最近、テレビ番組で江○氏の「オー○の泉」とか、細○氏の占いとも思えないような言いたい放題の暴言番組が流行っていて、多くの方からも彼等について意見を求められることが良くあります。
私は当初から、霊能者、占い師、超能力者などと自称している人たちや彼等が行っていることについて、繰返し、無意味なことであると述べてきました。
このような、自称霊能者や超能力者が増えてくると共に、彼等のやっていることは詐欺行為であると立証するかのような、テレビドラマもまた流行っています。
たとえば、「トリック」とか「クロサギ」といったものです。
「トリック」を見ていると、今まで、超能力者とか占い師といった人たちが様々な現象を起こして奇跡と呼んだり、人々の未来や過去を言い当てたりしていたことは、すべて「トリックがある」ということがわかります。
一九七○年代に一世を風靡した超能力者ユリ・ゲラーを覚えている方は多いと思います。
彼は超能力でスプーン曲げをやると言って、世界中を驚かせ、とてつもない大富豪になりました。
けれども、彼がやったスプーン曲げも透視も、すべて日本人の多くのマジシャン(手品師)がいとも簡単に行っています。
更にユリ・ゲラーよりもはるかに不思議な現象を起こして、人々を楽しませています。
また、ユリ・ゲラーに限らず、数多くの超能力者紹介の番組で行われた数々の実験も、すべて「トリック」によって出来ることであると暴いていた番組もありました。
それは「超魔術」と言う言い方で、あくまでも手品なのです。私達が「超能力者」として見せられてきたものは、すべて「トリック」のある手品だったわけです。
また、江○氏などの自称霊能者や細○氏のような占い師の多くが使っている手法が、コールドリーディングとかホットリーディングという手法です。
コールドリーディング・ホットリーディングについては、
『ウィキペディア』に次のように書かれています。
コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。
外観を見たり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。
セールスマンによる営業、捜査関係者による尋問、催眠、超能力の実演、筆跡心理学(筆相学、Graphology)の鑑定、手相占い、占星術、詐欺など広い分野で用いられる。
ここでのリーディング(読み取り)とは、相手について言い当て助言や予言などをすること。
よく似たものでショットガンニング(Shotgunning)も超能力者や霊媒を自称する者が用いる技術である。彼らは実演する相手に大量の情報を話すが、そのうちのいくつかは当たるため、相手の反応を見計らいながらその反応に合わせて最初の主張を修正し、全てが当たったように見せかける。
エドガー・ケイシー(Edgar Cayce)、シルヴィア・ブラウン(Sylvia Brown)、ジョン・エドワード(John Edward)、ジェイムズ・ヴァン・プラーグ(James Van Praagh)らは全てショットガンニングの疑いがもたれている。
《技法》
実際のリーディングを始める前に、読み取る者は相手の協力を引き出そうとする。
「私には色々なイメージが見えるのですが、どれも明確ではないので、私よりあなたの方が意味が分かるかもしれません。
あなたが助けてくだされば、二人で協力してあなたの隠れた姿を明らかにできます。」
そして分からないように相手をよく観察しながら、一般的な内容から入る。
「あなたは、自信がなくなる感じのすることがあるようですね。特に知らない人と一緒にいるときなどです。そのように感じますがどうですか?」(※バーナム効果)
または、観察に基づき、より具体的にみえる内容(実は具体性はあまりない)に踏み込んで推測を行う。「私には年老いた婦人があなたのそばによりそっているイメージが見えます。
少し悲しそうで、アルバムを持っています。このご婦人はどなたかお分かりになりますか。」「私はあなたの痛みを感じます。多分頭か、もしくは背中です。」相手はこれら具体性のない推測に対して、びっくりしたり思い当たることを話したりするなどの反応をすることで、リーディングを行う者になんらかの情報を明かしてしまうことになる。
これを基礎に、リーディングを行う者はさらに質問を続けることができる。推測が次々当たれば、相手はリーディングを行う者への信頼をどんどん深めてしまう。
もし相手に推測を否定されたとしても、態度を崩したりうろたえたりせず、威厳をもって「あなたは知らないかもしれないが実は私にはそのように見えるのです」と言い張るなど、信頼を損なわずうまく切り返す方法がある。
一般的に、この間にしゃべり続けるのはリーディングを行う者だが、情報はその相手からリーディングを行う者へ一方的に流れ続ける。年齢、服装、顔色、しぐさ、口調、雑談やリーディングに対する顔や言葉の反応など、すべてがリーディングを行う者にとって相手を知ることのできる情報になる。こうして、リーディングを行う者は相手に関する情報の精度を高め、相手は何もしゃべっていないのに自分の奥深くまで全てが言い当てられてしまった気分に陥る。こうなれば、相手はリーディングを行う者による「将来に関する占い」、「心霊による伝言」、「未来に関する予言」、「霊力のある商品の購入の薦め」などの不確かな結論まで信じてしまう。
《コールド・リーディングの利用》
コールド・リーディングには確立した技術がある。
多くの演者がこの技術を習っており、能力者を装って一対一の占いを行ったり、ジョン・エドワードのように「死者と対話する」などと題した公開の場で、観客に死んだ近親者からのメッセージを披露したりする。演者の中には、観客について言い当てて大喝采を受けてからはじめて、実は超能力は使っておらず、心理学とコールド・リーディングの知識だけあればできるとばらすものもいる。
