、気になる作品の1つで、都内では渋谷のシネマ・アンジェリカで14日(金)までのようで、見てきました。

ミッシェル・オスロ作品は「キリクと魔女」以降、3年前、影絵アニメの「プリンス&プリンセス」を見て、CG駆使のアニメとは違う、素朴、でも洗練された味わいがあって気に入り、そのポスター(兼パンフレット)は今も壁に飾ってあります。昨年末「キリク・・」の続編もDVDで。

物語は、アラビア人の乳母に育てられたフランス王子のアズールと乳母の息子アスマールが、成長後、子守唄で歌われていた「ジンの妖精」を探しに中世イスラムの世界に旅に出る、という冒険ファンタジー。

私が見たのは字幕版でしたが、日本語吹き替え版は浅野雅博、森岡弘一郎、香川照之、玉井碧、岩崎響らが担当。感想は後(日)でと思います。

ご覧になった方の率直な感想、批評、コメントある方等、自由にどうぞ!(投稿でもメールでも結構です)



1 イスラム世界の彩り

投稿者:- 投稿日時 2007/9/9 11:46:04
更新日時 2007/9/9 12:00:10

この作品は、人物が3D、背景が2Dで描かれ、目元などやや少女漫画タッチを思わす部分もあったりしつつ、リアルな人物描写、シックながら鮮やかな色遣いの展開。オスロ作が初めてでも味わえると思いますが、折に「プリンス・・」でのような影絵、人々の群での「キリク・・」のような平面的、素朴な描写も交え、進化したオスロ作品、という感慨も。

風景の花々や樹木の精密さ、特に、イスラム世界のアラベスク模様の壁や小道具、ジンの妖精の広間のブルーの美しさが印象的。思えばイスラム舞台のアニメ作品、というのはこれまで見た覚えなく、実写作品だと、映像美的には概して渋め、鮮やかさというと「カンダハール」という作品での女性のまとう色とりどりのブルガという衣装が浮かぶ位ですが、

サイトで見た監督談では、貧富、西洋VS東洋・中東等身の回りの問題がテーマ、とのことで、青い目と白い肌のアズールVS黒い目・肌のアスマールの2人の主人公も象徴的、舞台の中世イスラムのモデルが北アフリカ、というのも、監督自身アフリカ出身でもあり、フランスの移民の大半が北アフリカ出身、という背景もあるようで、特にアズールと旅する一癖ある男(クラブー)の芝居がかった科白の端々に、西洋人のイスラム圏への偏見、醒めたシニカルな視線も。

やや綺麗に都合良くまとまり過ぎな感もしましたが、対立の融合、という願いも込められているような、お伽話らしいハッピーエンド。

最も視覚的インパクトがあったのは、公式サイト表紙等にもある、黄金色の砂漠を背景に、鮮やかな色彩の大きな鳥が飛んでいるシーン。吹き替え版もそのようですが、折に入るアラビア語の部分は字幕もなくそのまま流れたり、題材、色彩、音楽等独自のエキゾチックな味わいのフレンチアニメでした。
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2007/8/18

戦場にかける橋(’57)  ヨーロッパ

一昨夜放映、少し途中からになった録画を見たデヴィッド・リーン監督作品。第2次大戦中、日本軍がかけようとするタイ・ビルマ国境の橋を巡って、戦争の愚かさ、人間の尊厳を描いた作品。

9時台の洋画放映は吹き替えだしめったにチェックしないけれど、未見だったデヴィッド・リーン作品とのことで。テーマ曲の口笛での軽快な「クワイ河のマーチ」は馴染みが。昨年見ていたリーン版「オリヴァ・ツイスト」で骨太な悪役だったアレック・ギネスが、イギリス軍将校役、初の日本人ハリウッドスター、早川雪州を見たのも多分初めて、科白は少ないものの眼光鋭い風格、二人の重厚な存在感。

