インフルエンザ?  

 夜中に38度の熱が出て、朝一番で病院に行ってインフルエンザの検査を受けるが、結果は陰性。
 「簡易検査で出る確率は3割から7割ということですから、はっきりとインフルエンザではないというわけでもなく、だからといってドクターストップということでもありません。とりあえず予防的にタミフルを出しておきます。」
 似た症状のカゼが流行っているらしく、たぶんそれだと思うのだが、よくよく考えれば、熱があることには変わりないので、カゼであろうがインフルエンザであろうが、暖かくして休んでなきゃいけないということは同じなんだけどな、と「インフルエンザかどうか」に躍起になってしまっている自分に苦笑する。
 ただし、現実問題として、インフルエンザとカゼの間には「自宅待機」かそうでないかという高い高い壁があるわけで、医療機関の中には「陰性証明」を求める人で診療に支障が出ているところもあるという新聞記事もあったっけ。さて、発熱後12時間くらいしないと検査にはひっかからないそうなので、陰性だったのはそのせいかもしれず、今から念のために再検査してきます。
0

カツマーとカヤマー  

 今週のAERAは、勝間和代×香山リカという超刺激的な対談であった。カツマーかつカヤマーの自分としては、両者がそんなに違うのかなぁ、と思って読み進める。カツマーさんがしんどくなってカヤマーになる人が増えているというが、自分にとってラクな生き方を探りましょう、ということではおふたりは同じなんだと思うんだけれど。
 ただ、東大出た女性の友達が勝間さんのことを「あの人だからできるんだよ」と評しているくらいなんだから、よほどのことでなければ勝間さんを「まねる」のは難しいんだろうな。そりゃそうだろう。
 勝手に軍配をあげると、香山さん(の弟さん)の「日経女対東スポ女」というコメントの方に座布団1枚。
0

ちょいワル自民。  

 自民党がオヤジ政党として復活するしかないよね、と昨日書いたけれど、夫婦別姓に対する産経新聞の論説はそういう意味ではとてもわかりやすい。
 もともと保守とは思想ではない。「急進派」を前にして「おいおい、そこまで言わんでも・・・」というのが保守の心性であり、誰しもが抱いている新しい状況への不安に根付く、非論理的なものである。
 産経新聞の「嫌悪感」に基づくと思われる反論らしきものを見ると、つくづくそう思う。(そもそも福島大臣自身が事実婚による別姓夫婦として子どもを育てているわけで、誤爆も甚だしい・・・)
 となると、ますます自民党総裁は、リベラルの青臭い議論を一蹴できるような「ちょいワルおやじ」でなければならない。フランスのサルコジ大統領、イタリアのベルルスコーニ首相、ロシアのプーチン首相あたりがその例だろう。
 あ、適任者がいるじゃないですか。
 麻生太郎。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/091001/sty0910010338000-n1.htm
【主張】夫婦別姓 家族の絆を壊しかねない(2009.10.1)
 夫婦が別の姓でも婚姻関係を保てるとする選択的夫婦別姓制を導入する民法改正案が来年の通常国会に提出される見通しになった。推進派の千葉景子法相と福島瑞穂男女共同参画担当相が早期法改正に意欲を見せているためだ。
 千葉法相は「(夫婦別姓が)これまで実現しなかったことが異常だ」とも述べた。平成8年に法相の諮問機関が選択的夫婦別姓制導入を答申し、これに沿った法務省案が作られたことなどを指した発言だ。自民党法務部会で独自の改正案が示されたこともある。
 しかし、その度に、「家族の一体感が損なわれる」などの強い反対意見が出され、実現には至らなかった。「異常」の一言で片づけられる問題ではない。
 一時期、内閣府の調査で、夫婦別姓への法改正を容認する声が法改正を不要とする声を上回ったこともあるが、最近は、賛否が拮抗(きっこう)している。また、中高生の6割以上が「両親の別姓」を嫌がっているという別の調査もある。
 家族は夫婦だけではない。親の都合だけで考えれば、別姓で支障がないかもしれないが、子供は必ずしもそれを望んでいないのだ。親子の絆(きずな)を強めるには、やはり夫婦が同姓でいることが教育上、好ましいことは言うまでもない。
 社民党から入閣した福島氏は「(別姓導入で)家族の絆が弱まることはあり得ない」と断定的に言っているが、子供の側に立てば、そうは言えないだろう。
 夫婦別姓は民主党の政策集に掲げられていたが、マニフェスト(政権公約)から外された。それをなぜ、急ぐのかも疑問だ。
 男女共同参画社会にあって、特に女性が婚姻後も仕事を続けていくためには、婚姻前の姓を通す必要があるケースが多い。以前、自民党の高市早苗氏らは、婚姻前の姓を通称として旅券などの行政文書にも使用できるようにする戸籍法の一部改正案を示した。別姓を目指す法務省案より、はるかに現実的な提案だった。
 あえて夫婦別姓を導入しなくても、夫婦が家庭と仕事を両立させるための方策は、いくつも考えられる。鳩山内閣はまず、このことに知恵を絞るべきだ。
 自民党の谷垣禎一新総裁は就任後の会見で、夫婦別姓に慎重な姿勢を示した。野党として、夫婦別姓など鳩山内閣の行き過ぎた動きを正す責務がある。
0

