イタリア人はやはり中道右派政権を望むのか!?
9月16日発表されたレプブリカ紙が定期的に実施している世論動向の調査結果によると中道右派がプローデイ 政権を10ポイント上廻ってると発表した。
中道左派政権で奇跡的に蘇った不死身のイタリア経済は諸改革の霧の中、未来は不確か"
周知にようにたった25000票の差は上院で議員数が158人対156人で終身議員が7人と成ってる。
中道左派政権は全ての重要法案を終身上院議員の投票で何とか成立させる議会運営を余儀なくされている。
正に薄氷の上を渡る行政執行である。
プローデイ 政権の支持率も30%に低下した。
イタリア国民が今、政府に一番望んでいる対策は
1 犯罪との戦い 33.7% (+11,5%)
2 賃金と年金額の引き上げ 30.9 ( - 4 ,1 )
3 消費物価抑制 30.5 ( - 8,1 )
4 減税 26,5 ( + 7,3 )
5 移民入植者制限 22,9 ( - 1,9 )
6 行政、学校、医療の改善 17,3 ( - 4,0 )
7 家族防衛 16,9 ( + 4,6 )
8 環境保護 9,3 ( + 0,9 )
9 カトリック教、アイデンテイテイ防衛 4,9 ( - 0,4)
カッコ内は対2005年と比較して増減
出所 Demos- Eurisko 2007年9月16日ラ・レップブリィカ紙発表
要求の多い順に列記した。
政界の再編成が進む
イタリアの政界は民主党(PD = Partito Democratico )設立を目指して政界の再編成が急速に進んでいる。
PD設立の目的は穏健中道左派の大結集であり、社会民主主義者と世俗的なキリスト教者、自由主義者、改革主義者が結集した幅の広い結党となる。
公式サイトを見るとイデオロギの定義付けは未確定、しかし、ヴィジョンは思想的な賢人としてA・グラムシ、N.ボビョウ、Jケネデイー、L,キング、N・マンデラ、M.ガンデイー、更に、経済学者、映画、歌手、文化人をあげている。
10月14日PD結党と党首選挙が行なわれ6人が立候補し有力候補には現ローマ市長のワールター・ヴェルトローニが74%でトップを走り、
2位は旧キリ民党の女性リーダー、ロシー・ビンデイ10%が続く。
今春、最大党の DS (最大主流のファッシーノが75%)と旧キリ民党左派が中心のマルゲリータが解党全国大会を開いてPD結党を決めた。
DS党内左派のムッシー15%はPD設立に反対して分裂。
PDはこのDSにマルゲリータの2大政党にみどりの党、SDI, ラデイカーレ、デイ ピエトロいずれも1-2%の小政党を吸収するか否かでもめてる。
一方、再建共産党とイタリア共産主義者党及びDSから分れたムッシー派の左派が3派からなり得票で推定10%に成ろう。
この三派が政府内や議会内で左派連合が現中道政府の外交(海外派兵)と社会保障政策を巡って揺すぶっている。
プローデイ政権になって財政の立て直しと脱税防止政策が功を成して歳入が予想より多く国庫に入った。
勿論、経済景気に支えられた追い風があった。
その入超の配分を巡って政府内や与党内で意見がまとまらず熱い秋に持ち越された。
各界にバランスよく配分し、累積の国庫赤字を埋める与党内中道多数派に対して、
全てを社会保障費に廻せと、左派三派の要求である。
一方、三大労組連合は政府案に合意したがCGIL- FIOM 機械金属労連は反対。
この様に現政府を支える中道左派連合は2つに割れている。
中道右派連合は中道のUDC(キリスト教党)が先の海外派兵の予算措置で与党側に与して右派連合を割ってしまった。
UDCが現在のベルルスコニーの中道右派連合残るはわずか10%で世論の48%は今後は新政党PDとの連合がベターと答えてる。
UDCの造反でベルルスコーニはかんかんに怒ったが彼の指導力は低下の一方で自分のFI党をまとめるに手いっぱい。
最近、ベルルスコーニは統一保守党への再編成に乗り出し党名を自由党((Liberale) として公証人に政党登録をした事がトリノの新聞
「ラ・スタンパ」がリークした。これを受けてFI の副党首が不快感を表明した。
従って政界再編成と新しい選挙制度法が完成すると総選挙に成るかもしれない。
早ければ2008年の春にも考えられる。
ナポリターノ大統領は3月の政変時にプローデイ首相の身柄を上下両院に差し戻したさいに現行の選挙法を改正するよう条件付けた。
つまり、より安定した議会構成が出来るような選挙制度を制定するように指示した。
これを受けて、与野党が協議しているが幾つかのモデル案が考えられている。
ドイツ型、とイタリアの州知事選型レフェレンドム型、が有力だが調整は難航してる。
現行法は国民投票に掛かられ事が決まり改正が見込まれている。
基本は小選挙区制の復活と小政党の存在をどのような形で吸収統合するかに掛かる。

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