中3公民(週1時間、政治分野を中心に)  中3社会(公民)

1 政治のしくみ
(1)政治とは?
(2)憲法

2 日本の政治 : 国民の代表者による決定と、専門スタッフによる政策の立案・実施

3 政党と選挙
(1)政党政治と政党制
(2)選挙
(3)選挙シミュレーション:小選挙区制と比例代表制

4 日本の政党政治
(1)自由民権運動と国会開設
(2)大正デモクラシーから「憲政の常道」へ
(3)戦時体制と「挙国一致」
(4)政党政治の復活と「55年体制」
(5)1990年代:政界再編の時代

5 日本の首相
(1)首相でビンゴ!
(2)首相で心理テスト・・・?

6 世界の統治機構
(1)G20サミット
(2)大統領と首相、国家元首
(3)イギリスの議院内閣制 *サウジアラビアの絶対君主制
(4)アメリカの大統領制 *フランスの半大統領制
(5)中国の権力集中制
(6)日本の議院内閣制と象徴天皇制

☆夏休みの課題
日本の歴代首相を使って、何か新しいゲームを開発すること。
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コラボ  中3社会(公民)

 久しぶりに本業の授業の話を。

 現在、日本国憲法のくだりをやっているので(もっとも抽象的思考が求められるこの単元は、教科書では年度当初にやることになっているが、経験上、いちばん最後に回した方がいい)、家庭科の授業に合わせて「バリアフリー」を入れたり、「契約」の話をやったりしやすい。「死刑」の話なんかは、やってはいないが、宗教とのコラボもできそうだ。
 また、数学が高校新課程の統計をやっているので、そこでもコラボ。こちらは「計算はExcel先生に」とショートカットしたが、数学ではきっちりシグマを使って計算していた。今日は「錯視」のデータ集めの授業だったので、一緒に混ぜてもらう。次回、このデータを使って、標準偏差なんかの話をするそうだ。

 このあいだは、憲法改正案を作成し、国民投票を実施した。例年に増して、国家による国民の統制を強化すべしという案が多くて、「立憲政治と人権保障」の話を延々としてきた身としては、何を聞いていたのやら、とちょっと敗北感に苛まれる。

 来週からは、歴史の積み残しを引き受ける形で、1970年から2週間で一気に2012年まで到達する予定。

 もっともっと、コラボできる領域は多い。これを個人営業で進めている現状でよいのか、あるいは教科レベルで担当者が変わっても行えるようにするべきか。個人的には後者。それこそが「総合的な学習」なんじゃないの?
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「個人と社会」  中3社会(公民)

 中学社会(公民)の日本文教出版の教科書(旧大阪書籍バージョン)では、「日本国憲法と基本的人権」の章に先立って、「個人と社会」の章がちょこっと差し込まれている。わたしたちはさまざまな社会集団に所属しているのであり、ルールを守りましょう、という趣旨である。
 当然のように話が脱線し、「個人が集まって、その合意の上に社会(社会集団)が成り立つ?」「連綿と続く社会(社会集団)があって、個人はその中に組み込まれている?」という考え方の、どっちの方がしっくりいくかな、ということを聞いてみた。保守とリベラル、みたいな話なのだが、どうも彼らにはつかみどころのない話のようで、食いつきが悪い。
 たまたまなのだが、生徒とやりとりしている中で、「同性婚について、どう思う?」という話が、ちょうどこの「個人と社会」についての態度についてのリトマス試験紙として、中3の彼らには考えやすいネタだということがわかった。
 生徒の反応としては、意外と同性婚容認派が多かった。

 1月から、民主政治と人権保障についての授業に入るが、この単元では、明らかに社会契約説、すなわち「個人→社会」を所与としなければならない。クラスの半分の「社会→個人」派にどうアプローチするのか、いつものことながら頭を悩ませる。
 安易に「人権のカタログ」を暗記させて終わりだとか、「人権を守ろう」のスローガンを掲げて終わるだけでは、むしろ理解の妨げにしかならないと思うからである。


 それにしても、この絵を見て、何が問題か考えてみよう、って・・・。

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 生徒のコメント:
  @迷惑自転車が撤去されかけている。
  Aゴミ箱に投げようとして、外した。
  B実はワニのおもちゃ。
  C吊り革が低すぎる。

 はい、みんな、よく考えましたね。

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授業記録(長崎研修旅行)  中3社会(公民)