鋼鉄の身体  

 バイクがオーバーホールを終えて2週間ぶりに戻ってきた。7月に半月ばかり修理に出したばかりだったので、この2ヶ月の半分は工場に入院していた計算になる。
 しばらく同僚に借りていたAddress110の感触に慣れたせいもあろう、スロットルを開くと1200ccの油冷4気筒エンジンがしゅるしゅると鼻息を立てて、ぐんとぼくの体中の血液を後方に引っ張るのに、なかなか感覚が馴染まない。バイクはまるで別の生き物として、ぼくの足の間で息巻いている感じだ。
 身体とは何か、という問いを思い出す。
 イチロー選手がバットを左手の延長として使いこなすとき、切り絵の名人が指先のカッターナイフの刃を自由自在にあやつるとき、どこまでが「身体」なのだろう。
 そしてまたいつか、このBanditがぼくの身体の一部になるのだろうか。
0

雑記  

 気になる記事を2つ。いずれも毎日。

 『理系白書』の元村記者の「記者の目 鳩山「理系」政権に期待」。鳩山政権の発足を、文系理系に色分けしない社会にするための第一歩として歓迎し、そのためには子どもを高校在学中に文系理系と分けてしまう教育の見直しと、社会の意識改革が欠かせないと提言する。

 投稿欄「「ストレッチャーは不快」なのか」。鹿児島の病院職員の女性の投稿である。ストレッチャーの連れの方と食事に出かけ、レストランで事情を説明しいちばん奥の席で食事をしようとしたら、「次にお越しの際は、入店をお断りします」。理由は「私どもはお客様が不快にならない食事を提供する必要があります」かららしい。プリンスホテルの宿泊拒否の理由と同じで、目の前の当事者の権利とそこにいない誰かの将来のクレームとを等価で比較する発想とは、いったい何か? きっと、自分が言い出したのではない、と言いたいのだろう。同じ言い方は「エコのため」だとか「法令により」だとか他にもある。


 それにしてもYahoo!ニュースに、産経新聞による鳩山政権を茶化したような記事がよく並ぶ。
0

アメリカン日本航空?  

 経営再建中の日本航空が、デルタ航空の出資を受けるらしい。さらにエールフランスKLMやアメリカン航空も名乗りを上げているのだとか。デルタとアメリカンと、どっちのグループに入ることになるのだろうか。そして、日の丸のフラッグキャリアは全日空になるわけ?
 ともあれ、外資を導入して経営再建するとなると、政治的に無節操に拡大させられた地方の不採算路線の廃止は確実だろう。政府が受け皿会社を立ち上げて、コミューター便を飛ばすくらいしかもはや策はないのではなかろうか。あるいは、大韓航空にインチョンから乗り入れてもらって、空いた発着枠を使ってそのまま羽田まで飛んで行ってもらうとか。

 AERAでなるほどという記事が2つ。ひとつは、自民党は実は借金まみれなので、与党の座から転落したことで財務は火の車になるというもの。もうひとつは、国会控え室の明け渡しを渋る自民党を、赤穂浪士や江戸の同心たちの明け渡しと比較したコラム。
 なるほど、これほどまでに自民党は劣化していたのか。この国の財政が借金漬けになってしまったのも、政権党がこれでは当然のことだったのだ。

 社民党から福島党首が入閣するそうで、何度も何度も見送られてきた選択的夫婦別姓法案がいよいよ成立するのではないか、という予感がする。外交防衛ではなく、そっちの方でがんばってもらいたい。
0

教員の労働  

 日本教育社会学会2日目。今日は「教員の労働」部会に参加する。

 「男性教員は育児休暇がとりにくい」「教員は忙しくて疲れている」という調査結果が報告された。
 しかしこれは、「世の男性はみんな育児休暇がとりにくい」「世の人々はみんな忙しくて疲れている」ということで説明される話ではないのだろうか。
 「世の男性は育児休暇を取得しているのに、男性教員はとりにくい」だとか「世の人々はそれほどでもないのに教員は忙しい」ということなら「教員の労働」という特徴を主張することができるのだろうが、あまりそういう実感はない。
 なお、ここでいう「教員」とは、相変わらず「公立学校教員」のことである。

