採桑老の補足説明
面は能の翁面の前身ともいわれる老人の面で、
その額のしわは死相を現しているとも云われます。
頭には牟子(むし)を被り笹を挿します。
腰には薬袋(やくたい)をぶら下げ鳩杖(はとづえ)を持ち
白装束を着します。
古くから四天王寺の東儀家により伝えられ、
聖霊会で舞われてきましたが、採桑老伝承者・多忠資の殺害事件や、
舞人に不幸が重なり、何時の頃からか「不吉」の舞と囁かれ、
次第に表舞台から姿を消しました。
しかし、本来は百にもなった老人が不老長寿の薬を探す姿を舞にしたものであると云われ、不老長寿を寿ぐ「ハレ」の舞とされていました。
舞は舞譜だけが今日まで残されていましたが、
元宮内庁式部職樂部首席樂長・日本芸術院会員の東儀俊美氏が昨年正式に復元し発表しました。
(乃木神社 管絃祭パンフレットより)
天皇陛下のご長寿を願う為の演目であったようです。

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