 11月は、核の問題について特集を組んだ。
 もっと、ああでもないこうでもない、ということをやりたかったのだが、あまりに拡散させても仕方ないと思い、論点は、@核兵器の非人道性、Aだからこそ核抑止論が登場する、B少数の犠牲と多数の利益、という3点に絞った。

1)ヒロシマ・ナガサキ・第五福竜丸
2)冷戦と核軍拡:恐怖の均衡と「核抑止論」
3)日本の平和主義:第2次大戦の犠牲と憲法前文・第9条
4)「なぜ核兵器の使用は許されないのか?」(ディスカッション)
5)「それでも、なぜ核兵器の使用は許されないのか?」(ディスカッション)
6)なぜ核兵器はなくならないのか?
7)長崎実地研修:原爆資料館、被爆体験講話
8)ビデオ「ヒロシマ・ナガサキ 二重被爆」(90分)
9)原爆投下と「早期終戦説」
10)ビデオ「ハーバード白熱教室 功利主義」
11)まとめ:ナガサキを通して考える
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前期末考査の問題です。  中3社会(公民)

[2]
問5 イズミヤ白梅町店の営業時間は夜8時までです。1階の食料品売り場では、お刺身やお惣菜が、7時を過ぎると値下げされて「20%引き」になり、閉店間際には「半額」になることがあります。
(1)値下げに対するお客さんの反応を予想し、そこから価格と需要量の関係について説明してください。
(2)なぜイズミヤはこのような値下げをするのか、価格を構成する「原価」「利益」や「費用」のことに関連させて、説明してください。

[3]
問1 今年3月に大阪・長居スタジアムで、東日本大震災へのチャリティマッチとして、サッカー日本代表対Jリーグ選抜の試合が行われました。チケットは、1枚4000円で発売され、販売開始10分で完売しました。しかし、完売したはずのチケットは、その日のうちにインターネットのオークションサイトで取引きされ始め、1枚15000円ほどの値段がついていました。
(1)なぜこのようなことが起きたのか、需要曲線と供給曲線を描き、説明してください。なお、長居スタジアムの収容人数は4万人とし、チケットは一律4000円だったとします。
(2)チャリティの精神にもとる、このような「ダフ屋」行為が起きたのは、日本サッカー協会(JFA)の価格設定に原因があったと考えられます。それでは、JFAとしては、多くの寄付を集めつつ、応援メッセージを発するべきチャリティマッチとして、どのようなチケットの売り方をすればよりよいものとなったのでしょうか。もっとよい案を出してください。

問2 アジア太平洋地域における自由貿易協定(環太平洋パートナーシップ協定、TPP)に日本が加わるかどうかで、政府内で対立が起きています。もっとも積極的な経済産業省は、TPPに加盟しなければ、10兆円以上の経済的な損失と80万人の雇用が失われると主張しています。これに対して農林水産省は、加盟すれば10兆円以上の経済へのダメージと300万人の雇用が脅かされるとして、強く反対しています。
(1)なぜ両者の見解がこのように食い違うのか、「自由貿易推進」という観点から説明してください。
 *雇用に関する具体的な人数については、問題とは直接関係ありません。
(2)あなたは、日本としてはTPP加盟交渉をどうするべきだと考えますか。あなたの考えを、悩める野田首相に教えてあげてください。

問3 教育実習に来た先生の名前は? 何期生?
 *正解者には、彼が授業中に勝手に約束した通り、2点あげます。

BONUS
その1 お約束の(?)英語問題。次の文章は、先日亡くなったステョーブ・ジョブス氏がスタンフォード大学の学位授与式(卒業式)で行った記念講演の一部です。下線部を日本語に訳し、あなたの感想を述べなさい。

Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma ― which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.......

Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that for myself. And now, as you graduate to begin anew, I wish that for you.
Stay Hungry. Stay Foolish.
Thank you all very much.
(Steve Jobs, June 12, 2005)
*graduate:卒業する anew:新たに 

★字幕付きの動画がYouTubeにアップされています。15分ほどです。
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今日の新聞記事解説:@小沢秘書有罪判決、Aインドで洪水  中3社会(公民)

