あきれるにも疲れた  政治のはなし

 民主党の党内抗争は見苦しいといったらありゃしないが、そもそもこうなったのは、必要もないのに代表選をしたからで、なぜ代表選をしたかというと、マスコミが煽ったからではなかったか。
 そもそも、公党の党首たるもの、選挙で国民に審判を仰ぐのが筋であって、選挙と選挙の合間に代表選という内輪のレースをすることを当然視するのはどうかと思うし、与党が代表選をすれば派閥抗争が起きるというのは自民党の歴史で証明されていることである。これを当然視するのは、マスコミの政治報道がいまだ自民党政権の延長にある証拠である。

 塩野七生女史の描くローマ帝国では「敗者の同化」こそが繁栄と安定の原動力であったとされる。これは一神教の世界ではなかなか難しいことであり、ローマがキリスト教を国教としたことによって、衰退期にさしかかっていたローマは終焉を迎えたそうだ。
 総選挙で勝利した民主党が、自民党を迎え入れていればどうなっていたか。代表選で勝利した菅氏が、小沢氏とそのグループを厚遇していたらどうなっていたか。
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参議院の自殺  政治のはなし

 官房長官と国土交通大臣に対する問責決議案が参議院で可決され、今後、野党は審議に応じないとかいう話である。理由は、かつて民主党に言われたことをそっくり真似しているみたいだし、それに対する与党の反応も、かつて自民党がそうコメントしたというものをそっくり写しているようである。
 揚げ足取りを繰り返した結果、政党政治が支持と正統性を失っていった、1930年ごろの歴史をそのまま繰り返しているようで、気持ち悪くて仕方ない。
 もう、参議院は要らない。国会議事堂の半分を何かテナントに貸し出した方が、もしかすると役に立つかもしれない。
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知らんかった。  政治のはなし

 尖閣諸島問題について「領土問題」と発言して、蓮舫大臣が怒られているらしい。
 北方領土問題と竹島問題と尖閣諸島問題は、日本の抱えた3つの「領土問題」と、ずっとずっと思ってきたし、そんな授業をしてきたし、たぶんそう思っている日本国民の方が多数だと思う。
 あれが領土をめぐる問題でなかったら、いったい何の問題なのだろう。
 こんな時期に、禅問答のような話をしている場合ではないのに。

 鳩山前首相は、自分ならなんとか話をつけられたとかのたまわっているらしいし(それならとっとと、今からお忍びでもなんでもいいから飛んでいって、4人を返してもらってきてください)、民主党内でも政権批判があるとか言うが、民主党政権の招いた危機は、自分たちで尻拭いしてもらわないといけないし、もっと言えば、自民党に頭を下げてでも、オールジャパンで対処しないといけない問題なんじゃないの?
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憂国。  政治のはなし

 朝一番のニュースで、「中国人船長、釈放」というのを見て、びっくりする。なんだ、国内法で粛々と対処する、と見栄をきったところじゃなかったのか。レアアースの輸出を禁止するとかいう恫喝もちらつかせられた上に、日本人4人がおそらくいいがかりをつけられて逮捕されたばかりのこと。政府高官レベルでの決着がついて、これ以上事態を深刻化させない妥協点が見つかった上でのことであってほしいと、かすかな望みをつないで出勤する。案の定、船長は英雄気取りで凱旋し、4人は釈放されず、極めつけに「謝罪と賠償」などと言い出される始末。「次に同じことが起きたら、毅然と対処する」というが、誰もそんなこと信じちゃいない。それどころか次は逆に、尖閣諸島周辺で沖縄の漁船が拿捕されるんじゃないかと思う。

 リスク管理の鉄則は、トップの初動体制と、一度決めた方針をぶれさせないことだとはよく言うし、後手後手の対応は最悪の結果をもたらすというが、今回の日本政府の対応は、危機管理に失敗して倒産した雪印レベルの悪い見本ではないか。
 昭和初期の日本は、欧米や中国の反応を勝手に予測して行動した結果、悪い方へ悪い方へと国を導いていってしまい、戦争に突入するしかない状態まで追い詰められた。開戦後も、一貫性のない作戦を繰り返し、攻めるべきところで攻めず、引くべきところで引かず、自滅していった。
 前原外相は、京大で高坂正尭先生に心酔し、政治家の道を志したということだが、きっと高坂先生は、私の話のいったい何を聞いていたのだと、草葉の陰でため息をついておられるに違いない。

