少し前から気になっていたことがあった。
以前、職場近くのコンビニでご飯をもらってる
猫がいたのだ。
随分前に、私が見た時は、まだ触らせてくれなかったが、
食器と水入れがおいてあるのを見て、
コンビニの店員さんに話を聞いたことがあった。
店員さんの話だと、仔猫の時にここの駐車場に
捨てられて泣いていたらしい。
店員さんたちが、皆でご飯をあげるようになって
ようやっと少し慣れてきたんだと話しておられた。
それから、私はそのコンビニの前を通るたびに
猫が今日もちゃんといるかどうか、確認していたのだった。
しばらくして、猫はコンビニの前から姿を消した。
ああ、いなくなっちゃったんだ・・・
事故にあったのか、どこかへ行ってしまったのか・・・
店員さんに聞くのも怖くて、ずっと聞かないままだった。
そして、いつの頃からか、またその猫は現れて、
コンビニの脇でご飯をもらい、小さなダンボールの
上で寝る生活をするようになった。
私はあまりそのコンビニを利用していなかったのだが、
同僚の話だと、駐車場でお弁当を食べる人に、おやつを
ねだって、追い払われたりしていたらしい。
兎に角、またここに来て元気な姿が、車の窓越しにでも
見れるようになり、事故に遭わないように気をつけて、
ずっとそこにいてね、と祈るような気持ちだった。
このコンビニの前の道は、交通量も多く、また、
この近辺にはコンビニがないので、駐車場も
車の出入りが大変多い。
事故に遭わないか、心配だったが、ここでご飯をもらっていて、
それなりに暮らしているし、うちでもこれ以上の保護は
無理、と保護することをしなかった。
だが、その猫はまた姿を消した。
店員さんに聞いても、わからないと言う。
事故にあったわけではないのか。
通勤道路にある、このコンビニの前を通るたびに
猫の姿を探した。
ゆうたを保護してから、ようやっと気がついた。
あのコンビニにいた猫にそっくりだと。
そばで見たのは一回、なでたこともないし、
いつも遠目にみていただけだった。
だから、確信が持てず、今日、ゆうたの写真を持っていき、
コンビニの店員さんに確認した。
店員さんは、「とても似ている」とおっしゃった。
ゆうたの特徴「丸顔、鼻ぺちゃ、足が太い雄猫」
これも一致した。
どうやら、間違いないようである。
店員さんに、ゆうたがここのお店から2.5キロ離れた
私の職場の駐車場に現れたことを知らせ、
保護して、これから里親探しをしてもいいか、と聞いた。
店員さんは、もちろん、是非是非そうしてあげてくださいと、
言ってくださった。怪我して帰ってくることもあったから
かわいそうだった、と。
ここの駐車場は決して居心地がいいわけでは
なかったのだろうけれど、コンスタントにご飯を
くれる人がいるのに、どうしてここから離れてしまったんだろう。
もしかしたら、何かイヤなことがあったんだろうか、
それとも、迷子になってしまったのか。
いずれにせよ、やっぱりゆうたは、一度も飼われたことがなく、
捨てられて、お外での生活を余儀無くされてきた子だった。
年齢も店員さんの話と獣医さんの話の両方から
やはり1歳半ほどだろう。
成長期にお世話してくれる人がいたからこそ、
ゆうたは骨太の体格に成長することが出来たのだろう、
人なれしている点も合点がいく。
だが、コンビニの前を離れて、私の職場に現れるまでの間、
何を食べてきたんだろう、泥水を飲んでしのいできたのか。
Sinさんがおっしゃるには、ゆうたは若いのに、
はつらつ、とした若さがない。
うちのとらちゃんやちゃとらんなんかと年齢では
近いのに、この子たちの持ってる天真らんまんな
明るさ、元気さは、ゆうたは持ち合せていない。
一人で、とぼとぼと大きな道沿いを歩くゆうたの
姿が目に浮かぶ。
暑い日も雨の日も、風の日も寒い日も、
一人で耐えてきたんだろう。
世の中にいる「野良猫」と呼ばれる、帰る家のない猫たち。
全てが不幸ではないのだろうけれど、
幸福な子は数少ないだろう。
「地域猫」として、不妊手術を受け、決まった時間に
ご飯をくれる人がいて、寝る場所があって、、、
それでも、お外での生活は厳しい。
人なれしている子は虐待を受ける可能性も高い。
お外で生まれた仔猫は、そのほとんどが生き延びることが
出来ず、烏に食べられたり、車に轢かれたり、
時には虐待を受けたりして、命を落としていく。
全ての猫を救うことはできなくても、、、
近くにいる、救いを求めている猫たちのうち、
ほんの1匹でもいいから、幸せになる橋渡しを
出来れば・・・といつも思う。
↑こんなにかわいい写真を頂いた。
ゆうた、絶対に幸せになろうね。

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