NHKの朝の連ドラ「風のはるか」で、こんなシーン、こんなセリフに接しました。
大阪から
湯布院に帰った主人公
はるかが、観光協会主催の
音楽祭の担当になりました。大阪の大手旅行社勤務の経験を生かして、
はるかは有名音楽家を「都会」から招き、音楽祭を一大イベントに仕立て上げます。
全国から人と車が集まり、湯布院は大賑わいになりました。関係者は仕事に追われて演奏を聴くこともできなかったのですが、まずは疲れ果てた表情ながら成功を喜び合っていました。
そこに由布院の主(ぬし)とも言うべき旅館主が現れ、こう言います。
「音楽祭は失敗じゃった」
「由布院のまつりは湯布院ん子のもの、町のものが楽しまん祭りは町の祭りじゃない」
さらに同級生が言います。
「みんながまつりを手伝うのは、まつりをいっしょに楽しみたいから」
「有名人を呼んで、人がたくさん集まって・・・そんなの都会のコンサートと同じ」
「みんなが楽しみ、自分たちも楽しみ、それでお客さんをもてなす。それがこの町の祭り、あんたの言ってるホスピタリティーじゃないの?」
セリフは「忘却力」鋭い私のこととて、ちょっと危ういところもありますが、ドラマの中でおおむねこんな会話が交わされました。
なにかなつかしさを覚えました。私自身まだついこの間まで
「手づくりの町の文化づくり」なんてことを唱え、
町民ミュージカルは500人もの町民の手でつくったのだとか、
万博木曽川町の日はバス50台1,000人の人たちがつくったのだとか、手づくり・自分参加の楽しさを吹いてばかりいたものだから。
大きな町は地域を代表して他と争う必要もあるからか、カッコウとか規模とか記録的なことにこだわる傾向があり、ある面やむをえないところもあります。「日本○大祭り」とかには誰だってこだわりたいものです。
でもその中で、地域の行事にはその地域らしさをかもし出すことが求められる。
地域の人々の郷土への思いとか、心の暖かさとかが感じられることが、その行事の魅力となり、人をひきつけるのだと、私は思うのです。その魅力を作り上げる最大のものが
「住民参加」である・・・ちょっと行政用語っぽいけど、そんな風に考える次第です。
ちょっと余裕ができて、テレビドラマから学んでしまったことを書き留めました。合併協議でも3つの町それぞれの行事・祭りを大切にしようということを、結論として得ています。これからの一宮市においては、
郷土色豊かな祭りと地域行事が、争いあうように繰り広げられる・・・そうなれば
「住んで楽しい町」が一歩近づきます!

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