《ホット・リーディング》
コールド・リーディングの技術と、事前にひそかに調べておいた情報が組み合わさると、ホット・リーディングと呼ばれる技法になる。これは占い相手や霊媒術で呼び出す個人のことをあらかじめ調べておいて、その情報を披露するものである。
しかし、個人に対する事前情報がたとえ無いにしても、「超能力者」は相手の外観に対する注意深い観察と分析、そのほか話を交わすうちに分かる背後の情報(性、宗教、人種、学歴、出身地、家庭)によって、相手の履歴をかなりの部分得ることができるのである。
これはプロファイリングとも共通する技術である。
ただ、全ての人が「トリック」であると言うわけではありません。以前、「リング」というオカルト小説で一大ブームになった「貞子」は、実在する人物をモデルにしており、そのモデルとなった、御船千鶴子と言う女性の能力は本物の超能力と言えるものでした。
御船千鶴子のように例外的に本物の超能力者は存在しますが、極希です。
江○氏などはもともとコールドリーディングをやっている内に、周囲が面白いように引っかかってくるようになり、次々と憑依霊が集まってきて、彼に耳元でささやく存在が現われたと考えられます。
実際、霊能力者、と称する人の大半は、動物霊に耳元でささやかれているのです。
そして、彼等の百%は、何らかの「心霊体験」を経てこのようになった、と言っています。
超能力や霊能力は開発して得られるものではない、ということと、突如目覚めるようなものでもありません。
もし、それが起きたとしたら、極めて危険な状態に陥っていると考えた方がよいのです。
狐や蛇、龍などといった、低級霊の仕業以外にはあり得ません。
千鶴子はたまたま、潜在的に特異な能力が備わっていたに過ぎなかったのです。
彼女が行った、透視や千里眼といった能力は、確かに普通の人からしてみれば、非常な驚きがあったと思われますが、そのような特異な能力があったからといって、特に「世の中の為になる」とか「楽しい人生を送る」といったことには影響を及ぼしませんでした。
突然、普通の人が千鶴子のような能力に目覚めてしまったら、その能力ゆえに、一般の社会生活を送ることが非常に困難になり、周囲の人と共存できなくなった時に、精神病を引き起こすかもしれませんし、彼女のように自殺に追い込まれることでしょう。
ですから、突然霊能力や超能力に目覚めたとか、修行などの能力開発によって得られたとか言っている、自称霊能者、超能力者、教祖、占い師などはトリックやコールドリーディングやホットリーディングを駆使しているに過ぎないのです。
以前、サイババという超能力者が手から灰を出す、ということでかなりマスコミが取り上げていましたが、それは完全に手品であることが暴かれていました。
また、古いところでは、島原の乱で有名な天草四郎もまた、手品師でした。
彼は救世主として擁立、神格化された人物で、さまざまな奇跡を起こした伝説もありますが、その奇跡と言うのが手品だったわけです。
現在でも手品が超能力だと思わされてしまうのですから、当時の人々には奇跡としか思えなかったことは容易に想像できます。
また、霊能力と言われるものの中に「自動書記」があります。
これは「霊あるいは特定の高い霊体または意識が霊能者あるいは特定の資質を有した人間の手やキーボード等を用いて文字や文章を記載させる現象を「自動書記」と言います。
この自動書記を行う場合には、霊能者あるいは特定の資質を有した人間の瞑想状態あるいは、酩酊状態、いわゆるトランス状態、変性意識状態の際に、霊あるいは特定の高い霊体または意識が、かってに、その手を借りて、文字や文字列を綴っていく事です。」ということですが、百%憑依霊による現象です。
自動書記によって書かされたものだから正しいことが書かれていると豪語する人がいますが、それは自分は取り憑かれていると言っている様なものです。
自動書記で有名なのは、岡本天明の「日月(又はひふみ)神示」、出口ナオと出口王仁三郎の「霊界物語」などですが、これらは全て、低級霊による憑依現象によって書かれた物です。
当会にも、「当たる」とか「当たっていない」とかいうことを求めてくる人がいましたが、そのようなことは低級な動物霊が人間を惑わして喜んでいるだけですので、全く無意味かつ危険なこととして一蹴してきました。
科学や医学が進歩しているのは、三次元世界をより有意義に生きていくためであり、人間が肉体を持って三次元世界で生きている以上、科学や医学の進歩の恩恵に与(あずか)るのは当然のことです。
それを霊的な現象ばかりを追い求めて、実際の生活に支障をきたしているのは本末転倒と言えるでしょう。
どちらか一方に偏ることが不幸の始まりなのです。
何故なら、人間は霊的な存在でもあり、物質的な存在でもあり、両方の性質を持った存在だからです。
この霊的な部分と物質的な部分の調和を保ってこそ、明るく楽しい人生を送ることが出来るのです。
よく、霊的なものばかりを追い求めている人は、物質的なことがおろそかになっている人を見かけます。そのような人は、この世では苦しくても死んで霊体になれば素晴らしい世界に住める、と考えているようですが、この世で苦しく、楽しくない人が、死後、幸せな未来が開けるなどということは絶対にありません。
この世で楽しいと感じることが出来るからこそ、死後も幸せになれるのです。
ですから、生きている間にどれほど素晴らしい人生を送れるか、ということが大変重要なことなのです。

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