 潮木先生はますます精力的に発表を続けられている。今回の発表は、以前発表した教員需要統計の予測精度が低かったことを受けて、新たなデータを加えて再検証をしたものであった。
 ここで大きな問題提起がなされる。つまり、研究者は研究成果の根拠となったデータや計算方法を公開し、追試検証に供するべきである、ということ。一人の研究者の研究成果によって社会全体が動かされることはきわめて危険だからである。そしてそのために、デジタル情報としてウェブ上にアップロードしてデータベース化を進めるべきであり、実際に彼はそれを実践されている。
 喜寿を前にした大御所に、研究者としてのあるべき姿を見る。
0

研究者/教育者  

 研究者とは、たえず無から有を生み出し続ける、孤独なフロントランナーだとして、教育者とは、先人たちの遺産を後に続く人たちに手渡し続ける、目利きのディーラーだとして、学会会場に集まった何百人という研究者の中に埋もれると、もちろん、優れた研究者であり優れた教育者であることは可能であるのだろうが、自分はいったいどのあたりにいるんだろうと、考えることしきり。
0

ローカル・パンデミック  

 ある日突然、同じクラスの生徒が、5人も7人も体調不良を訴えて早退することが続く。隣へ隣へ、次々と新型インフル感染が拡大していくのである。
 生徒たちは朝の8時から昼の3時4時までずっと同じ場所に座っているわけで、しかも彼らはじっとしていられなくて昼休みにはころころとじゃれ合っている。
 そんなわけで、感染拡大を防ぐためには物理的に学校に来させないというのが効果的なんだろうが、はたしてこのいたちごっこはいつまで続くことやら。
 すでに6学年のうち2学年を閉鎖。さらに増えない保証もなければ、同じ学年で再び流行しないという保証もまったくない。
0

スーパー重陽の節句  

クリックすると元のサイズで表示します
0

高校生クイズ  

 立命館宇治高校が、国際バカロレア・ディプロマプログラム実施校に認定されたらしい。夏休みに教員が海外研修に出されていたとか聞いてはいたが、いよいよですか、やられたなぁ、と思う。
 うちも他校さんも塾もメディアも、東大京大なんてローカルな次元で競り合っているような時代ではなくて、「うちも、東大京大何人とかじゃなくて、アイビーリーグとかオックスブリッジをめざすようにしないとダメですよ」なんてことを、ここしばらく言い続けているのだけれど、冗談にしか聞こえないらしい。
 まぁ、冗談にしか聞こえないだろうな。


 昔の高校生クイズは、電車やバスで移動しながら汗まみれになって運任せのゲームをクリアしながら、最後は富士山頂で早押し10問、みたいな感じで、アメリカ横断ウルトラクイズの高校生版だったけれど、制作費削減でロケ費用が捻出できなくなったせいだろうが、スタジオの中で3時間ひたすら薀蓄対決を繰り広げるという、そんな番組に変わり果ててしまった。
 出場校は以下のとおり。ウィキペディアで調べながら分類が難しいところは強引に割り振っている。東日本ではナンバースクールが圧倒的に強いのにびっくり。九州が新興私立や新設公立が出てきていたことは意外であった。

公立旧制中学校
旭川東(北海道)、青森(青森)、秋田(秋田)、盛岡一(岩手)、山形東(山形)、仙台一(宮城)、相馬(福島)、水戸一(茨城)、宇都宮(栃木)、太田(群馬)、県立浦和(埼玉)、横浜翠嵐(神奈川)、新潟(新潟)、高岡(富山)、金沢泉丘(石川)、岐阜(岐阜)、松本深志(長野)、米子東(鳥取)、宇部(山口)、城南(徳島)、高松(香川)、松山東(愛媛)、大分上野丘(大分)、熊本(熊本)

私立旧制中学校
県立船橋(千葉。私立→市立→県立らしい)、早稲田(東京)、開成(東京)、土佐(高知)

国立旧制中学校
広島大附属(広島)

戦前に母体ができた戦後の私立高校
慶応義塾(神奈川。中等部は戦後にできたらしい)、多治見西(岐阜。裁縫女学校)、比叡山(滋賀)、洛南(京都)、須磨学園(兵庫。裁縫女学校→女子商業学校)、東大寺学園(奈良)