 インターナショナルトリビューンの一面の写真は、インドの洪水の写真だった。
 3.11から半年が経ち、まだ日本は復興の途上にある。しかし、この間、世界では地震に洪水に旱魃に、さまざまな災害が起こり、また武力衝突に民衆が巻き込まれて多数の死者も出たりしている。いわば、日本の震災は「ワン・オブ・ゼム」になってしまっているのだ。
 一方で、日本の原発事故はいまだ収拾の目途が立たず、そしてこの事故は「オンリー・ワン」なのだ。つまり、日本へのまなざしは、おのずと「原発事故の後処理」へと変化し、「震災の被害者」から「原発事故の当事者」へと日本の置かれた立場も変わっているはずだ。
 いつまでも「がんばろう、日本!」「世界のみなさん、ありがとう!」は通用しない。

 しばらく日本の新聞をボイコットしていたが、さすがに今日は扱わないわけにもいかず、どの新聞も一緒だったので、京都新聞をコピーして持ってくる。小沢一郎氏の元秘書3人に有罪判決が出たという話。

 ぼくがある日、どうしてもガマンできなくなって、電柱の陰でこっそりとやってしまいました。それを警察官に見つかってしまいました。
 ふつうなら、ごめんなさい、で済む話なのですが、警察に連れて行かれて、取調べを受けました。
 実は、警察と検察は、校長の裏口入学事件を調べていて、どうしてもその証言が欲しかったみたいなのです。「立小便をしたのは、校長の指示だな」と、ガンガン取調べを受けました。その検事さんは、かつて、厚生労働省の局長さんを強引な捜査の上に無実の罪で起訴して、しかも証拠を捏造したという人でした。
 そんなわけで、起訴されてしまったのですが、その検事さんの取った調書は採用されず、検察の立証は歯が抜けたようになってしまいました。
 しかし裁判官は、わざわざ抜けた部分を自ら補って、有罪なものは有罪だ、という判決を出しました。
 「12人の怒れる男」を団体鑑賞したときに説明したように、刑事裁判では「推定無罪の原則」というのがあって、検察の出した証拠でどう考えても有罪としか考えられず、反対に有罪ではないという合理的な疑いが生じる場合には、無罪とする、としなければいけません。そうでなければ、冤罪を生んでしまうからです。
 しかし、マスコミ各社は「推定無罪」という言葉を知らないのか、裁判官が有罪と認めたから悪いやつだ、という報道をしています。こんなことだから、冤罪がなくならないのです。
 そして、元秘書に有罪判決が出たことで、マスコミ各社はもちろん、野党は「小沢氏の政治責任」を声高に叫んでいます。今、民主党が野党時代に掘った穴に自ら落ちてしまっているように、こんなことでは自民党も同じように、自ら掘った穴に落ちてしまうかもしれません。こうして誰もいなくなった、なんてことにならないといいのだけれど。
 確かに、立小便は有罪です。でも、このことと、政治責任の問題とは切り離すべきであり、推定無罪の原則を掲げて権力に立ち向かうべきマスコミがこれを無視していいことにはなりません。

 ・・・とまぁ、こんな感じでよかったのかな?
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日本の新聞各社に、ちょっと怒っています。  中3社会(公民)

 一連の「鉢呂経産相辞任報道」に関連して、今回の日本の大手メディアのあまりのいい加減さには、さすがに堪忍袋の緒が切れました。
 これまで続けてきた、授業冒頭の「今日の一面」で、日本の新聞を採り上げるのはしばらくやめて、ニューヨークタイムズだけにさせていただきます。
 「新聞記事ノート」も今後どうするか検討中。

 NIE(Newspaper in Education)の授業実践として、NIE学会で発表しようか。
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夏休みの宿題、やる方も出す方も大変だ。  中3社会(公民)

 今日は授業がなかったので、一日、提出させた夏休みの宿題のチェックをしたが、まだ半分しか終わらない。
 とりあえずハンコを押して、誰が提出したかをチェックし、外貨購入の宿題でどの通貨をどれだけ買ったのかをメモし、「映画を観る」宿題で何が人気があったのかを調べてみる。
 例年は冬休みや1月〜2月の入試休みの期間に出している宿題だが、今年は夏休みの宿題としたところ、どうも傾向が違っていて、渋い映画は人気がない。この差が、中学3年生が半年で成長する「のびしろ」のようなものなのだろうか。
 それにしても、夏休みの宿題は、最後の3日くらいでやっつけ仕事で終えたようなのが見え見えのものが多く、クオリティが低いものが目立つ。チェックしていてなかなか元気が出なかったり一向に進まなかったりする理由の半分以上は、たぶんこれだと思う。
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夏休みの宿題と「税の作文」  中3社会(公民)

