去る7月31日(日)、私の長男で成道会1級の城大眞が、大学の夏休みを利用して埼玉県入間市の岩間統正師範が主催する太氣拳仏子研修所の稽古に参加して来た。
新空手をはじめとした格闘技大会に出場し、頭角を現す存在となってきているが、70歳を超えて尚、太氣拳の動きを体現する岩間先生と共に稽古をさせていただき、ご指導を受け、大変な刺激を受けてきた様である。
以下、城大眞1級の稽古体験レポートである。
「太氣拳仏子研修所・稽古参加レポート 太氣拳成道会1級 城大眞」
7月31日、岩間先生の仏子研修所の稽古に参加させていただきました。
飛行機、電車を乗り継ぎ岩間先生宅に到着。
小学6年生の時以来、約8年ぶりに岩間先生にお会いしました。
小学生の頃は漠然と「すごい人」という認識でしたが、本格的に太氣拳をはじめた今となっては岩間先生の偉大さはビデオ、雑誌、父親との会話などからよく知らされています。
そんな人が今、自分の目の前にいる!と考えるだけで緊張しっぱなしでした。
そこから岩間先生宅で30分ほどお茶をいただきました。
岩間先生が今日の練習の予定などを話されます。その間にも、続々と門下生の方が集まってきます。
その中で1人、鼻にテーピングをグルグル巻きにした方が入ってきました。
だいたい予想はつきますが、⼀応、聞いてみます。
「鼻、どうされたんですか?」
「この前の組み手で飛び膝もらっちゃって折れちゃったんだよー(笑)」
予想は当たりました。
仏子の組み手はハードだと話には聞いてましたが、その一面をいきなり垣間見せられました。
もう、頭の中は組み手のことでいっぱいです。
全員集まった所で立禅と身法を行なうため山に移動します。
その日の気温は33度。移動だけで汗が吹き出します。そんな中、皆さん長ズボン。
暑くないのかな?そんなことを思いながら自分は半袖半ズボンで移動しました。
山に到着後、各々で立禅、身法の練習に取り掛かります。
自分の目の前の木は蹴り込んだのでしょうか?表面が剥げていました。
漫画みたいだと感動した所で自分も立禅に取り掛かります。
360°緑に囲まれ、立禅を組むにはこれ以上なく良い環境です。
ここでならいくらでも組めそう、そんなことを思ったのも束の間、皆さんが長ズボンだった理由が分かりました。
夥しい数の蚊が群をなしてやってきます。渡された蚊取り線香を見るとなぜか火が消えてます。
「⼀度、立禅に入ったら絶対に体勢を崩してはいけない」
そのように日頃から強く教えられている自分はもうどうしようもありません。
血を吸われ続けながら、立禅を組み続けました。
1時間くらいたった所で八田師範が回って来て、立禅のチェックを行なわれました。
その中の⼀つにお互いの腕を合わせるといったものがありました。
自分は日頃から立禅を組まされているため、腕の重さには自信があったのですが、全く対抗することができませんでした。
さらに、父親からいつも注意される下半身に関してもご指摘をいただきました。
山での稽古が終わると仏子体育館に移動。
仏子体育館の競技項目に太氣拳の項目があったのには驚きました。
岩間先生は体育館設立からずっと太氣拳の練習で借りていたら太氣拳という項目を作ってくれたんだとおっしゃっていました。
公的な体育館で太氣拳の項目があるのは仏子だけだと思います。
準備をして体育館での稽古が始まりました。
這い、練り、と成道会の稽古と内容はほとんど同じで戸惑うことなくついていけました。
周りの皆さんの動きを横目で見ていたのですが、やはり熟練されていると思いました。
その中でもやはり岩間先生の動きは目を見張るものがあります。
まるで猫の動き。動作の一つ一つに無駄がなく理にかなった動きをされていました。
練りが終わるといよいよ組み手です。
話に聞いていた通り、素面素手、顔面は掌底あり。
もちろんサポーターなどもつけません。マウスピースすらつけずに行なわれます。
組み手は時間も告げられずに始まりました。
いつもグローブをつけてキックボクシングのようなスタイルで戦っている自分にとって掌底での組み手はとても新鮮でした。
自分の技術を総結集させて挑み、なんとか乗り切ることができました。
このような危険と常に隣り合わせの緊張感の高い組み手をできたことはとても勉強になりました。
組手が終わると岩間先生にマンツーマンでご指導をいただきました。
そこで初めて岩間先生と手を合わせたのですが、腕の重さに驚かされました。
重い鉄の塊がぶつかってきた感覚です。
さらに、岩間先生は自分がキックスタイルの試合に参加していることもご存知なので、グローブをつけていても使える動きなども教えていただきました。
今までのキックや空手の常識にはない動き。岩間先生はいとも簡単そうにそのような動きをされます。
しかし、とてもレベルが高く簡単に真似できるものではありません。自分もこのような動きをできるように稽古に励もう、そう思いました。
稽古が終わると皆さんにご⼀緒させてもらい銭湯へ。
その後は岩間先生宅で晩御飯をご馳走になりました。
ご馳走になりながら岩間先生がとても興味深いビデオを見せてくれました。
20年以上前の若い頃の父と岩間先生の組み手です。
テレビの中には今より一回り以上サイズの大きい若い頃の父。体も締まっていて強そうです。
対する岩間先生は父よりも小さく、体格だけ見ると父に分がありそうです。
組み手が始まりました。
父は今では見せたことのないような多彩な蹴り技を織り込み攻め込みます。
しかし、岩間先生が全ていなして攻撃を的確に当てられてました。結局、父はほとんど何もできないまま組み手は終了しました。
驚いてる自分に岩間先生はおっしゃいました。
「この頃の俺より、今の俺の方が強い。」
前述した内容は教えてもらえたことや、聞かせていただいた話のほんの一部です。
書き出せないほど沢山のことを学ばせていただきました。
行って良かったと心から思っています。
今回、通常は練習日ではないにも関わらず、集まってくださった八田師範、ほせいさん、小林さん、橋本さん、そして岩間先生。本当に有難うございました。
太氣拳成道会
http://www.joudou.jp/

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