「琉球フェスティバル2006in京セラ大阪ドーム」
music
いやあ、今年も長かった。
駆け足で印象を書いてみたらそれだけですっかり遅くなった。
もう寝なくては!
よなは徹−オープニングの琉鼓会の地方から普天間かおりのサポート(そう言えば、古謝美佐子の『天架ける橋』にも参加していたのだった)まで大活躍。自らのソロでのステージングも、下地勇なにするものぞというくらいにやたらと格好良く、短すぎる!と残念だった。
その下地勇も相変わらずフランス語か何かで歌っているようにしか聞こえないが男前。しかし、去年も同じ印象を受けたがああいう巨大会場にジャカジャカしたアコギサウンドは不向きかも。
ただ、引き続き下地のサポートも務めたTWO TONESの内田勘太郎&島袋優はさすがにじっくりギターを聞かせようというツボを心得た演奏で、聞き応えがあった。てぃんさぐの花で聞かせた、勘ちゃんを差し置いての島袋君のボトルネックもなかなか。
ディアマンテスはあまり沖縄風ではないのだが、やはり乗りの良いバンドサウンドはフェスティバル向きで、けっこう受けていた。アルベルトの歌もいい感じ。
神谷千尋ちゃんはナチュラルな透き通った歌声が素晴らしく、ドームの観客を静まり返らせるほどの鮮やかな印象を残したのでは。
そういう意味では大島保克の必殺「イラヨイ月夜浜」もほとんどの人の耳を釘付けにしていた。同窓生のサンデーを従えての赤ゆらも文句ない出来だったな。この人、CDで聞くともうひとつインパクトのない歌声なんだが、実物には崇高さすら感じてしまう。
大工哲弘さんもCDでは時折とぼけた声に聞こえてしまう(個人的にはそれも好きだが)のだが、声の素晴らしさではやはりピカイチ。
まあ最近間近で見て肉声に感動したので今日は少し冷静に見たが、八重山商工を称えてのとぅばらーまも圧倒的。ドームでまで「ハンカチおじい」ネタやってしまうあたり、やっぱり好きだな。そうそう、奥さんの返しに囃子、それに踊りも良かったね。
坪山豊さんは大工氏とは全く対照的なファルセットの美しい個性的な唄者。やはりこういうてらいのない民謡は良い。トイレに行っていて紹介を見逃して、返しを務めていた女性がえらく華のあるお弟子さんだな、と見とれていたら彼女が中村瑞希さんだった。うーん、ルックスといい唄声といい色気があります、気に入った。
鳩間可奈子ちゃんは歌い回しが実に気持ち良い。ただ、本来はオーソドックスな民謡・島唄をベースにした演奏のほうが彼女の個性には合っているように思うので、今年の持ち時間後半のサダオ楽団でのアレンジは私には今ひとつだった。ポップスにアプローチするにしてもあくまでも島唄寄りでアコースティックなサウンドが似合うはずだ。
で、年長の我如古より子さんこそ、実は民謡からポップス、ファンクまでなんでも来いみたいな印象なのだが、知名定男さんとの味わい深い競演はやはり最高。ナークニー〜かいされもだが娘ジントーヨーが生で聞けたのは幸せに尽きます。大島さんも言っていたが、いよいよ貫禄が備わってきた知名さんの、命日だった嘉手刈林昌さんに寄せる熱い思いもしっかり伝わってきました。
知名さんと言えば忘れちゃいけないネーネーズ、今年も初代のナンバーばかりだったがシャーマン、テーゲー、キジムナーブルース、オキナワと選曲は最高。分かっちゃいてもジーンと来ました。
パーシャクラブにはもう何も言うことありません。良くて当たり前の期待にやはり人気もすごいが、よっ、「固み節」!と立ちあがったところに「月ぬ美しゃ」をパッと入れてくる辺り、まだ盛り上げるか?という感じ。で見事に乗せられてしまった。「じんじん」あたりは今日一番の盛り上がり、みんな好きなのね。本当にまた来週見たい。
津波恒徳さん、さすがに声量は若い者に負けるがすばらしい味わい深さ。これが民謡の奥深さでもあるのだろう。エンディングのカチャーシーの時の元気さにもびっくりした。
味わい深いと言えば、だいぶ後から出演が決まったらしい白百合クラブは、ご自分達でも仰っていたように、今日の出演者の中にあってははっきり言って下手なんだが、いいもの見せてもらいました、と言う感じで見入ってしまった。大工さんのアルバムを聞いたのが活動再開のきっかけの一つだったとは聞いたことがあったが、「さよなら港」をここで聞けるとはうれしい驚き。ダンサー陣の着替えの間を持たせるためのお喋りでも力の抜けるようなテイストで会場を和ませていたリードヴォーカル&MCのお爺が保克さんの父上だったのかな?
あと、エイサーが盛り上がるのもお約束。有名なミュージシャンが出るわけではないが近くで見るとやはり手を叩き、踊り、下手な指笛のひとつも鳴らしたくなる。
今年はアリーナが指定席になり、昨年までよりも多少観客席、特にアリーナ前方のノリもおとなしくなった感もあるが、まあ酒盛りにばかりでなくじっくり音楽に耳を傾けるには悪くないし、混雑解消には仕方ない面もあるのだろう。来年も強力な顔ぶれを揃えて開催されることを期待したいものだ。

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