 8月の最後になると、Yahoo!知恵袋に、宿題やってください、という質問が乱立する。中には、(−2)×(−4)×(+3)×(−1)を解いてください、だとか、You must introduce yourself first .を命令文にしてください、だとかいうのがあって、こんなの打ち込む方が調べるよりめんどくさいと思うし、そもそもこの子大丈夫か?、と心配になる。

 さて、今日、夏休みの宿題を回収した。社会(公民)の宿題は、次の5つ。
(1)新聞記事ノート
(2)社会派映画を見ること
(3)外貨を買いに行くこと(または映画をもう1本)
(4)京都国立博物館の特別展「百獣の楽園」を見てレポートを出すこと(社会科から中学生全員への課題)
(5)「税の作文」の下書きを準備しておくこと

 そして今日、税の作文を全員で清書して、集めに来た担当の職員さんに渡した。
 とりあえず「税は必要です」「しっかり使ってほしいと思います」「税は役になっていることがわかりました」という内容のものがほとんどで、そのあたり、読み手の意向に沿って卒なく課題をこなした感がある。ごくろうさまでした。
 これは原子力理解教育と同じで(こちらもいろいろとお誘いがあったが、さすがにそこまで魂は売れなかった)、補助教材が送られてきて、役所側の言い分が書かれていて、みんなで将来について考えよう、というのだから、要するに「この筋書き通りに考えて、役所のやることに協力してね」ということである。
 きちんと考えて違う結論に達した場合、コンクールの選からは外れるのだろうし、これが評価につながるとすれば「理解に達しなかった」となるのだろう。ふつうに考えれば、「社会にとって税が必要である」ということと「今の政府を信頼して増税に賛成する」こととは違うはずで、ぱらぱら見た感じでは、よくできる子がエレガントに現状を批判する「中学生らしくない」ものも散見された。

 もうひとつ。おそらく「税について考える」ということと「主権者として政治に参加する」ということとをつなげることが、社会科としての到達目標のひとつになるのだろうが、ここで日本国籍を持たない生徒についてはどう対処するべきか、という問題が出てくる。彼らは日本においては一方的に納税し、使い方は日本国民の良識にゆだねる、ということになるわけである。そこから外国人参政権に話が飛ぶのはいささか飛躍していると思うが、彼らにとって別のゴールをどこに設定するべきなのか、あまりコンセンサスがないように思われる。
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新聞ノートから見えるもの  中3社会(公民)

 今年も中3には「新聞ノート」を実施している。気に入った記事をスクラップし、要約とコメントをつけて提出する、というもので、もう6年目に突入した勘定になる。
 今週の初めに第4回目を回収し、今日はスタンプを捺しながら、コピーして貼り出す記事を選んで過ごす。
 今回は、節電関連の記事が多いという印象。国際関係の記事がきわめて少ないのは、彼らの関心もさることながら、報道されていないという証拠でもあろうか。それだけ、今のメディアの関心が、きわめて内向き内向きになっているということである。
 それならばなおさら、授業では日本の外の動き、あるいは外から見た日本について、意図的に強調して採り上げなければならない。International Herald Tribuneの一面を読む授業冒頭の5分間の重要性が増すということだ。
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実習生くんが授業でワークショップをしてくれました。  中3社会(公民)