史実はさておいて、捕虜となりつつ、自らの尊厳のため敵の橋の建設に協力、人間の価値観麻痺の戦時中、”橋”というモチーフ、ラストのその何とも皮肉な姿。ジャングルの大自然舞台に、ありきたりな文句ながら、戦争の虚しさ漂う余韻の作品。完全にでないけれどオフだった今週、でも瞬く間に過ぎて、済ますつもりだった用も来週に。今は曇り。(http://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%A0%B4%E3%81%AB%E3%81%8B%E3%81%オリヴァ・ツイスト(’48)

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2007/7/27

魔笛(’07) AOLブログトークスレッド  ヨーロッパ

 スレッドマスター:- BLOG
アクセス数:1301
投稿日時 2007/7/27 9:47:11
更新日時 2007/7/27 12:19:11

先々週公開の「魔笛」(←関連サイトです)、モーツァルトの最高傑作とも言われるオペラを生誕250年に合わせて、私は「ハムレット」以来だったケネス・ブラナーが映画化、このオペラは未見ですが、音響的に壮大なイメージに誘われ見てきました。

’76年にもイングマール・ベイルマン作品として映画化があったようですが、今回舞台を古代エジプトから第一次世界大戦前夜のヨーロッパに移すことで、大戦のビジュアルな再現によって、アドベンチャー映画の要素も持つラブストーリーに仕上げ、

また元々「魔笛」の核心に争い、対立というテーマがあり、登場人物の暗黒卿ザラストロVS夜の女王の対決にスケール感を与えたかった、とのことで、出演者も、ザラストロ役が当たり役の世界屈指のバスの一人の人気歌手ルネ・パーぺ初め、オペラ歌手やミュージカル俳優を起用。

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1 映像スケール+オペラの圧巻音響

投稿者:- 投稿日時 2007/7/27 9:55:23
更新日時 2007/7/27 12:16:09

近年ではミュージカル映画化「オペラ座の怪人」は劇場で見ましたが、今回のオペラ歌手陣による豊かな声量の迫力はレベルが違う感で、特に夜の女王役のリューホフ・ぺトロヴァの高音まで伸びる広い音域、ザラストロ役のルネ・パーぺの力強い歌唱がインパクト。

脇役陣のコーラスの掛け合いの妙、多勢での歌声の響き等、2時間19分間音響的に満載+CGやモノクロ映像を交え、戦闘シーンはそう生々しくはありませんでしたが、広がりある高原や、ザラストロの神殿のファンタジックな空間等の視覚的スケールも。

物語的には、ファンタジー的アドベンチャー・ラブロマンス、ですがシリアスな部分とコメディタッチの部分等、様々な要素が混じって、やや散漫で、ラストへの魔笛の力と二人の愛情、という盛り上がりにはややついていきにくかった感で、

とにかく全編通してのスクリーンでの音響+映像スケールでオペラの魅力の一環を、という味わい作品、でしょうか。
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2007/7/27

魔笛(’07) AOLブログトークスレッド  ヨーロッパ

 スレッドマスター:- BLOG
アクセス数:1301
投稿日時 2007/7/27 9:47:11
更新日時 2007/7/27 12:19:11

先々週公開の「魔笛」(←関連サイトです)、モーツァルトの最高傑作とも言われるオペラを生誕250年に合わせて、私は「ハムレット」以来だったケネス・ブラナーが映画化、このオペラは未見ですが、音響的に壮大なイメージに誘われ見てきました。

’76年にもイングマール・ベイルマン作品として映画化があったようですが、今回舞台を古代エジプトから第一次世界大戦前夜のヨーロッパに移すことで、大戦のビジュアルな再現によって、アドベンチャー映画の要素も持つラブストーリーに仕上げ、

また元々「魔笛」の核心に争い、対立というテーマがあり、登場人物の暗黒卿ザラストロVS夜の女王の対決にスケール感を与えたかった、とのことで、出演者も、ザラストロ役が当たり役の世界屈指のバスの一人の人気歌手ルネ・パーぺ初め、オペラ歌手やミュージカル俳優を起用。

