教育社会学(教職科目、15回)  教育社会学

1 教育社会学とは何か
(1)はじめに
(2)「教育社会学」という学問領域
(3)課題:『教育社会学研究』から興味のある論文を探してくる

2 教育社会学の射程と方法論
(1)教育社会学の研究対象
(2)「量的方法」と「質的方法」
(3)社会学の視点でものごとをとらえるということ
(4)現職教員にとっての教育社会学

3 「学校」という装置@洛星高校
(1)近代社会と学校
(2)教室
(3)校則
(4)「全制的施設」としての学校
(5)「学級」「全制的施設」から学校を見ると、教師の役割とはどのようなものか?

4 カリキュラム
(1)「なぜこのようなことを勉強しないといけないの?」「この勉強は役に立つの?」
(2)カリキュラム
(3)試験と評価

5 学校とは何か・補論
(1)学校と権力
(2)「学校化社会」
(3)教授法と文化
(4)「学校現場」と教育社会学

6 教育拡大
(1)教育拡大
(2)なぜ子弟を学校に通わせるようになったのか?
(3)教育拡大のメカニズム
(4)急激な教育拡大を可能とした日本の制度的構造
(5)教育拡大は日本社会に何をもたらしたのか?

7 学歴社会
(1)学歴社会
(2)学歴の役割についての主な説明(経済学)
(3)「立身出世」と「社会移動」
(4)学歴社会の何が問題なのか?
(5)ほんとうに日本は「学歴社会」でメリトクラティックな社会のなのだろうか?

8 格差の中の学校
(1)教育と格差
(2)教育と不平等
(3)そもそも日本に格差は存在するのか?
(4)学力が階層をつくるのか? 階層が学力を規定するのか?
(5)ブルデューの「再生産」論

9 大衆教育社会の成立
(1)大衆教育社会
(2)大衆教育社会の成立:中学校編
(3)大衆教育社会の成立:高校・大学編

10 これまでのおさらい

11 公立小中学校の学校五日制をやめて学校六日制にするべきか?
(1)「問題」とは何か?
(2)「問題」と「解決策」の「合流」
(3)解決策としての学校五日制:1940年代、1970年代、1980年代、1990年代、2000年代
(4)教育社会学的に問い直すと・・・?

12 公立高校を減らす? 私立高校を減らす?
(1)高校教育拡大:1965年まで、1975年ごろまで1990年ごろまで、1990年代以降
(2)高校教育機会の提供方法
(3)誰がどのように高校教育費を負担するか?
(4)公私間関係と「地域性」

13 大学の授業料を無償化するべきか? 18歳入学をやめ中退・復学を増やすべきか?
(1)日本の大学
(2)「大卒」という学歴
(3)日本の大学を取り巻く環境:日本的親子関係、日本的大衆大学、日本的雇用
(4)大学教育は誰のためのものか?
(5)大学が変われば社会が変わる?

14−1 学校から職業への移行
(1)労働市場と学校との相補的関係
(2)「加熱」と「冷却」
(3)ASUC職
(4)働き方の二極化と「自己責任」論

14−2 学校には何ができないのか?
(1)学校への期待
(2)「モンスター・ペアレント」
(3)「効果のある学校」
(4)先生は忙しい? 教職の専門性とは?
(5)大衆教育社会はどこへ行く?

15 最終レポート試験の前に・・・
(1)教職をめざさないみなさんへ
(2)教職をめざすみなさんへ
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現職教員の教育社会学研究  教育社会学