 実習生くんが、就職活動のときにやったワークショップをリメイクして、4日間かけて周到に準備して授業でやってくれた。銀行員に扮して、クライアントの相談に乗って、融資を行うべきかどうか審査する、というもので、銀行の貸出業務を体験し、審査の重要性や、企業の将来を左右しかねないという銀行の社会的な責任について考える、というものである。
 試行錯誤の末にルールも決めて(3人1グループ、いい質問をすれば50ポイント、いい発表をすれば100ポイント、質問は2回まで etc.)、教室の席に付箋を貼って、あらかじめ班を指定しておき(互い違いになるようにして、カンニングを防止した)、準備は完成。
 最初にルールとシチュエーションの説明を行い、20分ほど時間を取って、CD増産のための機械を購入するべきか悩んでいる社長さんと、マウンテンバイクの工場を新設するかM&Aをするか悩んでいる社長さんの相談に乗る。最初の情報だけでは判断できないので、社長に質問して情報を得て、最終的にどの方法が優れているか社長にアドバイスをして融資するかどうかの判断を下す。
 ハイリスク・ハイリターンの授業だと思っていたが、5クラスともうまくいき、活発に発言も出て、終わってふたりでほっとする。これを研究授業にしてもよかったかもね、と、始める前の心配もどこへやらである。もっとも、発表が活発に行われた裏には、彼らは、普段から他のクラスから授業の前に情報を入れて予習(?)しておくことをするらしく、後のクラスほど質問や発表の内容がこちらの期待するものになっていったということも関係するかもしれない。彼らが「自分で考えて答えを出す」ことを嫌がるのには、ほとほとこの先が心配になる。
 この授業実践、ただ、とにかく準備に手間暇がかかった。授業準備に専念できる実習生くんだったからここまでできたということもあるし、チームティーチングだから成功したということも事実である。実習生くんは、他の実習生に手伝ってもらって、念入りにリハーサルしたり、75チーム分のワークシートを封筒に入れる作業は半日仕事だったそうで、もうやりたくありません、と疲れ果てていた。普段の校務の合間に5クラス分準備するのは、ひとりでやるには二の足を踏む実践である。こういう授業実践は、いろいろな研究会なんかでもよく見るが、やっぱりハレの授業でしかやる気にはならず、ケの授業ではルーティンワークをこなす方が安全確実であることは言うまでもない。
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パワポを使って授業をする。  中3社会(公民)

 今年も教育実習生くんを担当している。今週からさっそく授業をしてもらっている。
 実習生くんは毎回、パワーポイントでスライドを作成してきて授業をしている。最初は学会発表みたいにさくさく進みすぎて、生徒がついて行けなかったところもあったが、2回目は適当に生徒をいじりながら、いい感じで授業を進めることができていた。彼は企業から内定をもらっているが、きっと会議でいいプレゼンをすることだろう。
 パワポを使うと、とくに図解を必要とするところ(需要供給曲線など)はとても順調に授業が進む。需要曲線が右にシフト、というのも、パワポだと簡単に示すことができる。おそらく、地理ならば航空写真を使うといいのだろうし、歴史でも図録などを見せることもできる。
 それもあるが、パワポというよりプロジェクタを使った授業は、板書の時間が圧倒的に短縮できる。先生によっては、ホワイトボードにテキストを映して、空欄部分にマーカーで板書する人もいるのだそうで、必ずしもパワポを使う必要はない。くるくる回らなくても、十分有効に利用できる。話題の電子黒板についても、そこまで必要だとは思わない。
 もっとも、教師がゆっくり黒板に書き、生徒がそれをノートに書き写す時間は、生徒にとっては内容を咀嚼するための時間でもある。そのあたりの時間配分あるいは進度調整は、どのような方法を使っても十分に検討されなければならないことには変わりない。
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中間考査の問題、もう少し。  中3社会(公民)

問1 国会の本会議で眠そうにしている与党のある幹部議員に、「あなたはなぜそんなにヒマそうにしているのですか。さぼらずにしっかり話を聞いてください!」と文句を言ったところ、「そういうけどね、私はこの話を聞くのは、もう4回目なんだよ・・・。それに普段から会合やなんやかんやでとても忙しくて、つい・・・」と申し訳なさそうに言葉が返ってきました。
 どうやら、与党議員の中には、本会議までに少なくとも3回は法案の中身に関する説明や議論を聞いている人がいるようです。それでは彼らは、どのような機会にどのような形で、この法案についての話を事前に聞いているのか、日本の政策立案過程を踏まえて答えてください。

問2 今の日本では、
@「もっと比例代表の議席を減らして、純粋な小選挙区制に近づけるべきだ」
という主張があり、これに対して、
A「小選挙区制を廃止して、中選挙区制に戻すべきだ」 
B「比例代表で選出される部分をもっと増やすべきだ」
といった主張が見られます。
この3つの案のうち、あなたはどれを支持しますか。他の2つの案に比べて、なぜあなたの選んだ案が優れているのか、きちんと説明してください。

問3 原子力発電をめぐる「政治・官僚・業界・学問・報道」の5者の癒着構造について、何がどう結びついているのか、解説してください。
 原子力産業以外にも、このような構造は見られます。たとえばどのような業界に、どのような三者(あるいはそれ以上)の癒着の構造があるでしょうか。説明してください。
 またこのような、利害関係で結びついた、政治・官僚・業界の3者の癒着構造のことは、何と呼ばれていますか。
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中間試験の問題です。  中3社会(公民)

