朝日新聞によると、2006年現在の非正社員は1663万人だそうです。正社員となる人口のおよそ半分にあたります。これって選挙の結果を左右できる有権者数ですよね。でも、私の周りの派遣社員たちは選挙に行く人たちは少ないように思います。
確かに政治とは無関係に日常は過ぎていきますからね。
好きになった男の子が自民党や共産党支持だからといって恋愛感情が左右されるわけではありませんし、国民健康保険料が異常に高くなっても、市役所の窓口でぶつくさ文句を言うだけの話ですしね。
家に帰っても、誰もいない。だっておかんはパートに出ているし、親父は深夜帰宅は当たり前だし・・・子供の習い事で忙しいし・・・ですよね。
いつのまにか、「働くこと」=「美徳」というイメージを植えつけられてきました。実際には生活の重要な部分を犠牲にしているというのに・・・。「働くこと」=「自由」のイメージかな。そして、「消費」=「美徳」となる。びっくりですね。こんなものは、不足していた労働力の供給と、賃金労働者を増大させることによる消費の増大を狙ったものに過ぎません。戦争中は「生めよ増やせよ!」が美徳でした。何故か?軍隊を支える駒と、産業を支える労働者が必要だったからです。
自由や美徳なんてどこにもない。
高度に進化した資本主義においては、製品の拡大再生産ではなく、「欲望」の拡大再生産がなされていきます。「消費は作り出される」ことを喝破したのはガルブレイスでしたか。欲望が刺激され拡大されるのですから、生産と消費、需要と供給の一致点など、いくらでも歪めることができますね。昨今騒がれている知的財産権重視の政策もそのひとつでしょう。所詮はお金儲けです。
少し大人になってみて、アメリカの現状と日本を比べてみると、日本は常に10年後にはアメリカの仕組みを取り入れてきたことが分かります。簡単に言えば、アメリカではやったことをすれば、日本でも成功者となれたわけです。最近の例で言えば、ヤフーなんてのも全くそのまんまですね。こうした関係は現在の日本と中国の関係に似ています。日本でビジネスモデルを学んだ人たちが、それをそのまま中国で実践して、大金持ちになっています。億元戸というお金に強〜い人たちです。
政治の世界でも、10年遅れでアメリカ流をそのまままねしちゃった人がいます。問題なのは、10年遅れですから、日本で実施するときには既にアメリカで破綻している、とうい事実があるのに、まねしちゃったということです。竹中・小泉猿真似コンビです。
現在非正社員として苦しんでいる人たちにわかって欲しいのは、労働者派遣を可能としたのは、このTKコンビだということです。労働者派遣を民間が業として行えなかったのは、もともと異常な搾取が可能な仕組みだからです。悪辣な人身売買のようなものだからです。企業が1800円/時間で発注した仕事を、900円/時間、交通費無し、給料手渡し、社会保障は一切なしで雇える仕組みなんて、どこをどうひねってもおかしい。
けれども、必要性に乏しい郵政民営化や労働者派遣の仕組み、これらを認めたのは、TKコンビです。自己の政策に何の説明もしない。感情的な一言フレーズで済ませて、イメージだけのカリスマ性だけで乗り切ったわけです。
それを支えていたのは、現在、非正社員である人たちを含む多くの、政治や歴史に無関心な多くの人たちでした。今の安倍川モチ政権も同じ流れの上にあります。で、何をしているのでしょうか。共謀罪?教育基本法改正?防衛省?核戦略の議論?造反議員復党?どれひとつとっても政権の存続自体が問われる大問題です。それを数の論理で押し通そうとしています。モチ政権の支持率が何故こんなに高いのか私には皆目理解できません。
プータローやらニートやらは論外ですが、非正社員で働いている人たちには、選挙に行くことの大切さを知って欲しいと思います。世の中の大本はやはり政治が決めています。政治的な力というものは恐ろしく強いからこそ、憲法があり、人権があるのです。人権のうちもっとも重要なのは、選挙権です。言うまでもありませんが、政治の行く末を決める決定的な手段だからです。
私は支持政党がありません。でも選挙には行きます。選挙権はきちんと行使しないと、気づいたときには、政治はむちゃくちゃになってしまいます。世の中がむちゃくちゃになってしまいます。
もうそうなっているのかな?はぁ〜。。。


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