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1 映像スケール+オペラの圧巻音響

投稿者:- 投稿日時 2007/7/27 9:55:23
更新日時 2007/7/27 12:16:09

近年ではミュージカル映画化「オペラ座の怪人」は劇場で見ましたが、今回のオペラ歌手陣による豊かな声量の迫力はレベルが違う感で、特に夜の女王役のリューホフ・ぺトロヴァの高音まで伸びる広い音域、ザラストロ役のルネ・パーぺの力強い歌唱がインパクト。

脇役陣のコーラスの掛け合いの妙、多勢での歌声の響き等、2時間19分間音響的に満載+CGやモノクロ映像を交え、戦闘シーンはそう生々しくはありませんでしたが、広がりある高原や、ザラストロの神殿のファンタジックな空間等の視覚的スケールも。

物語的には、ファンタジー的アドベンチャー・ラブロマンス、ですがシリアスな部分とコメディタッチの部分等、様々な要素が混じって、やや散漫で、ラストへの魔笛の力と二人の愛情、という盛り上がりにはややついていきにくかった感で、

とにかく全編通してのスクリーンでの音響+映像スケールでオペラの魅力の一環を、という味わい作品、でしょうか。
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2007/7/25

ピエロの赤い鼻(’03)  ヨーロッパ

先日「サーカス展」で思い出した気になっていたジャン・ベッケル監督作品。フランスの片田舎でピエロに扮する父を恥じる少年に、父の親友が、その理由になった、第二次大戦中ドイツ占領下、捕虜になった時の出来事を回想する物語。

戦時下でのユーモアで人間味を描く作品類の中、究極の場での、捕虜に対する一人のドイツ兵のピエロぶりでの和みのパフォーマンス、というある種お伽話的ではあっても理屈抜きの人間愛。やはりそういう宝石的良心は抹殺されてしまう戦時中の悲哀、はあっても、心ある人の記憶として刻まれて後の人生に影響を与える、という希望の作品。

人の行動の根底の思いなど、身近な血縁だからこそなかなか語り合えず、判り合えないないままの場合も、ながら、父のつける赤鼻の背景を知った少年の、父の芸への眼差しが温かく変化したのも良い後味。ブノワ・マジメル演じる教師兼ピエロの朴訥な人間味、もあって、地味な作品ではあるけれど、少し淀んでいた気分がやや変った部分が。兵士が歌った歌を同じく小アコーディオン伴奏で歌った牧歌的な曲が耳に残った。さっき晴れていたけれど今薄日。(http://www.wisepolicy.com/effroyables_jardins/サーカス展示

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2007/7/13

オーロラ(’06)  ヨーロッパ

先日新作DVDリリースのフランスのニルス・ダヴェルニエ監督作品。踊りを禁じられた王国の宮殿舞台、踊ることの好きな王女と画家との悲恋物語。バレエもので公開時気にはなった作品。

パリ・オペラ座の協力で新星マルゴ・シャトリエがヒロイン、No.1エトワールのニコラ・ル・リッシュが画家役、日本人ダンサー竹井豊が王女に求愛する王子の一人として出演。白いシンプルな衣装で森やアトリエで踊リ続けるマルゴ(優美というよりやや勝気な表情)、母の形見のトウシューズを初めて履いて、画家の前で訴えるように踊るシーンが印象的。

最新の劇場で見たバレエものは「バレエ・カンパニー」でアルトマン作品のドキュメンタリー風群像劇だったけれど、こういう物語の中にバレエが組み込まれている作品は珍しいようで、この物語的には童話風お伽話で、やはりダンサーの動きからのバレエの優美、ダイナミックさ体感はDVDよりはスクリーン鑑賞向きとは改めて。(http://www.aurore.jp/

