武術に取り組んでいく上で陰陽の原理法則を知っておくと役に立つこともあると思うので記しておきたいと思う。
この世の森羅万象には全て陰陽の法則がある。
光があれば影があり、昼があれば夜があり、冷があれば熱があり、プラスがあればマイナスがあり、男がいれば女がいて、善があれば悪があり、重があれば軽があり、長があれば短があり、太があれば細があり等など、全てのモノ、現象には総じて陰と陽が存在する。
混沌から太極(陰陽)が生じ、太極から四象が生じ、四象から八卦が生ずとされ、それは自然現象を精密に観察したうえでの定義づけによって、東洋の易、医術、武術等に適用応用されている。
混沌(無)→太極(陰陽)→四象→八卦
さて、この陰陽の法則を知っておくと武術のみならずあらゆる物事において役に立つことがある。
陰陽はこの世のあらゆる現象がそうであるのだから、
欠点のない完璧なものなどこの世に存在しないということになる。
近代中国武術史上、不世出の大天才と言われた王向斎ですらもそういうことになる。
非常に優れた理論や内容を打ち出している流派も数多くあり、穴がないのではと思われるものに対しても、決してそうではないということを知っておく必要がある。
自分の技や動きが本人にとって最高のものとなっても、決してそうではないと心得ておく必要がある
自己と周囲を比較して自分の素質や力量を過信したり、落胆することも無い。優れたるものにも必ずそれゆえに劣る部分がある。反対に自分の短所が長所の裏返しであることもある。
あらゆる物事を色眼鏡で見てあら探しをせよと言っているのではない。
その様な視点を持つことで、よりクールで惑わされることのない取り組み方ができまいか?好不調の波の中でもより自然体を保つことができないか?
あらゆる事象に陰陽はあるが、問題はその比率ではないだろうか。
日の光に照らされるビルの影が光の角度によって、長くもなり短くもなる。
どんなに優れた人にも欠点があるものだが、長所が欠点を隠してくれていることもあるし、反対の場合もある。
成道会会員には、常にこのことを頭の片隅に於いて武術に取り組まれることを希望するものである。
成道会のシンボルマークは従来の太極図を基準にしながらも、陰と陽が混在し、陽の比率が陰の比率を自然と上回ることを示しており、それを希求しているのである。
空手拳法成道会
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