古来から我々日本人は、ケガレを最も忌み嫌う民族です。
最大のケガレは「死」です。
「死」のケガレは、「生気が枯れる」生きる力を失った事への恐れや悲しみをケガレとしてきました。
このケガレに触れることによる、自分の生命力の衰消や連鎖的な「気枯れ」を恐れ慎むものです。
ケガレは人から人へとウイルスのように感染していきます。
ですから、例えば身内の誰かが亡くなってしまった場合。
忌服し、その喪中は極力外出を控え、人との接触を控えます。
喪が明けてから「忌明の祓い」の後、はじめて外出、人との接触が可能になります。
現代人はこの「忌明の祓い」をしないまま、喪が明けたと言う事だけで
結婚式に出席したり、妊婦と会ったり、どこへでも平気な顔をして出かけて行きますが、
このケガレというものは、本人のみならず、感染させた相手が
知らない間に思わぬ禍に遭ったりするものなのです。
ですから、祓いと言うものはとても大切なものなのです。
ケガレは他にも色々あります。
疫病・出産・月経・犯罪・・・。
ケガレは普通に生活しているだけで蓄積されていきます。
古来より出産後、赤ちゃんを「お宮参り」に連れて行くのも
出産によるケガレを祓うということから始まりました。
ケガレは周りの人々に伝染させ様々な禍をもたらします。
これを祓うために日常の知らず知らずの内についたケガレを年に2回
6月の30日の大祓ひと12月31日の大祓ひがあります。
6月の大祓ひは、ご先祖様をお迎えする前に祓いをして心身共に
綺麗になってご先祖様をお迎えしようとするものです。
12月の大祓は、新年の歳神様をお迎えする前にやはり
心身共に清まって歳神様をお迎えしようとする大切な行事です。
日本人の常に清らかでいたいと言う清浄の精神によるものです。


0