問 なんだか、また首相プリントを作り直さないといけないかもしれない事態に陥っておりますが、ある社会科教師のぼやきを聞いて、続く問いに答えてください。

 昨日、内閣不信任決議案が@衆議院に提出された。A自民党と公明党などによる共同提出なのだそうだが、B民主党の一部の議員もこの動きに同調する可能性があり、民主党からどれくらいの人数が不信任決議案に賛成するかによって、可決か否決かが決まる。
 菅内閣に対する不信任決議案は、震災や原発事故への対応があまりにひどすぎるという危機感から提出するというが、政権に復帰して数十兆円にのぼるという「復興利権」にあずかりたい、という下心があるからともいわれている。
 ともあれ、今日の本会議で不信任決議が可決されると、菅内閣は、内閣総辞職するか、C衆議院を解散するか、という選択を迫られる。解散総選挙となったら、被災地での投票実施が極めて難しいという問題があるが、先日の国会質疑において、政府は投票の延長は認められないと答弁している(地方選挙は公職選挙法によるが、国政選挙は憲法によるものだから、ということらしい)。「こんな状況で不信任決議するとは!」という菅首相と、「こんな状況で解散に踏み切るとは!」という自民党などとの、不毛な非難の応酬が起きるかもしれない。
 仮に自民・公明・民主の一部が「救国内閣」をつくったとして、「菅首相よりはマシ」という主張以外、まったくビジョンが見えてこない。また、仮に菅首相が解散総選挙を選択した場合、この非常時にあって、D解散から投票まで最長40日間、投票後も国会召集までの最長30日間もの政治的空白が許されるのだろうか
 新しい政治状況が生まれるのか、あるいはニヒリズムが社会を覆うのか。16年間、日本の政治を中学生相手に教えてきたが、「民主政治」について授業することがここまで苦痛に感じることは初めてである。悲しい。

(1)「衆議院の優越」が憲法によって規定されているのは、「@内閣総理大臣の指名が両院で異なった場合」「A予算案の議決が両院で異なった場合」「B条約を承認することについて両院で異なった場合」「C衆議院が可決した法案が参議院で否決された場合の再議決権」と、もう1つは何ですか。

(2)自民党や公明党のように、政権には加わらず、政権をチェックしながら、国会での論戦などと通して自分たちの要求を政権にのませようとする政党のことを何といいますか。

(3)現在、与党として、内閣に人を送り込んだり、国会の主要ポストを確保することで法律や予算の成立の主導権を握ったりすることで、自分たちの掲げる政策を実現しようとする政党は、民主党以外にどこですか。

(4)憲法の規定により、衆議院が解散されるのは、内閣不信任決議が可決された場合と、もう1つどのような場合ですか。

(5)衆議院が解散している間、国会は閉会となりますが、国に緊急の事態が発生すれば、国会としてどのような対応がなされるでしょうか。
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教科書の中の「裁判所」の取り扱い  中3社会(公民)

 公民の教科書では、「国会」「内閣」に続いて「裁判所」が登場する。
 この裁判所の単元の扱いが、どうも苦手である。
 裁判所は、@国家の統治システムとして(三権の1つである司法権を担当し、国会・内閣との「違憲審査権」を行使する)。A人権保障のとりでとしての(立憲政治の意義と「憲法の番人」という文脈で)。B身近な紛争処理機関として(裁判員裁判、あるいは消費者教育との関連で)。という3つの登場の仕方をする。そのため、説明の一貫性が保持しづらく、裁判所にまつわる諸事を羅列して単元を終えるという、不本意な内容になることが多かった。
 今年は思い切って、@のみに焦点を絞り、ABは後回りにしようと思った。時間の都合で@より先に進めなかったということなのだが、すぐに三権分立に進むことができるので、やってみると意外とわかりやすくなった。
 裁判所の事例とは反対に、福祉や労働法の問題が「経済」と「憲法」でばらばらに登場することがある。これは逆に、まとめて取り扱った方がよいと思う。
 公民的分野、あるいは政治経済という科目は、「憲法学」「行政学」「政治学」「経済学」「経営学」「国際政治学」「財政学」などを包括的に取り扱っており、方法論的に無理がある接合の仕方がときどき見受けられる。頭の使い方はまったく違うのだから、章が変われば別の学問になった、という方がすっきりするように思うのだが。
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