イージス艦事故について、高校生と話をした。イージス艦の漫画や、亡国のイージスという映画があったこともあり、イージス艦の能力については私よりも高校生の方がよく知っていた。いわば高校生の常識としてイージス艦の戦闘能力を知っていた。
彼によれば、イメージとして、イージス艦は一定範囲に防御シールドを持つ無敵の軍艦であるという。イージス艦のレーダー圏内に入ったものは即座に捕捉され攻撃の対象となってしまう。しかも一時に200もの対象物を捕捉攻撃する能力なのだという。あたごはそうした能力を持つ世界最新鋭の駆逐艦なのである。今回事故を起こしたあたごは、日本の防衛の要となる能力を持った駆逐艦であり、鳴り物入りで自衛隊に配備された理由はそこにあった。
小さな漁船のレーダーにも漁船は捕捉されている。漁船が近づいてきたことをイージス艦側が捕捉できていなかったはずはないのだ。イージス艦の業務上の過失認定のためにイージス艦のレーダーにあたごが映っていたのどうかという議論がなされているが、全く子ども騙しの議論でしかない。
仮に、全速力で近づく漁船を捕捉できないようなレーダーしか搭載していないのであれば、イージス艦は全く役に立たない海のゴミか、海を航行する他の船舶にとってやっかい至極な障害物でしかないこととなる。
レーダーには確実に捕捉されていたはずだ。それを危険回避につなげることができなかった自衛官の判断に過ちがあったに違いない。
自衛隊は、直ちにこの事件に関する全ての情報を明らかにすべきである。
次に、組織の要である石破防衛大臣の所に報告が上がるまでに、なんと1時間半もかかっている。今回の事件で、またもや自衛隊の怠慢体質が明らかになったと言わざるをえない。
自衛隊の長は文官である石破防衛大臣である。重大事態の発生があれば、究極の判断を行う責任者は防衛大臣しかいない。もともと緊急・重大な事案の際には1時間以内に防衛相への速報することが義務付けられている。長たる防衛大臣にこのような重大事件発生の報告が1時間半後に行われたことに防衛省幹部の怠慢がある。そこは厳しく糾弾されなければならない。
組織上の問題点は洗いざらい点検し立て直すべきである。
この件に関する防衛大臣の最初の記者会見では、自分への連絡が1時間半かかった点について、たいそう不服そうな様子を石破は見せた。記者達を睨み付けるような不満顔に、居並ぶ記者たちも石破防衛大臣を責めることはなかった。しかし、なんと無能な新聞記者たちなのだろう。石破の仏頂面にしてやられている。
組織上の問題で責められるべきは、石破その人だからだ。
石破氏が防衛大臣の地位についたのは半年も前の話である。防衛省の組織運営上の責任は誰でもない、この石破氏にある。ホウレンソウは一般社会の組織運営上のイロハのイである。半年間も防衛省の長の地位にいて、イロハのイも浸透できなかった防衛省大臣は即刻辞任すべきである。幕僚長の更迭で収まる話ではない。
イージスとは、もともとギリシャ神話の中で最高神ゼウスが娘アテナに与えたという盾(胸当)アイギスが語源だという。この盾はあらゆる邪悪を払うのだそうだ。しかし、イージスの名を冠した駆逐艦は、小さな漁船すら捕捉できず、おめおめと衝突事故を招いた。更に、その原因究明を隠蔽しようとする自衛隊の動きがある。あらゆる邪悪を払うといわれる盾も、それを持つ人の怠慢は払うことができないということだろう。
守るべき国の長である防衛大臣は組織を掌握できない無能さを晒し続けている。長である者が責任を取ろうとしない体制そのものが、組織の掌握を困難にしていることに石破は気づいていない。即刻、辞任して自衛隊組織に範を示すべきである。
最後に、書くのも嫌だが、今回の件では、この国の総理大臣の無能さが、この事件で明々白々になった。国民を守る。国土を守る。これが最低限の国家の長たる者の仕事である。この人はそれを放棄している。このオラウータン顔の初老の男は、単なる利権仲間の仲間内で決められた長に過ぎないのだ。だからこそ傍観者のような発言しかできないのだ。
こんな馬鹿を一国の首相にしておくことはできない。福田内閣を、総辞職に追い込まなくてはならない。野党はこの問題を追求すべきである。

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