2015/1/26
膝を診る

膝を診る
専門家なら誰もが知っているとは思いますが膝関節は伸展していくと下腿は外旋します。
これをscrew home movement(SHM)といいますが、これは不随意に起こる自動的な運動であり膝関節の安定性が増します。
SHMは測定する事が非常に困難ですがこのSHMの動きに着目していきます。
まず、このSHMをつくりだしているのはACL(前十字靭帯)、PCL(後十字靭帯)です。ACLが断裂していたり著しい弛緩性のある場合は逆回転(リバース)を起こしたりSHMが起きなかったりします。
このようなケースが発症すると回旋を誘導する半月板や関節軟骨に過度なストレスを与えてしまい半月板損傷や軟骨欠損をおこしてしまいます。
またスムーズなrollingやgrydingがおこらず滑膜が炎症、増殖し関節水腫が貯留(水が溜まる)といった現象が起こります。
将来的にはOA(変形性関節症)になる可能性が著しく高くなります。
ここで言いたいのは膝を痛めた際、ほとんどの医療機関では膝蓋跳動や前方引き出しテスト、内反・外反ストレステストなどの簡単な徒手検査は必ず行われると思いますがSHMの評価はまだまだされていないのが現実です。
この評価をすることで大変、多くの事が分かってきます。
簡単な評価法をご紹介します。
正しいSHMは肩幅より少し狭く足を広げつま先はまっすぐでスクワットをしてみます。
問題のない人は膝と膝が内側に引っ付こうとします。
スクワットをした時に外側に脛骨が倒れてしまう(膝と膝が引っ付こうとしない)人は要注意です。
その他にも評価法はありますがこのような評価から患者さんの膝を知りより適切な方法を導いていかねばなりません。
膝と一括りにしてしまいましたが膝だけでも多くの疾患があり組織があり様々な組織が協力し合って一つの動作が完成します。
1つでも異常をきたすと全てが狂い、それが原因で痛みに繋がります。
