「イタリア文化が衰退」本当ですか!?
古代ローマ建国以来約3000年、各時代の象徴的的歴史・文化遺産はシチリアを除いて436(内、美術館196)箇所あります。文化・レクレーション白書2007年版に拠ると国から公開されている美術品は12000点で全体の15%に過ぎません。一方、この国では企業や銀行が歴史的文化遺産の修復に熱心で前年比4%支出増加、銀行が増えています。特別展示会はイタリア国家としてはたったの10%。美術館の入館者数は年間420万人(ルーブルの1/2)でヴァテイカン市国の美術館が1位でした。フィレンッエのウフィッツ美術館は17番目に落ちています。また、同白書によると家庭の文化・レクレーション費の支出は生計費の約7%で最高のノルエー、英国の半分です。劇場21%、コンサート(クラシックを除く)19%、オペラ・クラシック音楽9.3%、UE 27ヶ国中10位でした。
オペラ上演が財政危機に見舞われています。
1オペラの公演費は一人当り300ユーロ、内220ユーロが公費負担、観劇者負担は40ユーロ、残りは全額欠損になります。ボローニャ市長で市立劇場の館長(元イタリア労働総同盟の書記長) は「原因は経費が掛かり過ぎる。労働契約や経費負担を見直さないと国内全てのオペラ劇場は閉鎖に追い込まれる」と言っています。この数字は市民生活の経済的条件が悪化した事と無関係では有りません。現右派政権は2009-2011年までに文化予算を9億ユーロ削減します。
テレビと政治を巡る民主主義の公益性
イタリアの全国ネットを持つテレビ局は7局で国営(RAI)3局、民放4局、内3局は現首相ベルルスコーニが設立した会社です。TVが市民生活に大きな影響を与えています。各局が視聴率シェア拡大にしのぎを削っています。特に後発の民放局は1980年代に入って国営放送局から人材をスカウトして急速に発展してきました。認可を与えるのは郵政省ですが放送内容や公平さをチェックする「アウトリテイ」と呼ばれる独立した公的監視機関があります。この監視機関が「TV報道ニュースが規定より33%も越える政府系に放送が偏っている。」と、警告しています。この国には公益放送の中立性を保証する為に「パーリ・コンデイチョン」という機会均等法があります。つまり、政府与党にも、野党にも同じ時間量の放送を配分せよと、法律は決めているのです。
2008年9月のTV政治報道時間は政府与党 国営 58,69% , 民放71,75%, 野党 国営27.06 民放28,255%に少数政党関係は国営が4.23%、民放は3.84%でした。

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