・新宿で詩歌関連の知人たちとの飲み会があった。刑事ドラマ「相棒」7Seasonで先日放送された、若手詩人の自殺をめぐる事件の回。そこでの詩や詩人の描かれ方について盛り上がる。いまどき「ランボーの再来」という評価はないだろう、とか、木々のざわめきを仰ぎつつフレーズを練るなんて普通しない、とか、そもそも詩は和紙に書くものではない、とか。この回は私も観ていたのだが、世間一般から見た詩人のイメージの一端がうかがえるようで、興味深かった。
・「俳壇」4月号。誌上句集と称して毎号、一人の物故俳人を取り上げて100句掲載する企画があり、今号では飯島晴子。100句選と解説を担当した。よく知られた句ばかりではつまらないので、あまり取り上げられないが優れている句、現代の俳句に失われている要素を持った句を、できるかぎり挙げたつもりだ。たとえば、以下の句は、前者に属するもの。
蝿身の蒼ければつく牡丹かな 飯島晴子 『寒晴』
※蝿身には「ようしん」とルビ。