ユーロ危機の根本解決策は各国の統一したヘッジファンド規制が必要
今、イタリアの経済・財政攻撃をしているのは、運用総額約2兆ドル(2011年10月末)のヘッジファンド等の国際金融資本だ。
彼らはギリシャ危機を利用して空売りで大儲けし、さらに、「機能不全な欧州圏の債権は買うべきではない」と“イタリア売り”をしている。
従って、根本的な解決策はこの国際投機団を国際社会から法的に規制し、閉め出す事だ。EU諸国ではヘッジファンドやデリバティブ(金融派生商品)の規制を強化すべきだと、提言しているが米国や英国などは規制に反対している。
何故ならヘッジファンドは全体の約7割が米国と英国の両国に集中していて、規制すれば両国の利益が侵されるからだ。
それに追い打ちを掛けたのが7月13日格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスで、イタリア国債の格付けを「A3」から「Baa2」に2段階引き下げ格付けの見通しはネガティブとした。
この2ヶ月間モンテイ首相はUE諸国の首脳会談に毎週のように交渉に臨み“スーパー・マリオ”ぶりを遺憾なく発揮している。首相は一連の交渉の中でドイツ、オランダ、フィンランドがユーロ通貨防衛策提案に対して強力な綱引き交渉で欧州銀行同盟とユーロ圏の金融安全網= Scudo anti-spread設立に同意させた。
労働市場改革法が成立、リストラ容易に…
下院は6月27日、モンティ政権が成長力強化策の転機のとなる労働法改正案を可決した。イタリアの1970年労働憲章法は倒産などを除くと企業が業績を理由に従業員を解雇するのは過去には事実上不可能であった。
法案は、解雇増を懸 念する労組と、失業手当拡充に絡む負担増を嫌う企業側の双方から反発を受け、首相支持率は昨年就任直後の78,6%から33%まで下落した。新法は賛成票が393、反対は74だった。議会の可決寸前にフォルネロ労相は「仕事は権利ではなく、獲得するもので、そこには犠牲もある」と語って、物議を醸し出した。
イタリア憲法2条には“憲法のベースは市民の労働に有る、と明記されているからだ。言い換えればイタリア人は労働を権利にして国家が成り立つと解釈されているからだ。労相は失言を撤回して新法が成立した。モンティ政権は当初、企業が業績悪化など経済的な理由で正社員を解雇した場合、補償金の支払いで解決できるように法改正する方針だった。
しかし、労働組合から強い抵抗を受け、法案に裁判所の判断による復職規定を加えた。 フォルネロ労相は26日、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、「この改革は完璧で はないが良い改革だ。特に労働市場に初めて参入する人たちにとってこの新法が最終的な雇用効果を持つにはイタリア文化を大きく変えられるかどうかにかかっている」と述べた。
新法の成立によって民間の雇用者は個々の従業員を解雇するのが容易になる。 イタリア労働総同盟(CGIL)のカムッソ書記長は、新しい制度は雇用を生み出さないとし、新しい失業保険はもっと寛大なものにすべきだと強調。
歳出の見直しで3年間に少なくとも260億ユーロ歳出削減
モンテイ政権は債務危機が高まるなかで(国債を暴落させ<金利が上昇>)伊政府が欧州各国に約束した経済改革の最後の部分にあたる”歳出の見直し”という、いわゆる無駄な支出をあぶりだす、第2局面を迎えた。11月から2%の付加価値税引き上げ(23%に)回避と大地震に見舞われた被災地の復 興資金を捻出するため、医療、国、州、県、公務員、エソダーテイ(無年金者)、公教育費等の国家支出を年内に総額80億ユーロ、3年間に少なくとも260億ユーロ歳出削減を見込む大統領が暫定特別法に署名、直ちに公布され国会審議を夏休み前に終わらせようとしている。国家統計局の今年の発表では800万人の貧困者を記録し市民の租税負担割合はヨーロッパでは一番「

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