共謀共同正犯?
一般市民から選出された審査会メンバーがこんな言葉を使うのか。ふーん。
一般市民というのは、みんな刑法の理論に詳しいんやなあ。
で、何の共謀共同正犯?
不実記載?
補正で済むようなことなのに?
審査会は@「収支報告書を提出前に確認することなく、担当者が真実を記載していると信じて了承していた」とする小沢氏の供述を「きわめて不合理、不自然で信用できない」と批判、A収支報告書を提出する際に「小沢氏に報告、相談した」という元秘書の衆院議員、石川知裕被告と元私設秘書、池田光智被告(32)の供述を、小沢氏の容疑を裏付ける直接証拠に当たると判断、B状況証拠として(1)小沢氏の4億円を原資とする土地購入を隠ぺいするため、小沢氏自ら書類に署名して銀行融資を受けるなど『執拗』な偽装工作をしたとし、(2)04年に土地代金を払ったのに05年度の固定資産税を陸山会が負担する合意書を交わしてまで登記を翌年にずらしたと指摘した上で、こうした工作は「小沢氏が多額の資金を有していると疑われないための手段と推測される」とし、他方、「絶対権力者である小沢氏に無断で石川氏らが隠ぺい工作をする必要もない」から、「秘書に任せていたと言えば政治家の責任は問われなくてよいのか」と疑問を示し、「直接証拠と状況証拠により共謀の成立が強く推認される」と結論付けている。
@「収支報告書を提出前に確認することなく、担当者が真実を記載していると信じて了承していた」とする小沢氏の供述を「きわめて不合理、不自然で信用できない」
⇒ いちいち確認すべきだが、こんなことをいちいち確認する方がおかしい。これは規制する側の理屈である。市民レベルで言えば、税理士に任せたら、税理士に任せきりというのが当たり前だろう。
A収支報告書を提出する際に「小沢氏に報告、相談した」という元秘書の衆院議員、石川知裕被告と元私設秘書、池田光智被告(32)の供述を、小沢氏の容疑を裏付ける直接証拠に当たると判断、
⇒ 担当者が、「収支報告書を提出しておきます。」と報告、相談するのは当然である。そこで詳細な説明を受けたかどうかは別問題である。また、簡単に記載日等について話をしたとしても、それがこれほど大きな意味を持つとは思わなかったはずだ。脱税とか、そういう問題ではないからだ。たとえそれを指摘されたとしても、補正すれば片がつくような「記載日についてのずれ」に過ぎないからだ。
B状況証拠として(1)小沢氏の4億円を原資とする土地購入を隠ぺいするため、小沢氏自ら書類に署名して銀行融資を受けるなど『執拗』な偽装工作をしたとし、
⇒ もともとは銀行融資を受けて購入する形が全うなのであって、それを偽装工作というのはおかしい。偽装工作って何を偽装するのだろう。想定しているのは、小沢氏の原資についてだろうが、原資についての説明は一応ついている上に、政治資金規正法はそこを問うものではないことを忘れている。何を対象に審査しているのだろうか。検察のかけた嫌疑は何なのか。政治資金規正法上の嫌疑について判断するのが検察審査会の役割であって、その奥にある検察の勝手なストーリーではないはずだ。
ここではっきりと断っておきたいのは、小沢氏が汚れた政治家であるかどうかは私は知らないということだ。そんなことは私には分からない。しかし、補正で済ませられるようなことを穿り返し、国民の代表者である国会議員を逮捕し、更に、検察が綿密な捜査をして不起訴にしたこの件を、本来の罪となる事項を理由とせずに、ただ「信用できない」として刑事訴訟の場に押し込もうとするのは、どうしても許しがたいことだと思う。その理由が検察のリーク情報により小沢下ろしに狂奔したマスコミ報道によるものであることを思うと、慄然とするばかりである。
かつて太平洋戦争前夜、帝人事件によって時の佐藤内閣は倒れた。十数名の者が逮捕起訴されて拷問すら受けたこの事件は、三年後に全て無罪となっている。この事件で検察を後押ししたのは、世論という化け物をでっち上げたマスコミだった。その歴史的事実を私は絶対に忘れない。忘れるべきではないと思っている。
考えてもみるがいい。権力にある者が、『正義』を声高に言うとき、そこには必ず隠された目的がある。数限りなく繰り返されてきた戦争においても、当事者はともに『正義』を口にしてきた。あのブッシュでさえ、品のない笑顔で『正義』を口にしたのである。
私達は、今回の検察=マスコミの行動を決して忘れるべきではない。民主的な手続きを踏んで選出された石川議員や小沢幹事長を、非民主的な審査会が、扇動するマスコミが、後ろで糸を引いている検察が、民主主義を粉砕しようとしたことを、忘れない。
数々の冤罪事件が露呈している最中にあって、民主主義の根幹を揺るがす検察の暴挙に、またしてもマスコミは加担し、その結果、時代が狂おうとしている。。。

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