ボーダーテリア、ダグラス
今回はコテージの庭に3匹の羊が迷いこんできていた。低い位置にある全ての植物の葉は食べられ素っ裸状態に。気に入りのクレマティスもいい香りのバラも全て葉っぱは食べ尽くされていた。(以前、牛が入り込んでいた時の義理ママの言葉「牛は羊よりはましよ、羊はなんでも食べちゃうから。」にうなずける悲しい状態。)
しかし、誰も羊の姿を見たものはおらず。
いつもフレッシュなポロポロとした羊のブツがいたるところに残されているだけ。
どうにかして見つけて追い出したい!という欲望にかられた私は、同じくコテージに滞在していたウィリアムの犬、ダグラスにお伴をたのみ野草でうまる庭に踏み出した。
この時期は黄色の「イヴニングプリムローズ」で埋め尽くされる まだまだ野生の庭。唯一、人の手がかけられた小径だけを頼りに丘陵の庭の上部まで登っていった。ボーダーテリアのダグラスは、すごい興奮度合いでイバラの茂みに飛び込んでクンクンと走り回っている模様。私から見えるのはうごめくイバラの茂みだけ。
「羊を探して」がイブニングプリムローズに囲まれる「のんびりとした散歩」になっていた約1時間後、時折顔を出して尻尾を振っていたダグラスが かなり庭の頂上に入り込んで行ってしまった。
と、地響きとともに私たちの探していた3匹の羊が すごい勢いで私の立っている小径を駆け降りて来た。もちろん、闘牛士のみならず闘羊士の訓練など受けた事のない私は、彼らに道を譲ることに。一番若そうなのが目の前で転んで横になって死んだふりをしたけれど、それでも私はこわくて何も出来ずに突っ立っていた。
その3匹の後にやってきたのが勇敢なダグラス。もちろん死んだふりをしていた羊も立ち上がりすごい勢いで隣の庭に駆け降りて行った。ものすごい体験だった。そしてボーダーテリアの羊に対する執念を確認した事件でもあった。
また、裏の丘を所有する牧場主に柵をなおしてもらうよう電話しなくては…。