サンプロ茶番劇場
サンプロを見た。ネット上で田原批判が盛んに行なわれいるせいか、田原の論調は多少マイルドとなっている。
けれども、やはり権力に擦り寄る田原の姿勢は明確に読み取れる。表現がマイルドとなっている分、その毒はかえって危ないものとなっている。知らないうちに、田原の発する極論が視聴者に刷り込まれるからだ。
民主党小沢党首に対し、参議院で過半数を得たら具体的に国会はどうなるかを尋ねた際に田原はこう口を挟んでいる。
『じゃあ、民主党が参議院選挙に勝ったら自民党の法案はすべてキャンセル?!』
田原お得意の極論戦術である。
このような極論は本来、民主主義にはありあえない。この極論は民主主義の否定を前提として成り立っている。
同質性を前提に、議論の過程で、意見の対立するもの同士がお互いに譲り合い、妥協を促すのが、議会制民主主義である。
田原は、あえて民主主義と多数決主義を混同させ、極論を用いて相手を動揺させる。これを煽る。
現実に議会制民主主義を破壊しているのは、安倍政権である。
安倍内閣における閣僚たちは、事務所費問題を始めとして、やりたい放題である。俺たちは権力者だと胸を張る。十分な審議もないままに安倍内閣の行なった強行採決は、この半年だけで18回に及ぶのだ。
2月2日 H18年度補正予算
2月2日 地方交付税法
3月2日 地方税法、地方交付税法
3月2日 公債発行特例法、所得税、特別会計
3月3日 H19年度本予算・関連法
4月12日 米軍再編促進法(駐留軍特別措置法)
4月12日 憲法改正国民投票法
4月18日 少年法
4月27日 更生保護法
5月25日 社会保険庁改革関連法
5月30日 「消えた年金」時効特例法
6月13日 政治資金規正法
6月13日 電子債権法
6月18日 委員長不信任動議、議員内山晃君懲罰動議
6月19日 教育関連3法(参議院)
6月19日 イラク特措法(参議院)
6月28日 社会保険庁改革関連法(参議院)
6月29日 「消えた年金」時効特例法(参議院)
もちろん政党が議会における勢力範囲を広げようとするのは当然のことだ。
しかし、民主主義が多数決主義に堕してしまえば、それは議会の死を意味し、自由の死を招く。独裁体制へと直結する。私たちはこれを監視しなくてはならない。表現の自由が保障されているのは議会制民主主義を担保するためである。
ところが、独裁を煽る田原はこれを逆手に取る。私が似非ジャーナリストと田原を呼ぶ理由はここにある。
十分な議論を前提とする議会制民主主義は、ともすると一見民主主義的な手法によって否定されてしまうことがある。その歴史を田原は熟知しているはずだ。ナチス党の台頭がまさにそれであったし、日本の軍部独裁体制もそうであった。
6年に及ぶ小泉・竹中体制も多数決主義を信条とした。郵政民営化解散がまさにそうであった。これを引き継ぐ安倍政権は更なる独裁体制=多数決主義を目指している。
つまり、今、議会制民主主義は日本において死にかけているのだ。
田原は極論をちらりと口にする。
民主党が台頭すれば国会は機能しなくなる。衆議院の優越によって力による法案成立は可能であっても、安倍政権による国会運営は極めて厳しくなる。国会の停滞は国民生活に影響を及ぼす。田原はこうした一連の流れを視聴者に懸命に刷り込もうとする。
田原は、現在の議会制民主主義の危機には目をつぶり(もちろん田原がこうした態度をとるのは現在の権力に擦り寄っているからにほかならない。)、他方、民主党の圧倒的勝利が達成されてしまうと、議事は停滞し、国政は混乱するという不安を煽る。この手法は中川幹事長と全く同じである。議会制民主主義が、民主党の台頭により破壊されてしまうという詭弁を、田原は視聴者に懸命に刷り込もうとしているのだ。事実は全く逆なのである。
『じゃあ、民主党が参議院選挙に勝ったら自民党の法案は全てキャンセル?!』
ここにある田原の詭弁。寄って立つところが異なるのにも拘らず、論を進めて足を掬う、田原の常套手段である。
繰り返すが、議会制民主主義は、議会における議論によって、異なる意見、対立する利益をすり合わせ、合意に導くところに意義がある。ところが、6年に及ぶ小泉・安倍政権において、白か黒か、つまりは多数決主義が横行し、現にこの安倍内閣においては、十分な議論がなされないまま18回に及ぶ強行採決が断行されてきた。これは歴然たる事実である。
議論のない現在の議会には、もはや民主主義はなく、多数決主義があるにすぎない。今回の選挙において民主党を含む野党が過半数を得ることができれば、少なくとも参議院において、多数決主義ではない、本来の議会制民主主義を貫徹することができる。衆議院の優越があっても、参議院はまさに良識の府として、議会制民主主義を実践することができる。だからこそ、安倍政権を打倒しなくはならない。
