太氣拳合同練習会に参加した際、加藤徹先生の紹介で、佐藤聖二先生と推手をさせていただいた。
加藤先生から「聖二さんと推手をやらせてもらいな。全然違うから」と言われたのを覚えている。
これが佐藤聖二先生との初めての出会いで、この時に初めて意拳の推手を体験した。
腕と腕とが触れた瞬間には、その接点から中心に迫って来る異様な圧力、崩される時の自分の身体の自由が奪われて制御不能に陥るような感覚。
それらは映像で見ただけでは伝わりにくいところで、「百聞は一見にしかず、百見は一触にしかず」そのもので、映像を見ただけでその技を盗むことなど絶対に不可能なものである。
立禅によって養成される内勁と、それによってのみ構築される特有の技術。
その精妙さに初めて触れた時の映像である。
私にとって、実に大きな衝撃であった。
この時のご指導をもとに、その後、推手を練習してみたが、やはり全然ダメで、これより6年後に佐藤先生のご指導を受けるようになってから、ようやく私の推手への理解は変わり始めた。
現在、この動画を見てみると、この時のご指導の内容が実に的確で重要であった、と改めて思う。
この時より11年後に佐藤先生がこの世を去ることなど、当時、想像もしていなかった。
佐藤先生が亡くなられるまでの数年間、そのご指導を仰ぐことができたことは、私にとって本当に幸運であった。
その有形無形に今でも心から感謝している。
太氣拳成道会
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