野党は与党案について判断するのみで、人事権はない。人事権は政府自民党にある。
それを人事権の濫用とは恐れ入る。
それにしても情けない党首討論での福田総理であった。
私は困っているんですよ。
かわいそうなくらい困っているんですよ。
国政を掌理していないことを吐露したこととなる。
自公政権は、小泉・安部内閣時代の強権独裁内閣から、福田哀願ずるずる内閣に変身したのである。
忘れてならないのは、小泉・安部政権において幾度も繰り返されてきた自公による強行採決である。議会は一定の議員の同質性を前提に話し合いにより妥協してひとつの結論に練りあげるのがその役割である。ところが狂態のような小泉フィーバーの元での圧倒的多数を背景に自公政権は強行採決を繰り返してきたのである。
このことは参議院選挙前に記事とした。それの強行採決部分を再掲すると以下のようになる。
今国会で安倍内閣が行ってきた強行採決は以下の通りである。
尚、ここで強行採決とは、反対意見があるのにも拘らず審議を打ち切り採決に踏み切った場合と定義し、これに当て嵌まるものを強行採決とした。
2月2日 H18年度補正予算
2月2日 地方交付税法
3月2日 地方税法、地方交付税法
3月2日 公債発行特例法、所得税、特別会計
3月3日 H19年度本予算・関連法
4月12日 米軍再編促進法(駐留軍特別措置法)
4月12日 憲法改正国民投票法
4月18日 少年法
4月27日 更生保護法
5月25日 社会保険庁改革関連法
5月30日 「消えた年金」時効特例法
6月13日 政治資金規正法
6月13日 電子債権法
6月18日 委員長不信任動議、議員内山晃君懲罰動議
6月19日 教育関連3法(参議院)
6月19日 イラク特措法(参議院)
6月28日 社会保険庁改革関連法(参議院)
6月29日 「消えた年金」時効特例法(参議院)
繰り返すが、安倍政権は、わずか半年足らずの間に、狭義の強行採決を18回も行ったという事実がここにある。
http://sun.ap.teacup.com/gjex/42.html
権力の濫用とは圧倒的な権力を背景にして、人権を蹂躙することをいう。もともと、権力の濫用が糾弾されるのは、為政者に対してであって、日本の政治の現場では福田内閣が為政者そのものである。自公政権は行政権を握り、かつ議会においても優越する衆議院において過半数を占めているからだ。
野党の議決権行使は権力の濫用などではさらさらない。

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