「Derek Trucks Band at 心斎橋クラブクアトロ」
music
先週の11月29日木曜のことになるが、仕事を昼間で切り上げてデレク・トラックス・バンドのライヴに行ってきた。
言葉では形容しがたい独特のヴィヴィッドなトーンに
酔うことができたひと時だった。
ヒットチャートなどとは無縁とは言え、天才Duane Allmanの再来としてオールマン・ブラザーズのメンバーも務めていたり、エリック・クラプトンのツアーバンドに恭しく迎えられたりとサザンロック、ブルースロックあたりが好きな音楽ファンにはたまらない話題も振りまいていただけに、小さめの会場とも相まって大変な盛況で、私にはめずらしく開場時間に間に合うように行ったにもかかわらず、始まってみれば当のデレク・トラックスの姿は座っての演奏のときには頭の天辺しか見えないような有様であった。
しかし、演奏はと言えば、本人のギターは文句のつけようのない素晴らしさで、えげつないトーンでの音の選び方はまさに「歌う」という形容がぴったりの悶絶もの、殊にスライドでの早いパッセージのコントロールにはまさに世界最高峰と評されるだけのものがあると、見ていてうならされるのを通り越して叫びたくなるくらいのものがあったね。
前述したようなオールマンズやクラプトンの音楽性を大きくはみ出したようなバンドとしての多彩でユニークな音楽性も売りで、それはスタジオ作品では時に散漫に思えることもあるのだが、ライヴでは実に強力な武器としてアピール度満点だった。
ただ、音質の面ではリズムセクション、特にドラムスの音がつぶれていた上にミックスが悪く、主役のデレクのギターがかき消されそうな場面が前半を中心に多かったのがちょいと気になった。
セットリストに関して言えば、ラストの「Key to the Highway」なんかは「It hurts me too」やったんだからもう充分、と言う感じでスライドの妙が最大限に楽しめそうなエキゾチックメドレー「Maki Mandi/Sahib Teri Bandi」でもやってほしかったなあ・・・などと贅沢を言えばきりがないが、Volunteered SlaveryとかGreensleevesとかSoul Serenadeとか聞けたし、Done Got Over>Turn on your lovelightもたまらないものがあった。
トレードマークのギブゾンSGのセクシーな音はもちろん、途中のリッケンバッカー(で合ってますか?本当に全然見えなかったもんで)でのハウスロッキンな演奏もエキサイティングで大興奮。アコースティックも良かったが、実を言うとあまり声が好みでないヴォーカルの人が目立つので「Soul of a man」一曲でまあ良かったか。
なにはともあれ、再来日があれば是非また、と思わせる素晴らしい内容のライヴでありました。
そうそう、彼らはテーパーフレンドリーと呼ばれるバンドのひとつで、ライヴ音源の録音、配布を許可しているというのに当日のカメラなどのチェックはかなり物々しかった。ここでそういう音源のひとつとして来日前の11/8のニューヨークでの演奏を紹介しておこう。
http://www.archive.org/details/dtb2007-11-18.16bit_flac

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