今日で教本の語いを一通り終える予定。片岡義男エッセイ「昼月の幸福」を少しずつ読んでいて、やはりあっさりした文体。昨夜はずっとクーラーオンのままだった。京樽で再度7月中限定らしい「夏のバッテラ」と向かいの茶屋で餅チーズたこ焼きを買ってきて食べた。やはり曇り空。

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2007/6/19

薬指の標本(’04)  ヨーロッパ

日本では昨年公開、小川洋子の原作映画化、とのことで興味があった春にDVDリリースのフランス女性監督ディアーヌ・ベルトラン作品。工場で作業中、薬指の先を失くすケガを負い、見知らぬ町で標本製作の仕事をすることになった少女、そこの技術士との時間を描いた物語。

植物、音楽、ペットの遺骨等様々な人々の”思い出”を標本にする、という閉じられた世界、少女と技術士の間に生まれる官能的な雰囲気、終盤ややサスペンス的な匂いもしつつ、研究所、ヒロイン役の、モデル出身のオルガ・キュリレンコの、物語が進むにつれて美しさが発散されていく変化、彼女が住む港町の部屋等、シックな色調、ピアノの調べをバックにした、一息つくような静かな珠玉作、の感。

昨年原作共に味わった「博士の愛した数式」以来の小川洋子作品、原作の舞台は多分日本のようで、「博士・・」とは作風が違うようだけれど、手元の本もそろそろ返却、借り直しで図書館へ行かなければいけないし、これも折あれば読んでみたい。(http://www.kusuriyubi-movie.com/「博士の愛した数式」

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2007/5/28

ひつじのショーン(’07)  ヨーロッパ

日曜深夜放映の録画を見た「ひつじのショーンスペシャル」、「ひつじ・・」は、イギリスの人気クレイ・アニメ「ウォレスとグルミット」シリーズの「・・危機一髪」('95)で登場のひつじのショーンが主人公のスピンオフ作品の1話7分のTVアニメシリーズ、4月からNHK教育で日曜夕方放映中とのことだった。

前回アカデミーで「ハウルの動く城」を破って長編アニメ最優秀賞受賞の「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」は劇場で見て割と記憶に新しく、このSP番組では、のどかな牧場舞台に、レタスでのサッカー、赤い熊のぬいぐるみ、人間を装い町へピザを買いに行く3話、主題歌を歌う石井竜也のインタビュー、メイキング映像等。

やはり「ウォレス・・」での、ユニークな登場動物・人物のクレイ(粘土)の手作り的質感が、目に柔らかく、科白はないものの、白いフカフカした胴体の羊達の風情や丸い瞳の表情等一時ほのぼの感。今後チェックを。昨夜「情熱大陸 上野樹里」を録画。(http://www.sonymusic.co.jphttp://www3.nhk.or.jp/anime/shaun/main.html「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」

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2007/5/7

明日へのチケット(’05)  ヨーロッパ

エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの3監督による、あるローマ行きの列車内でのそれぞれのエピソードが、接触しながら1つになった物語。最近イラン作品を見る機会もなく、久方にキアロスタミ監督の名が、ということで気になっていた、イギリス=イタリア合作。

印象に残ったのは、初老の大学教授の、旅の手配をしてくれた女性への想いがしっとりとよぎる道中の回想。あとは、2等車の切符なのに、勝手な理屈で1等車に居座り続ける、何とも傍若無人な初老の未亡人、兵役義務での彼女の世話に愛想をつかす青年、遺された彼女の孤独。

サッカーの試合を見に行く少年達の、アルバニアの移民家族との触れ合い、切符を巡るトラブル、情にうたれて取った行動、でもラストの、若さの行き当たりばったりらしい顛末。色んな階層、人種、旅の目的の人々の感情、行動が1台の車内で接触しながら描かれる、久方のイラン作品式即興劇風な味も。

