チリの鉱山事故が解決してよかった。しかし、ニュースがこれに集中して、大切なことが忘れられている。
現在、民主党内のネオコン勢力が席巻している。筆頭は仙石官房長官である。
これほど露骨な自己保身のネオコンも珍しい。
それはともかく、検察審査会において小沢一郎氏が再度起訴相当となり、強制起訴される状況にある。
多少なりとも法律の枠組みを知るものからすれば、今回の検察審査会の決議は許されるべきものではない。「裁判で白黒つけろ」などというのは、あってはならないことだ。これでは人民裁判である。
審査会の構成メンバーの平均年齢問題(第1回検察審査会と、第2回検察審査会の平均年齢が一致するという奇異な事実)からして、実際に検察審査会が開かれたのか、それすらも怪しいと言われている。
もともと、石川議員の被疑事実は、土地購入の際の記載の不備に過ぎない。記載の日が事実と異なるという事実のみなのである。
通常は、補正すれば足りる。
しかし、特捜検察は、あえて国民により直接選挙で選ばれた国会議員を、補正で足りるような行為だけをもって逮捕し、国政に参加できなくした。更に、小沢氏をその首謀者(共謀者)として、起訴しようとしたのである。
1年余に及ぶ検察の取調べとマスゴミのキャンペーンによって、小沢氏の一般的な信用は地に落ちた。それでも、事実を知る小沢氏のサポーター達の声が、民主党党首選挙の際に、大きなシュプレヒコールとなって湧き上がったのである。
しかし、民主党選挙結果の出る、まさにその日において、検察審査会は小沢氏の起訴相当を決議したのだという。いったいなんという符合!
小沢氏は、仙石ネオコン集団の陰謀によって民主党党首となることはできなかった。先の選挙において、小沢氏の資金によって当選できた議員達は、その恩も知恵も忘れ、仙石一派の陰謀の前に、あっさりと小沢氏を裏切ったのである。
検察審査会の審査結果は、民主党党首選の結果が仙石一派の勝利となった以上、即時に発表する必要はなくなった。仮に、小沢氏が当選すれば、直ちに発表されたのだろう。小沢政権を打倒するために。
しかし、検察審査会の審査結果は、2週間余に亘って公開されることはなかったのである。
検察が正義を振り回してはならないと鈴木宗雄氏がしきりに語っている。正義は全うされるべきである。しかし、権力が正義を名乗るとき、そこに権力の濫用がかならず起こる。だからこそのデュープロセスなのだ。正義はデュープロセスによって担保されなければならない。縛りのない権力は、腐る。
検察審査会の決議は、憲法の保障するデュープロセスを否定するものだ。
小沢氏が検察審査会の決議無効を訴えるのも当然のことであると私は思う。

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