聞くところによると、「空手バカ一代」で武道を始めた世代も今はすっかりオッチャンになって、全国的に少年部の人口が増加している割に20才代の武道人口が減少しているらしい。
子供達とオヤジ軍団の二極化現象である。
成道会では、強さの獲得のみならず、健康法、運動法としてなど、本人の目的に応じて無理のない指導をするように心がけているが、30才、40才を過ぎてからも本格的に強さを追求したいと言って入会してくる人が多い。
実際、太気拳では50才や60才でも若い世代とガンガン組み手をやっている先生方が多く、そこに他の格闘技とは異なる可能性や魅力や希望を感じている人が多いのかも知れない。
成道会では本人がやりたいという場合は年令に関わらず、組み手を想定した練習を積んでもらい、ある程度実力が養成された段階では組み手練習にも参加してもらっている。
30才、40才といえば仕事でも色々なことを要求され責任もかかってくるし、家庭でも子供の進学等で実に大変な時期である。
この大変な年代で、本格的に武道を志すというのもものすごく大変なことなんだろうが、しかし実際にこの年代で強くなっていく人が成道会では多い。
最近は太気拳でも組み手はほとんどやらないところもあるらしいが、成道会では段位の認定においては実践空手道としての組み手の経験を必須としている。
そして、30才、40才代で成道会で武道を始め、その後段位を取得した人も既に数名いる。
彼らは誰に言われるわけでなく、自ら進んで最もリスキーな訓練法といえる組み手練習に参加して自身を鍛え、高めている。
強くなったからとて、お金が手に入るわけでも、大会などの舞台で名誉や栄光を手にするわけでもない。
成道会のオヤジたちは自分の求める自分自身であるために、ただひたすら道を歩んでいる。そこに損得の勘定はないようである。
ただ、己がやりたいからやる、己がそうありたいからやっている。
思うに本当に真剣かつクレージーな人達である。
40才から50才以上のオッチャン達がガチンコで激しく打ち合うシーン等を見ていると、まさにクレージーそのもので「この人達、一体何を考えとるんやろうか・・・」と思いつつも「すげーなー」と内心感動も覚える。
武術家を目指すのであれば気狂いの要素がなくてはならない、とは王郷斎先生の言葉であるが、そういう意味では、このオヤジたちは素質十分である。
彼らには老け込むなどという言葉は無縁であり、武術に打ち込む姿はまさに少年そのもので、何歳になっても青春真っ盛りであろう。
「いい加減、歳を考えろ」とか「もう歳だから」等のセリフに対して、聞く耳など全く持っていない。
元祖クレージーな老人としては澤井先生がいて、岩間先生も還暦を過ぎ、その領域に入られたと言えよう。
クレージーなオヤジたちの次なる目標はクレージーなジジイとなることであろう。
かく言う自分自身ももう既に40才を越え、クレージーなオヤジたちの仲間入りを果たしている。
この調子で行くと、現在小学4年生で少年部でバリバリやっている私の長男が成人してから親子で組み手をやるのも夢ではなさそうである。
その時まで、成道会のクレージーなオヤジたちと鍛え続けておかねばならない。
息子に言おう、やがてお前もクレージーなオヤジを目指せ!
成道会のオヤジたちよ、いつまでもクレージーであれ!!
成道会・クレージーなオヤジたちの面々(他にもまだ何人かいます)
空手拳法成道会
http://www.joudou.jp/

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