戦中・戦後の公立高校
甲府南(山梨)、川越(三重)、出雲工業(島根)、岡山城東(岡山)、致遠館(佐賀)

戦後の私立高校
星陵(静岡)、大阪星光(大阪)、智弁和歌山(和歌山)、久留米大附設(福岡)、青雲(長崎)、宮崎第一(宮崎)、ラ・サール(鹿児島)、昭和薬大附属(沖縄)

戦後の国立高校・高専
福井工業高専(福井)、名古屋大附属(愛知)
0

生徒を動かす授業  

 普段、教室で黒板を背に授業をするのは、生徒をバラバラに座らせて同じ方向を向かせ、一方的に授業をして教え込むことができる。もちろん生徒の反応によって進度や内容が変化することはあるが、基本的に授業の主導権はこちらにある。授業準備も例年のものを若干手直しして臨めば最低限のことはできるので、リスクは小さくリターンはそこそこ期待できる。
 移動教室で普段と違う体制で授業に挑めば、まず生徒の方が少し落ちつかない。座席を自由にすれば仲のいいメンバー同士が固まるので、グループ作業にはいいかもしれないが、座学の部分ではこちらに注意を向けさせるのが一苦労となるときがある。大机に向かって座れば、こちらを向くことも少なくなるので、そのあたりをうまく指示を出さないと、こちらに背を向けてひたすら話し続けたり、すぐにぐだぐだし始める。さらに、生徒を動かしながら授業を進めるので、どんな反応があるかは通常の教室授業以上に予測が難しく、こちらのアドリブでの瞬発力が問われる。そんなわけで、授業準備にも授業進行にも大きなエネルギーが必要である一方で、うまくいくときには爆発的にいい授業になるが、失敗すると授業が壊れてしまう。リスクは大きくリターンは不確実。
 生徒たちがひとりひとりの大人の自覚を持って自発的かつ積極的に授業に参加してくれればいいのだけれど、そうでなければ時に怒鳴りつけながら生徒を動かし続けなければならない。理想は前者だが、現実は後者。そしてそれでいいのかと迷ってしまうと、授業はどっちつかずになる。

 今日、久しぶりに図書館を使って授業をした。
 昔なら、生徒を泳がせながら、こちらが流れをコントロールして、クラス全体を掌握していた。
 今日はそれがまったくできなかった。昔のような力業ができなくなってしまっていることに気づかされる。
0

次の内閣じゃなかった次の内閣  

 政権交代を前に、誰にどう引き継げばいいのか、ばたばたしているらしいが、それって最初からわかっていたことじゃないの、と思う。そのために、「次の内閣(ネクスト・キャビネット)」が準備され、民主党は結党以来、「いつでも政権交代できる準備をしている!」とさんざん宣伝してきたはずだ。

2009年5月発表
 ネクスト総理大臣  鳩山 由紀夫
 ネクスト副総理大臣 小沢 一郎  菅 直人  輿石 東
 ネクスト国務大臣 岡田 克也
 ネクスト官房長官 直嶋 正行
 ネクスト総務大臣 原口 一博
 ネクスト外務大臣 鉢呂 吉雄
 ネクスト防衛大臣 直嶋正行(兼務) 
 ネクスト内閣府担当大臣 松井 孝治 
 ネクスト財務大臣 中川 正春
 ネクスト金融担当大臣(経済財政担当) 大畠 章宏 
 ネクスト厚生労働大臣 藤村 修
 ネクスト年金担当大臣 長妻 昭
 ネクスト経済産業大臣 増子 輝彦
 ネクスト法務大臣 細川 律夫
 ネクスト文部科学大臣 小宮山 洋子
 ネクスト子ども・男女共同参画担当大臣 神本 美恵子
 ネクスト農林水産大臣 筒井 信隆
 ネクスト国土交通大臣 長浜 博行
 ネクスト環境大臣 岡崎 トミ子
 ネクスト官房副長官 長妻 昭(年金担当大臣兼務) 福山 哲郎

 これで行けばいいじゃない。
 今さら閣僚人事であわてる必要などないはずだし、「こういうメンバーでこういう政策を実施する予定だ」ということも含めた政権公約ではなかったのだろうか。
 また、これも今さらながら、社民党と国民新党との連立協議でごたごたしているのも変な話で、やはり、選挙後の連立を前提とした、三党共通マニフェストを示しておくべきだったのだろう。
 要するに、政権交代を唱えながら、いざ政権交代への備えはできていなかった、ということである。
0

