「ロングテール理論がもてはやされても儲かるのは大手?」
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ロングテール理論とは要するに、「売れ筋ではなく個別の売上げはわずかな、いわゆるニッチ商品でも、在庫や陳列スペースの制限が少なく、多様な品揃えが可能なオンライン販売では、その総和は大きなものとなりうる」ということのようだ。
小学校の教科書に載っていた「スイミー」とか思い出した。
で、『「
ロングテールは本物でも、儲かるのはオレたちだけ」−AOLトップの腑に落ちない言い分』という記事↓を見つけたのだが、
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2509665/detail
(livedoorニュース/CNET JAPAN)
この記事では、「それでも儲かるのはやっぱり大手業者だ」という他でもない大手のAOLトップの見解に疑問を呈している。
しかし、ロングテール効果を十分に享受できるほどの品揃えを提供できるのは普通に考えれば大手なわけで、AOLのCEOと対比されているGoogle(これも今やれっきとした巨大企業だ)のEric Schmidtのコメントも私には、「中小の企業にもおこぼれにあずかるチャンスはある」という意味にしか取れないのだが、やっかみだろうか。
CDを買うときなんかでも、特定のジャンルの品揃えが豊富なマニアックなショップもありがたいが、とりあえず Amazon で検索すると、ほとんど何でもあったりするものな。
もちろん、小規模な企業に生き残りの目がないわけではないが、ロングテール理論は格別そのための慰めにはならないだろう。
ネットの革新性を過大評価するそういう見方は、インターネットが商用利用に開放されてからしばらくの間も根強かったが、大きな潜在的ニーズを掘り起こしたり、独自の優れたサービスを提供した会社が、当初は弱小であっても結局は大きく成長して、「大手」として君臨する形が主流となっている。
つまりネット上では小資本でスタートすることは容易でも、売れ線の需要ほどほとんど大手に持っていかれる分、生き残り、成功するための鍵としては、他に抜きん出たアイデアやセンスやサービスなどが不可欠である、というところは同じだろう。

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