今回の参議院選挙は、議会制民主主義を守る戦いなのである。
この大事な選挙前に、このような幼稚な戦術を、公共の電波の上で、しかも、一見一流のジャーナリストだとB級国民に認知されていることを意識しつつ、口にする田原。戦前、軍部独裁体制を煽った最大の負の功労者は報道機関であったことも田原は熟知しているはずだ。全く、愚劣としか言いようがない。
続く共産党に対しては、つぎのように田原は対応する。
究極的には、共産主義を捨てていないじゃないか、こいつらが力を得たら危ないぞ。このように視聴者に懸命に刷り込んでゆく。
ただ、共産党が国政の場ではそれほどの勢力にはならないと踏んでいるから、扱いは極めて適当である。それだけに共産党支持者には余計に腹立たしかったことだろう。
もうひとつ、田原の汚いやり口があった。
田原は、現実に共産主義ないし社会主義を標榜しているのは北朝鮮だけだと断定しつつ、それでも共産主義がいいの?とバカのような極論を2回繰り返したのである。
これに対し、志位委員長は、他にキューバなどの政権もあること、北朝鮮は実際には独裁政権に過ぎないと反論していた。しかし、こうした軽いやり取りのなかで、例として北朝鮮を持ち出すだけで、B級対策としては十分効果的であった。
北朝鮮?共産党って北朝鮮と同じなのか?そりゃあ困る。という具合である。やり方が汚い。汚すぎる。
続く社民党に対しては、『やはり』と誰もが思ったと思う。『村山』を持ち出して揶揄したのである。社民党は村山に象徴されるいい加減な党だと視聴者に刷り込んでゆく。
社民党は村山、村山は社民党。これを視聴者に反芻させることに田原の狙いはあった。
いつも書いているが、権力は腐る、だからこそ憲法が定立されている。時の為政者の勢いや、マスゴミに煽られた世論の異常な高まりによって、壊されてはならないもの・・・人権・平和・国民主権を守るべく硬性憲法があるのだ。それゆえにこそ、憲法において権力は司法・立法・行政の三権に分断され、普通選挙が保障され、表現の自由が保障されてもいるのである。
常に権力者の側に立って、したり顔でものを言い、野党の提示する施策には、極論をもって反論し、アゲアシ取りに徹する一方、与党の施策には手と手をすり合わせるようにして拝聴し、オウム返しを行なう。どこをとってもジャーナリストとは言えないような似非ジャーナリストに騙されてはいけない。
・・・・・
それにしても残念なのは、9条ネットは全くの泡沫候補扱いであることだ。小泉政権に対して、正論を述べて事実上大使を更迭された天木さんの露出はほとんどない。彼ほど日本を愛し、時の権力者に媚びることのない候補者はいないというのに、マスコミの扱いは極めて冷淡である。残念でならない。
皆さん!
選挙に行きましょう!!!
議員の人数を減らしましょう。
公務員の人数を減らしましょう。
公務員の給料を、少なくとも、中小企業の現実レベルに落とすこと。
公務員の再就職もハローワークで行うこと。
そうしなければ、私たちの痛みが分かるはずもありません。
痛みの分からない人間に弱者救済などできるわけはないのです。
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鬱と戦いながら、参議院選挙までがんばります。
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★↓↓↓『平和のために小さな声を集めよう』から転載します。
安倍政権が何をしてきたのか。
私たちは毎日反芻し、周囲に伝えるべきでしょう。
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「安倍政権は何をしてきたか」 閣僚らの言行録
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「選挙に行こうよ」
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「棄権は危険!そのわけは??」
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「国防のために自衛軍が必要とお考えの方に」
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「安倍の軍国主義的政策の問題点」
眠り猫さんのブログはこちら
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安倍内閣のしてきたことについてのまとめのブログは、下のらんきーさんのブログをご覧ください。よくまとまっています。
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