昨年暮れに住まいを引っ越してから、3か月が過ぎようとしている。
新居近くには水と緑の豊かな室見川があって、太気拳の訓練には最適の環境である。
現在、週4〜5回は早朝、室見川に出かけては太気拳の訓練を行っている。
それ以外に、時間を見つけては室見川を走るようになった。
きっかけは河川敷の風景があまりにもよくて、走ってみたら気持ちよさそうだと思ったからで、特に体力強化などの意図はなかったのだが、天気のいい日に川沿いを走ると本当に気持ちがいいことから、元々、長距離走が苦手であった私でも、今後も続けていけそうである。
又、トレーニング設備が完備した福岡市西体育館もバイクで2〜3分の場所にあり、ここ5〜6年止めていたウェイト・トレーニングを始めている。
個人的には、ロードワークやウェイト・トレーニング等の体力強化を目的としたトレーニングを「アスリーティックト・レーニング」と称して、立禅をはじめとした太気拳の各種訓練法とは一線を引いた上で、整理して考えている。
さて、武術として取り組んでいく場合、この様なアスリート(体育人間)としての向上を目的としたトレーニングが必要であるのか、という点と、そのトレーニングが武術としての動きの養成の妨げにならないか、という点を考えねばならない。
ロードワークは足腰の強化、心肺機能、つまり酸素の摂取能力の向上に役立つところから、武術訓練の妨げにはならないと考える。
又、代謝能力を向上させることは健康管理としても有益である。
しかし、必要性を感じなければ、あえて時間を割いて取り組む必要はない、とも考える。
問題は、ウェイトトレーニング等のレジスタンス・トレーニングである。
はっきり言って武術としての完成を目指すのであれば、必要ないと考えている。
筋力強化も様々な研究がなされ、様々な目的に沿って効率的かつ、効果的な方法が発表されている。
しかし、過度な取り組みは武術としての動きを妨げてしまう恐れがあり、注意が必要である。
私が最近再開し始めたウェイトもやはり、注意が必要と考えている。
まず、ウェイトが武術訓練全体のどのくらいの比重を占めるのか、という点と、どの様なパーツの強化を行うのか、どの様な負荷のかけ方をするのか、という点が重要である。
立禅を中心とした太気拳の訓練法は身体を全体としてとらえたの動きの開発手段であり、這いや練りは展開するための手法とも云える。
それに対してウェイトトレーニングはパーツ毎の強化手段であり、この点、過剰なウェイトトレーニングは全体としての精妙な動きを目指す武術訓練の妨げになってしまう可能性はある。
しかし、トレーニング頻度と負荷のかけ方などを上手に調整して、なお且つ自身の動きの変化を読み取って、更にウェイトトレーニングの方法をまとめていくと、補強として利用価値のある有益なものになり得ないだろうか?
この点、次回考察してみたい。

太気拳の練習とロードワークで利用している室見川。空気がきれいで、水と緑の自然が豊かな、武術訓練には最高の場所である。
空手拳法成道会
http://www.joudou.jp/

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