予想通り、映画祭とワールドカップ漬けの昨今。
夜はワールドカップの為に買った小さな小さなテレビの前か、映画館の大きなスクリーンの前。
先週末で映画祭は終了。とても楽しんだ2週間だった。一気にここまで世界中の映画を観た期間は、人生で初めてだろう。下記がそのリスト。
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an inconvenient truth (usa)
bashing (japan)
big river (japan/usa)
full or empty (gol y pouch) (iran)
say good morning to dad (di buen dia a papa) (Bolivia/Argentina/Cuba)
off side (iran)
the libertine (uk)
manderlay(denmark/sweden)
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我ながら毎晩よく通ったと思う(→夕食はシネマでポップコーンがパターン化という苦学生に戻る食生活)。ほとんどの映画が低予算で作られたもの。中にはイランなどのようにかなり規制の多い国でこっそりと海外向けに作られた映画なんかもある。たくさんの監督が訪れていて Q&Aコーナーが観た後にあったのも得した気分だった。
どれもとても魅力的な美しい映画たちだったのだが、最後に観たラース・フォン・トリアー監督の
Manderlay(マンダレイ)は特に良かった。この映画で今回の映画祭を締めくくれたことは 私にとって とても大きな意味があるように思う。様々な批評がくだされるだろう この映画にはとてつもないパワーがあった。
(監督本人訪れたことがないのに)アメリカ批判というものから発展した もっと基本的な意味での自由についての定義や、民主主義と平等のありかた、奴隷制度というものについて、、、全てにおいて ここ最近わたしの頭の中を駆け巡り、小さな結論さえ出せていない問いたちが この映画のなかにひしめきあっていた。この国で私がとっている行動ひとつひとつを 振り返らされ あざ笑われ 再確認させられているような。
映画をこんなにも鋭い槍として使えるとは、、、。
舞台での芝居をカメラで撮影しているような設定が非常に斬新。テーマにこの手法はとてもフィットしているように思った。特にライティングと舞台に書かれたタイポグラフィーがあまりにも格好いい、素敵! そして濃厚な内容・演出とショッキングな結末(あまりにも現実味がありすぎた。人間は結局、理想を諦め、現実に負けるのか? イヤだ。)に 帰り道はかなりヘビーな空気が身体をかけめぐる。
そのまま眠ると悪い夢を見そうで、TVでワールドカップ ポルトガルーオランダ戦を観戦。これもレッドカード4本立てのダーティーな試合で 悪い夢を覚悟しつつベッドに入ったのだった。
追記)big riverのオダギリ・ジョーはやっぱり格好よかった。日本人の格好いいのを他の国人々に見せられて、とても嬉しかったのだった。
そしてアキへ:イギリス映画の『the libertine』観るべし。キングチャールズ2世(ジョン・マルコビッチ演 相変わらず彼の目は素晴らしい強さ)が登場するので、もちろん彼の犬も続々登場。脇でいい演技しています。そして いつも話している英国人のセクシャルさとインテリさが充満で笑うよ。昔からそうだったんだ、と。