 石川県の小西先生とは、同い年ということもあって、一緒にがんばりましょう、とよく飲みながら気炎を上げていたところ、この4月から富山の短大の講師になったんだそうだ。
 神奈川県の吉田先生とは、2回ほどお話ししたことはあって、教社研にも論文を載せて、中央大学の非常勤もされているらしいというのは、学会プログラムでお見かけしてわかったことだが、こんなところでも偶然発見した。幅広くご活躍のご様子。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-6f0e.html
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/shien/pdf/kanagawa.pdf
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=%E5%90%89%E7%94%B0%E7%BE%8E%E7%A9%82%20%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D&source=web&cd=6&ved=0CFsQFjAF&url=http%3A%2F%2Fwww.kantei.go.jp%2Fjp%2Fsingi%2Fkoyoutaiwa%2Fwakamono%2Fdai2%2Fsiryou2-1.pdf&ei=-9CnT5vgPMXYmAWYurnhBA&usg=AFQjCNH3sfr9ooRJ7_6a-1iof1CcerY60g
http://www.nier.go.jp/shido/centerhp/21%20koukou.career/P1-P16.pdf

 ともあれ、現役教員にとっての教育社会学は、視野を広げる可能性を示してくれるが、それが可能となるのは、10年20年と務めていろんな蓄積ができた後のことなのかな、と思う。
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「選抜の公平性」とは何か?  教育社会学

 毎回、マラソンのオリンピック派遣選手の選考については一波乱あるが、そもそも3人を選ぶのに4回のレースをする上に、過去の実績だとかを「総合的に判断して」選ぶから、よくわからないことになる。
 東大入試を4回実施して、「総合的に判断」するようなものだ。

 もっとも、東大入試が一発勝負なことが公平かどうかはわからない。センター試験に失敗したらそれまででし、後期入試の門戸はきわめて狭い。それよりは1年間の成績から「総合的に判断」した方が、いい学生を選べるかもしれない。
 しかし、それでも私たちは「入試は一発勝負」というのが、どこかにある。敗者復活を設けると、どんどん制度が複雑になっていって、結局、公平性の基準がわからなくなることを、経験的に知っているからだ。この一発勝負を公平だと受け入れる土壌が、学校生活の中で叩き込まれて形成されてきたわけだから、陸連のマラソンの選考過程が公平に見えないのは、当然といえば当然のことであるかもしれない。
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政策立案に役に立つ教育学  教育社会学

 最近、「政策立案に役に立つ教育学」というのが一部で志向されているようだが、それが何なのか、正直あまりよくわかっていない。
 少し前のことだが、あるシンポジウムに参加して、学校に入って調査していた大学院生さんの報告に、どこかの教育委員会の人が質問をした。そのときの院生氏の回答が、「自分が現場に入って調査して、そこで考えた結果がこれです!」みたいな開き直りをしたので、驚いたことがある。もちろんそれは彼個人の資質なのだと信じたい。
 たとえば、新薬をつくるとき、膨大な実験を重ねてようやく安全性が確認されてから承認がなされる。その際のデータは、p値が小数点以下6桁でも7桁でもまだ「大きい」と判断されるはずだ。
 それが、社会科学の世界では、5%水準で有意であれば、つまり20回に19回というレベルで、クリアされることがある。そんなデータに基づいて世の中を動かせば、薬の世界と同じく、間違いなく「副作用」が表れる。
 もちろん、「○○をもっと学校教育に!」「○○を学校の中心に!」とかいうロマンにあふれた政策提言もあってもよい。しかし、これもまた、その副作用についてはたいてい答えてはいない。
 となると、「政策立案に役に立つ教育学」というのは、あくまで教育技術の向上というレベルに止めておくのが、「副作用からの安全性」ということから考えると、好ましいということなのだろうか?
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教育社会学が、採用試験に出ないということ  教育社会学

 恥ずかしながら、公立学校の教員採用試験の受験科目に「教育社会学」が入っていないことを、今日知った。教育社会学は、教職科目としても選択科目なので、つまり、教育社会学を知らなくても、学校の先生になれる、ということである。
 ただし、教育社会学が現職教員にどれだけ役に立つかは、以前書いたことだが、正直疑問である。日大の広田照幸先生は、教育学を学び教師になりたいという学生さんに「へそまがり」を勧めていらっしゃるが(広田照幸・伊藤茂樹『教育問題はなぜまちがって語られるのか?』日本図書センター)、「へそまがり」は心の奥底に潜めておいて、とりあえず目の前の「役に立つのか立たないのかわからないけれど、学校というのはそういうところだから」というお約束を、教師・生徒・保護者の三者がそれぞれ演じ分けることで成り立つ学校の日常を、醒めた目で中から見続けるのは、なかなか大変なことだし、それができない方が幸せだと思うことは少なくない。全員がそういう考えだったら違うのだろうが、そのときには今の学校自体が存在していない。

