・来年度の「NHK俳句」、「桜」の回の締め切りが近づいています(17日午後一時まで)。ぜひお気軽に投稿ください。
https://www.nhk.jp/p/ts/6Q6J1ZGX37/
・「桜」の次は、「四十雀」(3月17日締め切り)。鳥の俳句について調べるときには、私は山谷春潮の『野鳥歳時記』を重宝しています。
山谷は「馬酔木」の俳人で、自然科学の雑誌を作っていた人。野鳥にも詳しく、従来の歳時記が「囀り」(春)「小鳥」(秋)といった季語で、多彩な野鳥を十把一絡げにまとめていることに疑念を呈して、より細かく分類しています。ちなみに、脚本家の倉本聰は、この人の息子。
・「四十雀」は、多くの歳時記では夏に分類されていますが、この歳時記では留鳥であることから無季に分類されています。
若楓揺りつゝ鳴くは四十雀 秋桜子
四十雀松はすがしき芽を伸ぶる 悌二郎
四十雀来鳴く馬酔木は岨に咲き 学水
四十雀来鳴きどうだんの花を揺る 石毛
・山谷の集めた例句だと、「四十雀」は独立した季語ではなく、他の季語と合わせて詠まれていますね。一方で、江戸時代の歳時記では夏になっていて、「四十雀」単独で詠まれた例も古くから存在します。雑誌「NHK俳句」3月号の兼題解説もぜひご覧ください。