「仮面ライダー電王」が終わった。
「今度のライダーはSuicaで変身するらしい」
そう聞いてひっくり返ったのも、もう遠い過去の記憶。
「電車に乗るなんてライダーじゃない!」
「桃がモチーフ!?造形がカッコ悪い!」
「史上最弱最年少ライダー?」
うんぬん・・・
始まる前からいろいろ言われていたのに(実際、私もそう思っていたけど(^^;)、イザ始まってみたら、第4話で見せた
モモタロスの「ごめんなさあ〜ぁい!」のあまりの可愛さと、
ロッドフォームの正統派ライダーキックと、
ガンフォームのセクシーさ(キャラ的には「可愛さ」なんだろうけど、ステップを踏みながら振り返りざまに銃をぶっ放す時の腰つきと二の腕がすっごいセクシーに見えて、毎回ドキドキ

していた)に完璧にヤラレた。
若くて芸歴も浅い佐藤健くん@良太郎の芸達者にも驚かされた。
特にウラ憑依のちょっとインテリ系女たらしっぷりや、リュウタ憑依のダンスバトルは目が釘付けになった。
そしてとうとう、
リアルタイムで全話を見続けてしまった。
爽やかなクライマックスだった。
小林靖子は伏線回収が実に上手いなぁ。
平成ライダーは井上敏樹の「投げっ放し展開」にすっかり慣らされていたから(爆)正直こんなに綺麗にまとまるとは思っていなかった。
今考えれば、ジークだって過去の時間に放置プレイされてそれでも消えてないし、良太郎の「記憶」からの乖離で一度は消えかかったウラ、キン、リュウタだって、良太郎の強い思いが3人を繋ぎとめて「てんこ盛り」になって戻って来た経過があるんだから、「4人が消滅する」バッドエンディングの確率は低かったはずなんだけど、それに気付く間もなくとにかく「モモたちが消えちゃう!」という良太郎の思いに共鳴させられて、ひたすら心配して毎週泣かされて、最後まで見事に「釣られ」た。
でも、もう見られないだろうと思っていたソード、ロッド、アックス、ガンの4フォームが見られたのは嬉しかったし、とにかくソードフォーム最後の
ファイナルバージョンは最高だった。
ジークもデネブも加わってそれぞれのエネルギーを増幅させながらやり取りするアクションは
ゴレンジャーストームを彷彿させた(そう思ったのは私だけじゃなかったらしい(笑))
うーむ、イマジンズはある意味、戦隊みたいなもんだったのね(^^;
ただ、ちょっと残念なのは、良太郎の心情を描いた
長石カットがやや寸足らずだったこと。
あと0.5秒くらいは欲しかった気がする。
まぁ「消滅する恐さで動けなくなるリュウタ」みたいないい場面もばさばさカットしたらしいし、きっと尺がいっぱいいっぱいだったんだろうなぁ。
しかし、まさかラストが、去年
「毎年恒例クリスマス決壊エピソード」のコメントに書いたまんまの構図になるとは。
>2007/12/25 0:39
>タロスズとコハナを乗せ、良太郎を置いて夕陽に向かって飛び立つデンライナー。
>それを見送る良太郎。ってベタ過ぎるけど、長石式クライマックスはそれしか浮かびません(笑)
まぁ、夕陽じゃなかったけど(^^;
つか、私の予想が当ったというよりも、きっと一番ハッピーなクライマックスがこれだったんだろう。
自転車でデンライナーと並んで走る良太郎の姿は第1話と同じアングル。
でもその笑顔は、もう少年ではない、すべてを吹っ切ったような大人の顔になっていたのがすごく印象的だった。
ただひとつ悲しいのは、良太郎には電王として戦った記憶を共有できる仲間がいなくなってしまったこと。
愛理さんの記憶は戻ったけど、侑斗が桜井のカードを使い切った時点で愛理さんが愛した桜井の存在は消滅したわけで、愛理さんの記憶の桜井も消えた筈。
戦っていた日々は辛くても仲間の存在に支えられていた良太郎は、これからはたったひとりで
誰も知らない孤独と戦って行かなければならないんだなと思ったら、泣けた。
ずっと強がり言っていたけど、本当はモモがいちばん良太郎と別れたくなかったんだろうな。
だからこそ最後まで拗ねてたんだろうし。
でも最後の最後に笑顔でさよなら出来たから、生きていればいつかまたきっと会える。
良太郎にも視聴者にも期待を込めた余韻を残す終わり方になっていて良かった。
こぼれ落ちる砂のように誰も時間止められない・・・
過ぎて行く「時間」は止められない。
でも、人々の心に残る「記憶」こそが「時間」。
「電王」の記憶は仮面ライダーシリーズに確かに刻まれた。
ありがとう。
1年間、本当に楽しかったよ。

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