 ちなみに、自分は公立の採用試験のための準備はしたことがなかったので、参考書をパラパラ眺めてみるものの、ほとんどわからない。
 これは「教員になるための能力を問う」ための試験ではなく「公務員の採用試験の一形態」だからなのだと考えるか、あるいは自分に資質が欠けているかのどちらかであろう。
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現職教員に教育社会学は役に立つのか?  教育社会学

 教育社会学というのは、(おそらく)現職教員に人気がない(と思う)。
 理由は(きっと)「冷たい」からだ。
 教師の仕事は、「個性」と向き合うことである。それぞれに発達課題を抱え、それぞれの家庭の事情のもと、それぞれの人間関係の中で、かけがえのない「個」が成長していくのを支えることである。尾木ママ、夜回り先生、ヤンキー先生といった人たちはみな、「個」に寄り添う先生の典型である。
 だから、心理学的アプローチはとてもしっくりいく。実際、自分も仕事に必要だと思い、臨床心理学の本をいろいろと読み漁ったことがある。
 また、学校という組織は公立が多数であるから、基本的に学校の中は公務員の世界であり、行政の領域である。そのため教育行政学や教育法学、あるいは教育制度学、教育経営学といったものも、即効性がある。
 それに引き替え、教育社会学というのは、一見自明のような「個」の物語が、実は社会なるものに引きずられていることを暴くものであって、現職教員の目の前の仕事とは180度逆を行く。
 だから、教育社会学が、現職教員にとって役に立つかというと、まずは「NO」だろう。それを承知で、教育社会学を学ぶのであれば、それは視点をずらして新たな視野を与えてくれる。ただし、それで見えなかったものが見えてしまったとして、それが幸せなことかどうか、その保障はないのだけれど。
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教育社会学って、何をやってるんですか?  教育社会学

 「教育社会学って、何をやってるんですか?」と聞かれて、たぶん「教育について、社会学的に考えることだよ」という答え方がもっとも無難なんだろうけれど、それでは具体的に、どんなことを学んだらわかるようになるのか、ということになると、あまりちゃんとした説明があるとは思えない。
 教育社会学の教科書だとか、大学の教育社会学講義のシラバスを見比べてみてもいろいろあって、かつて日本教育社会学会の課題研究にもなったことがあるようだが、確固としたものが打ち出されたようには見えないので、実は、体系立った教育法あるいは学習方法はないんじゃないかな、という気がする。おそらく、教員採用試験対策あるいは就活の一般常識対策の参考書が、世間的に「教育社会学」とされているものなのだろう。
 たぶん、今いる多くの教育社会学研究者が、「教育社会学を研究したかった」というよりも「○○先生の本を読んで感銘を受けてこの道に進んだ」と答えることだろう。だからおそらく、教育社会学者と呼ばれる人たちが、何を考え、どのような研究を世に送り出し、その影響はどうだったのかを、列伝風にやっていくのが、いちばんわかりやすい概説書となることだろうと思う。
 イメージとしては、大嶽秀夫『戦後政治と政治学』(東京大学出版会)、あるいは小室直樹『経済学をめぐる巨匠たち』(ダイヤモンド社)みたいな感じ。竹内洋『社会学の名著30』(ちくま新書)があるが、あれをもっと研究枠組みに軸足を移して、時系列あるいは研究者相互の関係を明瞭にしたものが欲しい。
 また、学説史的なものだけではなく、たとえば現在活躍している教育社会学者10人を選んで、それぞれの研究を紹介するだけでも、教育社会学の全容(というかその広がり)が見えるのではないだろうか。
 しかし、自分で書く知識も技量もないので、どなたか書いていただけませんか?
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