タダ券もらったので見てきたんですが・・・少々鼻白む内容でした。
ネットで検索してみると「泣けた」というコメント多数なんですが、
主人公が「若年性痴呆症/認知症」を患うなんて予備知識があって、多少は社会性のある内容かと思ったのがそもそもの間違いでした。実体は美男美女のカップルでヒロインが不治の病に冒される悲劇という古典的メロドラマ。美女と野獣という感じの主人公ふたりが結ばれるシンプルなロマンスの前半のほうが、お約束の展開も鼻につかずまだマシでしたね。
夫が、自分が妻の面倒をみる、と主張して同じ街にある彼女の実家の協力も拒んだくせに、症状の進んだ彼女を一人家に残して仕事に出かけてしまうというのはどういうつもりなんでしょう。
しかも主治医が「強いストレスは良くない」とアドバイスしているのに夫は暴れて妻に心理的負担をかけまくります。主人公のはずですが冷静に見るとほとんど敵役。呆けてるから分からないと思ってるのか?
ようやくたった一度、ぐっとこらえたらそのことで逆に妻に気を遣わせてしまうことになる始末。まああの置手紙のところだけはちょっと感動的だったかな。
その挙句、ヒロインは行く先も告げずに家出(かなり痴呆が進行しているのに独力ではほとんど不可能なはずだと思うんだけど)してしまいます。
まあ手厚い看護体制を敷いたんでは、そういう展開にできないわけですけどね。
同じ病気がテーマになっていて話題の、封切られたばかりの渡辺謙主演の映画『明日の記憶』は、まさかそんな内容ではなさそうですが。
と、否定的なことばかり書くのも気分がよくないのでおまけ。
少し前まで読売新聞に連載されていた若年性のアルツハイマー病の患者さん夫婦を取材したルポがなかなか好内容でした。
個人のページだと思うのですが、せっかくそのまま掲載している所を見つけたので御紹介。
http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/ypwad.htm

0