先の記事で、内藤選手の勝利についてコメントした。スポーツ、それも格闘技に関することだからいつもとはスタンスが異なる。それでも、マスゴミのマスゴミたる証左となる茶番劇だと思うので、今日はこの件に関して書く。
私企業である以上、視聴率を稼ぎ、広告収入につなげたいという各局の思いがある。しかし、何年か前から続いているこのTBSのショーアップ作戦は、あまりにひどい。
もともと兄興毅が、弱い選手とばかり試合をして成り上がり、挙句の果てにダウンされながらもチャンピョンベルトを奪うという茶番劇が放映されたことが、事の発端にある。
いかさま試合の連続にうんざりしたボクシングファンは、実力のある選手との戦いを熱望した。彼の戦跡は見事なほどに一流選手がいなかったし、日本人選手との戦いもなかったからである。
ファンの期待に応えた日本人選手がいた。自分は戦いたいと宣言した。それが内藤選手だった。
内藤が負けるわけがないと誰もが思った。
ところが兄興毅はこれを避け、代わりに弟大毅がこれを受けて戦うこととなった。しかし、大毅もまた世界戦の実力などはなく、ボクシングファンであれば誰もが内藤の勝利を確信していたようだ。
雑駁に言えばこのような背景の下での今回の試合だった。
今日、たまたま車で移動中に、ピンポンというTBSの番組でこの試合の紹介をしている部分を見た。その紹介の仕方が、「捏造」に近いものだったことに驚いた。
・・・最年長フライ級チャンピョンに日本人最年少王者をかけて亀田大毅が挑戦したが、内藤がクリンチのあと倒れている大毅を叩き、反則を取られた。これに対して12回、大毅が前代未聞の反則をして敗れた。・・・
正確ではないが、大体の流れはこんな調子であった。
試合の流れを知らない人にすれば、内藤がまず反則をして、その後、大毅が反則し返したという形に理解するだろう。
実情は全く異なる。
以下は、券論!取材戦記よりの引用である。
『 テレビ観戦者にどこまで伝わっていたか分からないが、大毅の反則は最終回のレスリング行為だけではなく、レフェリーの目の見えないところにまで及んでいた。後にテレビ音声でセコンドからサミング(目潰し)の指示があった疑惑が広まっているが、この話が出る前に内藤が「サミングを受けた」ことを既に明かしていた。他にも故意と思われるバッティングや太腿へのパンチなどなど…それでも内藤は「そんなことしなくてもいい選手なのに」と大毅を称えた。宮田会長が振り返る。「インターバルの時、内藤がやり返していいかって伝えてきたんですが、おまえはボクサーなんだと言い聞かせました。最後まで内藤はフェアに戦ってくれたのが嬉しかった。反則は僕らが育ててきたボクシングが汚された感じです」大毅は勝負どころかボクシングを放棄し、内藤はボクサーを全うしたというのが、この試合だった。 』
http://boxing.10.dtiblog.com/blog-entry-413.html
エルボー(肘うち)、バッティング(頭突き)、サミング(親指による目潰し)、ローブロー(下半身への攻撃)・・・・これらの反則のオンパレードに内藤は「いい加減にしろ!」という感じで相手の頭をはたいたのである。ファイティングポーズにない相手への攻撃ではなかった。また、一方的に勝つ試合を続けていた内藤には、そんな反則行為の必要性は全くなかった。映像を見れば、内藤の気持ちが誰でも理解できたはずだ。
ところが、内藤が相手の頭をはたくと、それまでの大毅の反則には目をつぶっっていた審判が内藤に反則を宣言し、実況のアナウンサーはこれに狂喜することとなる。
内藤の目の傷からの出血がひどくなってドクターストップすれば大毅が勝ちますね!
TBSのアナウンサーは幾度も繰り返していたのである。
予断だが、赤井にも本当にがっかりした。プロのボクサーだったのなら、本当のことをコメントすべきである。素人以下のコメントを繰り返す赤井には、所詮、大TBSには逆らえない悲しさがあった。赤井も地に落ちた。
大阪の恥である。
対戦後、内藤は、エルボーは食らっていないと語っている。エルボーは高等技術であるし、内藤は大毅の反則攻撃を本当に上手にかわしていたからこそ、そのように語ったのだろう。
TBSが次にどのようなイベントを考えているか知らない。しかし、事実を捻じ曲げていくその手法が、報道の場面でも行なわれているとしたら、本当に恐ろしいことだ。
事実の歪曲はこんな形で行なわれるのだろう。
その典型例を見た。
今日のピンポンでの試合の紹介の最初の部分を見てそのように感じた。

0