100万の女性が怒ってベルルスコーニ首相に辞任を求める
「女性の尊厳を守るため」に一斉全国集会
ミラノ地裁は首相を未成年者買春罪と職権乱用罪で起訴、首相は「事実無根」とし、検察の捜査で被害を受けたとして国を訴えるという前代未聞の醜聞を曝した。女性たちは「首相だから何をやってもいいということではない。国の指導者 だからこそ、私生活においても自由には限度がある」と、2月13日、全国で女性だけの「女性の尊厳を守るため」の集会が開かれた。ローマでも、歴史的なポポロ広場に数万人の女性達が集まり、首相退陣を求めた。
歴史の風化にさらされた 祝・おめでとうとうイタリア統一国家150年!
今年、イタリアは統一国家設立(1861年江戸の幕末文久元年)150周年を迎えた。「おめでとうとうイタリア統一国家150年!誰が統治しようとも3色旗は尊重せよ!」と国家元首ナポリターノ大統領は北伊のレッジョエミリアで訴えた。統一国家150年祭は3月17日から全国各地で祝典やイベントが予定されている。ところが、国を挙げて祝うべき150年祭の意義が纏まっていない。肝心な政府と大統領が財政連邦移管法案を巡って衝突を招いた。政府は北部同盟の意向をうけて上下両院合同の委員会で否決された財政連邦移管法案を修正なしの政令を決定したが、国家元首は国会で否決された法案には署名しないと通告し、異常事態が生じている。その3月17日を国民祝休日に制定するか否かを巡って政府内も3閣僚(北部同盟)は反対、地方政界、労働界(CGILだけが賛成)経団連(フェッラリー社長が賛成)等が賛否を二分している。大統領の演説はこうした共和国の苦悩を浮き彫りにし、腫れ物に触るような想いで迎えたイタリア統一国家150年の祝辞であった。
”第一共和国“は1994年まで
イタリアの現代史を振り返ると王国の発足後、22年間のファシズム体制とそれに抵抗、祖国解放に導いたパルチザンの抗戦。1946年の国民投票で王政が廃止され共和国設立が決定された。50−60年代には親米政策マーシャルプランの導入によって奇跡的な経済復興がされた。東西の冷戦崩壊後、欧州最大の勢力を保った共産党は党名を変え社会民主主義に変貌、90年代は国家権力に対抗する形でのマフィアの報復抗争や癒着の激化が進行し、加えて政界の構造的汚職はタンジェントポリと呼ばれる政界大疑獄が発覚で長年事実上の最高権力者として君臨したキリスト教民主党と100年の党史を有した社会党は完全に支持を失い分裂、解体した。
1994年ベルルスコーニ政権誕生後”第2共和国制“は最悪!?
以後、右派や、Lega北部同盟の伸張は”第一共和国“を葬った。結果は憲法を制定した当時の制憲政党が消滅、マフィアの伸張と現憲法が右派から揺すぶられている。政界の浄化を謳ったはずの中道右派政権は未だに政界の構造的汚職の体質に手を付けず、悪化の一途をたどる金権政治のベルルスコーニ政 権へ世論は批判を高めている。加えて、閣僚の失言や右派政権の経済失政や汚職疑惑が追い討ちを掛け、支持率を低下させているにも拘らず、首相の人気は30%も有る摩訶不思議さである。その原因は豊かさを享受した若い世代が政治離れのノン・ポリ層が30%も存在してベルルコーニを支えていると言われる。戦後の民主主義を土台にした左翼勢力と労働運動が制憲護憲政権を通じて経済発展をもたらし、世界から“イタリアは生活大国”と呼ばれる豊かさを支え、ユーロ通貨の導入を実現させた強大な左翼勢力の歴史の風化が進行している。
イタリア国家統一150年を迎えた国民の意識世論調査では以下の通りである。
あなたにとって統一国家は。。。。
良かった 84,2%
*北部同盟支持者もほとんど統一国家建設に満足している。
悪かった 10,4 %
どちらでも良い 5.4 %
* 18−24歳の青年は45%がどちらでも良いまたは知らないと答えていて歴史の風化現象が見られる。
イタリア人の誇りは。。。。
全 国 北部同盟
大いに持っている 51,3% 52,4%
かなり持って居る 36,3 27,5
少しだけ持っている 10,3 ====
まったく無い 2,1 20.1
*ご承知の通り北部同盟LEGAはイタリアを3つに分割しようと考えている。
しかし、Legaの基礎組織はイタリア人を自覚している。
あなたはイタリア人として恥じる時が、、、、、
まったくない 57,0%
少し有る 17,3
有る・大いに有る 25,6
* 年齢の若い層がイタリア人として恥じる時が34%を占めるが具体的にどんな事、どんな時にが、不明だが、若い頭脳が大量に国外に流出している事を考えると、この国に将来性を見出せないからとも言える。
あなたがイタリア人として誇りを感じる自覚とは、、、、、
美しい自然に恵まれた大地 83,0%
歴史的芸術・文化 80,4
郷土料理・食材 78,2
イタリア国旗・国歌を聞くとき 63,4
*最近になって国旗・国歌、ローマ市の首都が法制定された。
ファッション・モーダ 51,7
歴史の統一国家期とレジスタンス 50,0
* 共和国建設の制憲政党が消滅し、レジスタンス時代の国民意識合意が風化される今日、尚、50%が保たれている事は特筆できる。
スポーツ界の国際的な高いレベル 44,5
イタリア共和国憲法 43,1
*共和国憲法は労働と国際平和に依拠した憲法である。
(
*は筆者の一口コメント, 尚、イタリア人と呼ぶようになったのは1961年以後)

0