 このままで、国民の生命と財産は守られるのだろうか。
 もしも日本人に被害が出たとき、日本国内で、中国の施設を狙った報復が行われない保証はない。このとき、中国はもっと苛烈な要求を突きつけてくるだろう。
 その結果、双方で偏狭なナショナリズムが燃え上がったとき、いったい誰がその火を消すことができるのだろうか。

 菅政権が、そこまでも考慮して、このタイミングでの船長の保釈を決定したと信じたい。そうでなければ、たまったものではない。
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もしも日中が断交したら、何が食べられなくなって何が着られなくなるのだ?  政治のはなし

 やはり尖閣諸島問題は外交問題化した。新政権のお手並み拝見というところだろうが、さすがに親中派の多い民主党でも、ここまで挑発されると頭を下げる気にはならないだろうし、中国はなぜそんなにケンカ腰なんだか。南沙諸島をめぐる東南アジア諸国のこともある手前、通すべき筋は通すはずだし、しないといけない。
 それにしても、裁判所の出した船長の勾留延長許可について、政治的な陰謀だみたいなことを言って、即時無条件での釈放を日本政府に要求するのは、「日本には三権分立があるが、中国にはそんなものない」ということを公言しているに等しい。また、直前に訪中が中止になった日本からの青少年交流使節が、せっかく中国をわかるチャンスなのに、と残念がっているようすがニュースで流されたが、いやいや、これで(中国文化はわからずとも)中国政府についてはよくわかったことだろう。

 明日は中秋の名月。十四夜の月に、夕焼けに染まった入道雲が寄り添う姿は、いかにも今年の秋らしい。
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民主党代表選  政治のはなし

 2006年以降、4年続けて9月に首相が交代してきたが、今年はとりあえず、首相は続投することになったので、小沢さんが9月に民主党を割って出ない限りは、珍記録というか情けない記録も途切れることになりそうだ。
 ただ、個人的には、民主党人事よりも、尖閣諸島をめぐる日中の緊張の方が、はるかに深刻な問題だと思うのだが、なぜか扱いが小さい。
 一国の大使を休日の深夜0時に召喚するという外交上の非礼があって、その翌日に事情聴取を受けていた14人を中国がチャーター機に迎えに来たというのは、反中感情を煽っては得策ではないにしても、それなりに問題視してもいいと思うのだが。
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コクミンフザイ  政治のはなし

 大学3回生の政治過程論のゼミで、政界再編について議論していたときのこと。
 誰かが「国民の意見を云々・・・」「国民不在の云々・・・」と発言した。そのとき、間髪入れずに教授が「国民って、誰のこと?」と発言した学生に突っ込んだ。
 国民によって選ばれた政治家は、彼らの支持者の意見を重視する。巨大な利益集団を支持母体に持った国会議員もいれば、少数意見を背負って国会にやってきている議員もいる。民主党議員も自民党議員も社民党議員も共産党議員もみなそうであり、議会制民主主義とはそうした多種多様な「国民の声」を大前提とする。政治過程論というのは、そうしたものの基底にある構造を、アクターの行動を通してくみ上げていく学問なのである。
 それ以降、ぼくは「国民」という言葉を使わないで政治を考えるようにしてきている。20年近くそれでやってきて大丈夫なのだから、おそらく政党政治を語る上で「国民」概念はあまり必要ないということだ。定義も中身もはっきりしないマジックワードは、軽々に使うものではない。
 
 民主党代表選が行われ、もしかするとこのまま民主党は分裂してしまうのかもしれないし、また総理大臣が挿げ替えられることになるのかもしれない。
 今の民主党のドタバタぶりを評価するものではないが、2点だけ確認しておかなければならないことがある。
 第一に、民主党代表選はずっと前から決まっていたことなので、本来ならばここまで鳩山政権を引っ張るはずだったということ。それではなぜこうなったかというと、普天間問題や小沢氏の政治資金問題があったこともあるが、もっとも大きかったのは参院選を控えていたことである。つまり、衆議院議員選挙の4年に1回(実際には2〜3年に1回)に加え、最近では3年に1回の参議院議員選挙も政権選択選挙の様相を呈しているため、12年で最低7回の政権選択を行うのが現在の日本政治である。つまり、日本政治の安定のためには、まずは参議院議員制度改革が必要だということになる。
 第二に、小沢氏の「政治とカネ」の問題は、書類上の問題、あるいは解釈の相違の問題であるということで、しかも検察が強制捜査によって2度も不起訴とした事件であるということ。李下に冠を正さずというから、疑いをもたれることは恥じるべきであるかもしれないが、だからといって「疑わしきは罰せず」「推定無罪の原則」が適用されることについては、あれだけ冤罪事件が問題となったにもかかわらず、一向に主張されないということは、気持ち悪いということ。

