介護にからむ事件も多い中、なんともやりきれない事件が起きました。清水由貴子さんの自殺です。
一時は売れっ子であって、一財産を築いた人ですが、驚いたのは結婚せずに独身で通し、近年は仕事も辞めて母親の介護に専念していた
ということです。こうした事件の多くは、経済的問題が決定的な原因となることが多いでしょうが、彼女の場合はどうだったのでしょうか。一時代を築いて財をなした人であってすら経済的に追い込まれたのだとすれば、この国の社会福祉というのはいったい何なのだろうと思わざるをえません。
あるいは、仕事も辞め介護に専念したことが、かえって彼女を追い込んだのかもしれません。そうだとすれば、TV等で伺える様子そのままに、まじめすぎたのでしょうね。まじめな人たちは全てを自分で引き受けてしまい、精神的に追い込まれて行きます。
わが国の社会福祉の貧困さは、辞職しなければ介護できないという事実そのものにも如実に現れているように思います。年金・介護・保健制度の崩壊。このような事態になることを予測するのは、簡単でした。下膨れ型の人口構成図の問題点は何十年も前から学習していたからです。
ばらまき福祉政策によって票を獲得してきた政府与党。これを支えてきた『優秀』な国家公務員たち。それをよしとしてきた選挙民。
戦後の急復興急成長の勢いに乗り、その場しのぎであっても、経済成長が帳尻合わせをしてくれた古き良き時代は確実に終わりつつあります。
清水由貴子さんのご冥福を祈ります。

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