デフレだなぁ  

 民主党への政権交代が決まって2回目の授業。夏休みまでは戦後内閣史を進めてきたので、これからは政治機構の話に進む予定。自民党政権が基本的に政府と与党との二重構造であったのに対し、民主党政権は基本的に一元化を図るという。いわば「中学校の社会の教科書どおりの政治」に近づくわけである。
 なるほど、教科書を額面どおりに受け取れば、自民党政治というのは「国民の意思から離反した」とんでもない政治になるわけで、その反対にそんな声を「政治がわかっていない」素人の発言だと笑い飛ばす、という関係性が成り立っていたわけだ。

「これから政権の移行が行われるわけだけど、いってみれば、OSをWindowsからMac OSに乗せ換える作業を始めるわけで、しかも今まで使っていたソフトだとかファイルとかが開けないと都合が悪い。だからしばらくは不具合が続くだろうねぇ。ひととおりバグ取りが終わったころに、ようやく新しいOSの使い勝手を評価できるようになるんだろうけど、大変だと思うよ。」

 ハード、すなわち憲法に規定された統治構造に変化はない。その上に乗っかっているOSあるいはソフトが(狭義の)政治過程だとすると、日本の中学高校ではひたすらハードのスペックについての説明しかしてこなかったし、おそらくそれを可能とするような政治学教育が社会科教員に対してなされてきていないためでもある。
 これから進むさまざまな生活の変化のすべてが、生きた社会科の教材である。問題はこれをどのように分析できるか、であるし、そもそも入試問題に相変わらずハードのスペックを問う問題しか出ないのであれば、やはりそちらを授業する方が「役に立つ」という状況は変わらない。

 授業の合い間に文房具を買いにイズミヤに出かける。
 入ってすぐに、新たに食料品の激安PBを立ち上げたらしく、激安サラダ油や激安インスタントラーメンが山積みされていた。衣料品売り場では1,000円でスラックスが売られていた。
 まさしく、デフレ、である。

 最近の生徒はおとなしいねぇ、なんて話をする。
 たぶん秩序を破壊しかねないほどのエネルギーが消えてしまったからだ。秩序の破壊者、つまりやんちゃな生徒が減ったのと同時に、創造的破壊者もなかなか現れにくくなったような気がする。
 創造的破壊者とはクリエイターのことである。そんな生徒を受け止められるだけの度量と余裕が、こちらになくなってしまったことで、手のかからない生徒を生産し続けることになるのだとすれば、そこで起きていることは、単純再生産あるいは縮小再生産でしかない。
2

民主党の高校無償化について  

 週刊現代を読んでいると、民主党幹部4人の横顔がグラビア特集されていた。おもしろいな、と思ったのは、鳩山由紀夫、小沢一郎、菅直人、岡田克也のうち、2人が「理系」だということだ。鳩山氏はスタンフォードでORを専攻したというし、菅氏は東工大を出た翌年に弁理士の資格を取得している。法学部的思考ではどうしようもなく行き詰った現状に「理系の問題解決アタマ」がどう取り組むのか、期待してみるのもいいかもしれない。

 さて、民主党が主張する高校授業料の実質無償化は、家計への直接給付という形をとって行われるらしい。事実上の「高校教育バウチャー」のスタートである。私学助成に関していえば、民主党議員の中には従来から学校への経常費助成から家計への直接助成に移行するべきだと主張してきた人が多かったように思うので、いよいよ来たか、と思って眺めている。
 将来的には、経常費助成を縮減する形で、少子化の中で私立高校の淘汰が進められることになろう。生徒の囲い込みがますます学校の存続に関わる問題となる。公立は「無料」なのだから、あえて「授業料を払って」私立に通う意味も変わってくる。
 来年から数年間で、業界地図が大きく塗り換わるかもしれない。

 高校無償化は、高校の位置づけを「適格者主義」という前提から「全入主義」という前提へとシフトさせるものでもある。
 そうした中で、高野連が特待生問題について、「高校野球は教育なんだから、野球ばかりは好ましくない」といった趣旨の報告を出していた。タテマエはたしかにそうだけれど、実際問題としてそういうふうに考えて憤っている人はどれくらいいるものだろうか。
 テレビで「おばかタレント」がバラエティ番組を席巻しているのを見て、ますますそう思う。おそらくほぼ全員が高校を卒業しているはずなのに、読み書きソロバンがままならない人がこんなにもたくさんいるにもかかわらず、それをみんなで和気藹々を眺めているのであって、彼/彼女の卒業した高校がこんなにも教育できませんでした、という非難の対象にはなっていない。
 とすると、高校は必ずしも「お勉強」をする場所だけではないのだと、みんな思って納得しているということではないのだろうか。
 高校って何だ?
4




AutoPage最新お知らせ