 小沢氏が首相になったとしたら、直ちに、政権公約であった「記者クラブ制度の廃止」と「官房機密費の公開」を行っていただきたい。きっと大手マスコミは震え上がることだろう。
 ちなみに、鳩山氏が小沢氏を応援する理由が「実は小沢氏が鳩山氏を辞めさせたのだが、表向きは鳩山氏が小沢氏を道連れにしたから、その恩義があるから」と、したり顔で解説していた政治部記者がいた。「それならお前はなぜ今まで虚偽の報道を続け、本当のことを黙っていたのか」と突っ込む人は、スタジオには誰もいなかった。
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政治とカネと、マスコミと。  政治のはなし

 午前中、太陽が丘で府大会の運営補助をした後、午後からは大阪府立中之島図書館で資料を探す。今日のところはめぼしい収穫なし。

 そういえば、野中元官房長官が、官房機密費を政治記者や評論家たちにばらまいていたという話は、その後も一向に進展しない。内部調査さえ行われた形跡すらないから、ほんとうにとんでもないガセでない限りは、認めたようなものだろう。そんな記者たちが「政治とカネ」について報道しているわけである。
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戦後高校教育の歴史  政治のはなし

 参院選、与党過半数確保ならず。
 ただ、比例区の得票は自民より民主の方が多いのに、選挙区を入れると逆転するというのは、ブッシュがゴアに勝った2000年大統領選を見ているようで、なんだかすっきりとしない。

 戦後の高校教育の歴史について記した大脇康弘(1994)「戦後高校教育の歴史」『教育学論集』23の中で、私立高校に関する記述が登場する部分は、全47節のうち7節である(私立学校法公布、第1次高校生急増対策、文部省「わが国の私立学校」、私立学校振興助成法、第2次高校生急増対策、開成高校生絞殺事件、若林繁太『教育は死なず』)。
 これを「少ない!」と判断するか、「この程度だったんだな」と捉えるかは、この公立中心の記述で何が欠落しているのか、である。ただ、それがうまく言えないのがもどかしい。
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世論調査はもうやめた方がいい  政治のはなし

 飲んでいて、財務省の友達と環境省の先輩とが実は仕事でつながっていたことがわかって、なんだか話が盛り上がって、2人が口をそろえて言うには、民主党政権になって、もろもろの会合を公開にしたことで、かえってモノがいいづらくなり、むしろ密室で決めること増えたのだそうだ。

 菅内閣の支持率が50%になり、とうとう40%になったと、また見出しが躍っている。そもそも、消費税率引き上げを明言したことによって、支持率が低下したという証明はどこにもされていないのに、あたかもこれが当然の見方であるようにメディアが書き立てることで、選挙の争点であったはずの財政問題についての議論が吹き飛んでしまった。

 ウェーバーもマキャベリも、ちょっと風向きが変わったくらいでおたおたしているようでは、そんなもの政治家ではない、という感じの物言いをしている。最近の日本の総理大臣と、岡田監督と、「政治家の姿勢」としてどちらがふさわしいのだろうか。
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マニフェスト選挙の虚しさ  政治のはなし