旅にしても人生にしても道中、人の痛みを解さない人間には関わらない方が無難だろうし、道すがら関わり合う人の苦境は心底理解出来ないとしても、出来る範囲での良心、という淡い慰めの感も。(http://www.cqn.co.jp/ticket/index.html

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2007/5/4

アガサ・クリスティーの奥様は名探偵(’05)  ヨーロッパ

新作DVDリリースのパスカル・トマ監督作品。ミステリーながら原作がアガサ・クリスティーの「親指のうずき」、とのことで興味あった作品。イギリスと思っていたらフランス舞台。

行動的で勘の働く妻が、夫の叔母のいる老人ホームで不思議な婦人に出会い、一枚の風景画に描かれた家を巡り、怪しい陰謀の気配を感じ、踏み込んでいくミステリー。妻役カトリーヌ・フロと、彼女を案じる夫役アンドレ・デュソリエの熟年夫婦の軽妙な呼吸、エスプリの効いた会話、湖畔や緑の高原等、美しくのどかなフランスの田園風景を背景に、過去の窃盗や殺人事件、悲しい因縁が絡み合ったサスペンス。

クリスティーのポアロやミス・マープルシリーズ本は一時期馴染み、ビデオも発見する度に見たけれど、この「親指・・」は未見のトミーとタペンスのおしどり探偵シリーズの1つで、タイトルに覚えがある気はするものの、見た後も、原作は読んだか未読か不明のまま。昨夜深夜放映の「のど自慢」を録画。(http://www.okutan.jp/

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2007/4/18

黒いチューリップ(’63)  ヨーロッパ

月曜深夜放映していたクリスチャン・ジャック監督作品。18世紀のフランス、革命直前の動乱期、私服を肥やす貴族や役人の財宝ばかりを狙う正義の盗賊”黒いチューリップ”と、その双子の弟をアラン・ドロンが演じた冒険アクション。

内容よりはアラン・ドロン出演、とのことで見たけれど、今週はたまたまか、テレビ東京の午後のロードショーでも、木曜の「アラン・ドロンのゾロ」まで彼の出演作特集のようで。ドロンを最後に見たのはいつだったか思い出せない。クールでニヒルな兄と、素朴で明朗な弟の二役、やはり久方のどこから見ても隙のない端整なマスク、フェンシング姿も麗しさが。

弟と男勝りの娘役、ヴィルナ・リージとのロマンスも色付けに折りいれられ、兄弟愛要素もありつつ、やや不自然な流れもあるけれど、お話的には軽快な英雄伝で、コメディ的な味もあるドロン作品、という感。(http://www.amazon.co.jp/%E9%BB%92%E3%81%84%E3%83%81%E3%

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2007/3/20

うず潮(’76)  ヨーロッパ

金曜深夜放映していたジャン・ポール・ラプノー監督作品。南米べレズエラで流れ者の女性のロートレックの絵を抱えての結婚相手からの逃走劇に、孤島で暮らす男が巻き込まれて、という展開。音楽はミシェル・ルグラン。

カトリーヌ・ドヌーヴ出演作を見たのは「永遠の語らい」('03)以来、やはり海辺リゾート舞台でもっと抑えたトーンの「海辺のホテルにて」や孤島舞台の「ひきしお」も、詳細記憶薄れているけれど彼女がヒロインだった。この作品の彼女は奔放で行動的、摩擦がありつつ時を過す内にイヴ・モンタンが、彼女の内面の純粋さに魅かれていく、フィジー辺りを思わすようなコバルト・ブルーの海をバックに、コメディがかったロマンスもの。

懐かしいイヴ・モンタンは多分、’98年クラシック特集上映で見た、原作が一時期馴染んだサガンの「ブラームスはお好き」のバーグマンとの「さよならをもう一度」('61)以来、彼女に振り回され困った表情が似合う中年を演じる姿は、やはり渋みが滲む。(http://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/98009549?u=books_channel_part4

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