木曽川商工会が
企業経営者を対象にセミナーを開講すると聞き、意気込みがちょっと違うなと感じて参加しました。企業経営者じゃない私は、ま、やじ馬ですね。
テーマは
「経営者としてのスキルアップ & 先進企業の現場からヒントをつかむ」
視察先は
「株式会社ダイフク“日に新た館”」(滋賀県蒲生郡日野町)
朝、商工会前をバスで出発したのですが、まず車内での企画者の挨拶がキリッとしていて良かったですね。
「今日は親睦会ではないので、車内での飲食は用意していません。」 一日中工場見学と研修ということで、昼食も研修所内の食堂とのこと。当たり前といえば当たり前ですが、
「政務調査費」などのおうわさを聞けば、これまた
「日に新た」ということでしょう。
現地に着いてびっくりしました。
緑の森の中に近代的な工場が静かに配置されています。11も!
敷地面積40万坪! 広い道路が敷地を貫いています。
ロードサイドポケットパークとして残された植生を見ると、ここは
赤松林だったことが想像できます。
1970年代、大阪万博の頃、
蒲生郡日野町挙げての誘致を受けてここに進出した
「株式会社ダイフク」の先見の明が、研修室の窓の外に展開される雄大な風景に浮かび上がってきます。隣接して広大な
工業団地が造成されているんです。丘陵の緑につつまれて、です。
まず気になったのが、
日野町の町長さんの施政方針と町の財政状況。企業のほうはこれから研修を受ければわかるけど、日野町のことは何も知らなかったから。
午前中は
工場見学・・・といっても
「日に新た館」という綜合展示場で、ここで産み出される物流機器、システムがすべて
実働展示されているから、われわれは
美しいお嬢さんの案内で、温湿度管理され塵一つない空間を快適に巡るだけです。途中休憩では
コーヒーサービスもあり、至れり尽くせり。
イヤホンをつけているので、どこにいても
お嬢さんの指示が聞こえます。休憩中
トイレに行っていたら、「それではご集合ください」という声が耳元に聞こえて、
便器の前に立ち尽くしてしまったという人もいましたよ。
自動車の生産ラインとか、
物流倉庫の自動収納出荷システム(というのかどうかわからないけど)が、ものすごいスピードでフル稼働している桁外れの見学施設に、私などは
圧倒されっぱなし。時々直に耳に伝わるお嬢さんの声で
はっと我に帰るという有様でした。
なんでこんな巨大な見学施設に投資するんだろうと不思議に思ったりしましたが、例えばコンピューター制御で…リニアモーターで…ものすごいスピードで信じられないような複雑な動きをする巨大システムを、
カタログ一枚で売り込めるか!と考えると、答がつかめます。そうです、コレは
巨大な販売営業システムなのです。
そのシステムにお嬢さんとコーヒーを配して、一方でこれは株式会社ダイフクの
巨大PRシステムでもあるわけですなあ。感心することシキリでした。
世間を広く見なければいけません。
地場産業の低迷に対する無為無策を恥じて、町長としての給与を自らカットしていた私…そんなことしか出来なかった自分の小ささを今さらながら感じましたね。商工会の
馬場さん多賀さん、
あの頃私をここへつれてきてくれればよかったのに! なにかパッとひらめいて、日に新た!局面を打開して行ったかもしれないのに…そんなことはないか。
とまあ、圧倒され続け疲れ果てて、
午後の講習では脳味噌が休憩しようしようとするものだから、ちょっと往生こいたのですが(フルボケノーミソのバカ!)、
『21世紀の夢づくり・ヒトづくり・モノづくりU』と題した企業の総帥大西会長のお話を、もう一度レジメをもとに反芻してみます。
大変失礼な話しですが、玄関に我々を出迎え、見学や休憩・食事の手順まで説明し、つきっきりでお世話してくださった男性…この方が午後の講習で演壇に立たれたときにはびっくりしました!。
案内係のベテラン社員さんだろうと、私ではなく誰かが言っていた…
それが大西会長だったのです!
親しみ深く飾られないお人柄が、企業をここまで健全に成長させたのでしょうね。お見それいたしました。そして
日野町の町長さんにますますお会いしたくなりました。
商工会のみなさんの意欲的な取り組みに敬意を表します!
夢のような自動車生産ラインの最新モデル。
お嬢さんのイヤホンマインドコントロールで、みんな
夢見るような表情です。

画面には
「歓迎木曽川商工会」、前方画面の左の演壇におられるのが
大西会長さん。実はこのときも
「案内係さんがマイクの準備をしている」とばっかり思っていたんです(!)。

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