 参院選が公示され、選挙カーがさっそく街を走る。
 京都では民主党が、府連の反対を押し切って小沢前幹事長が複数擁立を強行したため、なんだかわけがわからない。福山さんはさておき、もう一人のどなたかわからない方を京都の代表として選出する理由が、とんとわからないのである。民主党の組織の中で票割りを徹底するしか、彼女に当選のチャンスはなく、それはいかにも小沢的な組織選挙で戦うということを意味する。
 そもそも中選挙区制を廃止した最大の理由のひとつが、同一政党の候補者どうしの票の奪い合いが、党内に派閥を生み出す要因であったことではなかったか。今回についても、民主党内に「小沢系」「反小沢系」を固定化し、将来の分裂の火種とならないか。
 各党はマニフェストを掲げて鼻息も荒いが、いったい参議院で議席を獲得することが、どのように政策の実現につながるのだろうか。民主党が単独過半数を取れないことを見越して、キャスティングヴォートを握ることで、政策をねじ込もうという魂胆であれば、それを政党政治と呼ぶことには抵抗を禁じ得ない。
 そもそも衆議院と参議院の選挙制度がほとんど変わりなく、権限においても大差がないことが、この国の内閣から長期的展望を奪っている一因であるとはいえないか。それどころか、これを逆手にとって政権選択選挙に無理矢理仕立て上げようとするのであれば、そんな参議院選挙はおかしい。
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スーツを着た芸能レポーター、永田町を走る。  政治のはなし

 自民党議員が、民主党の新閣僚の事務所費問題を批判するために、マスコミを大挙連れてその大臣の家に押しかけるのがニュースで流れていた。どう考えても、これがトップニュースであることはおかしい。
 1928年、政友会の田中義一内閣がパリ不戦条約に「人民の名のもとに」締結したのは、天皇大権への干犯だと、野党・民政党が攻撃した。その2年後、今度は政友会が、ロンドン海軍軍縮条約を民政党の浜口雄幸内閣が締結したのは、天皇の統帥権への干犯だと、同じようにやり返した。マスコミは積極的にこのケンカを後押ししたそうだ。結果的にこのことが、軍部の政治介入と国民の政党離れを招くことになった。
 同じことにならなければよいが。

 このごろ、政治部記者が政治家を取り囲んでボイスレコーダーを突きつけている様子を、スーツを着た芸能記者だと思うようにしている。
 やっていることは、沢尻エリカを追いかけているレポーターと変わらないし、質問の内容も、沢尻エリカに聞くようなことを一国の首相や閣僚に向けているわけだから、ちょうどそういうものだ。

 いやいや、エリカさまが首相並みにVIPなのかもしれないか。
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せろんとよろん  政治のはなし

 菅新内閣に期待する人が6割ほどいて、民主党支持率も3割台に回復したそうだが、こんなに頻繁に1000人ほどのランダム「緊急電話調査」なるものをして、信頼区間もあったものじゃない小数点1桁までの数値を毎回毎回発表して「あがった、さがった」と一喜一憂するのは、たいがいにしてほしいものだ。
 エリート主義に立って衆愚政治を嘆くことまではしないが、世論はかならずしも輿論(与論)ではないのだから、数字の変化が何を意味するのかをきちんと検証しないと、ただパンとサーカスの政治を煽るだけで百害あって一利ない。
 民主党と国民新党の支持率を足しても3割台なのだから、6割とか7割とかいう数字の方がマユツバものなので、あまり気にしないほうがいいと思うのだけれど。
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また新しい首相が指名された  政治のはなし

 次期首相に菅直人氏が指名された。平成の22年で16人目だそうだが、小泉政権の5年間を差し引くと、17年で残りの14人ということになる。政治家の家系に生まれなかった首相としては、村山首相以来ではなかろうか。また、自民党に在籍したことがないということでも、同じく村山首相以来だが、ただし彼は自民党に担がれたわけで、そういうことでは初めての本格的な非自民の首相ということになる。
 グローバル化の時代、国家や政府ができることは限られてしまっていて、先進国のリーダーはみんな多かれ少なかれ苦労している。何ができないのか、何ならできるのか、ということをこちらも見定めながら、サッカーの日本代表と同じく、期待しないよりは期待してみよう。
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日本の首相  政治のはなし

 「首相名前覚えテスト」をやったところなのに、もう新しいプリントを作らないといけない。
 なんでこんなにコロコロ首相が変わるのか、たぶん世界的に見てもおかしいよ、と授業の前にぶつぶつ言っていたら、生徒が「それが日本の文化ですよ」とひとこと。
 たしかに、戦前の歴代首相はたいてい元老が推薦して決めたものだったし、戦後になっても自民党の「実力者」たちが相談して決めたこともあったっけ。会社にしても、社長よりも偉い「会長」や「相談役」なるポストがあって、要するに院政を敷く文化がずっとあるわけだ。
 これがずっと続くのか、いい加減この文化はなくなるべきなのか。
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