「仮面ライダーTHE FIRST」初日を観て来た。
試写会などが酷評だったのでかなり心配していたが、その不安は冒頭に流れた
藤浩一版「レッツゴーライダーキック」で一瞬にして払拭された。
フルコーラスではなかったが、全身に鳥肌が立った。
【恋愛ドラマ】
「冬ソナみたい」と言われていた本郷と一文字とあすかを巡る恋愛ドラマは、案外すんなりと受け入れられた。
尺の関係か井上氏のジェットコースター脚本故か、3人の感情の変化が激しくて、
「え?いつからそんな気持ちになったの?」
と、こちらが置いてきぼりを食う部分もなきにしもあらずだが、逆にこれでじっくりゆっくり感情の変化を追っていたら、もうぬるくて甘くてどうしようもなかったかも知れない。
メイキングにもあったが、1号があすかを乗せてタンデムで走る場面がすごく綺麗。
最初は遠慮がちでいたあすかが次第に1号の背に頬を寄せるシーンは、複雑な女心をよく現している。
平成ライダーになってからヒロインは怪人に襲われたりする事が少なくなったが、今作品ではあすかが頻繁にショッカーから狙われる。
そしてその都度気絶するので、思わず数えたら
1時間半で4回気絶していた(^^;
この回数は初代の流れを汲む「ライダーガール」としては合格ラインか?(爆)
晴彦と美代子の幼いカップルのドラマは私的には必要性があると思う。
ただ時間軸が分かり難いのが難点(初見では理解出来なかった)だが、この辺はあえて狙って分かり難くしているのかなと、
確信犯的なものも感じた。
【アクション】
もう、アクションは最高の出来だった。
とにかくサイクロンの後姿が非常に美しい。
ここ数年のテレビシリーズではあまり見られなかった鬱憤を晴らしてくれるかのようにバイクアクションが炸裂する。
そして話題になっているワイヤーアクション。
実は私はワイヤーアクションがあまり好きではない。
どうしても動き(反射や反応)が不自然に感じられてしまうからなのだが、今作品のワイヤーは何故か許容出来た。
不可能アクションをやるのが改造人間ならば、不自然なワイヤーアクションも説得力があると納得したから。
それから何と言っても変身ポーズ!
拉致されたあすかを救出するためショッカーのアジトへ特攻かけたダブルライダーが、ショッカー軍団に周囲を取り囲まれた場面で見せる「変身ポーズ」。
メイキングでも見たが、変身場面がない代わりに、変身ポーズをアレンジして戦闘時の「構え」として見せるアイディアにはかなり期待していた。
そして実際に大きなスクリーンでそれを目にした途端。
・・・ボロボロに泣いてしまった(自爆)
頭では冷静に
「ここって普通は泣く場面じゃないよなぁ」
と自己ツッコミしていたんだが(^^;
何だろう、これは。
「感動」って表現が一番しっくり来るかも知れない。
よくハリウッド作品と比較してけなしている頭の悪い批評家気取りがいるが、こちとら製作費がヒトケタ安いんだ(おまけに本来はVシネ仕様なんだ)。
限られた予算枠の中でこれだけの生身のアクションをお腹いっぱい盛り込んでくれた制作陣には拍手を贈りたい。
【映像】
とにかく、綺麗。
監督が長石さんと知った時から映像(&ロケ地(笑))には期待しまくっていたが、私の期待をはるかに越えた美しさに目を奪われた。
改造されホッパーとなった本郷が高層オフィスビルを破壊する場面は、一面に青いフィルターがかかりその中にピンクに光る複眼や赤い月がインサートされる。
ビルから脱出する1号、その後を追うように落ちてくるキラキラ光る窓ガラスの破片。
やっぱり仮面ライダーには大都会がよく似合う。
ロケ地は予想通りというか案の定というか、新宿西口の高層ビルや都庁通り、お台場(青海地区のあけみ橋やお台場海浜公園)、夜間ライトアップされた東京タワーなどで、思わず
「これは東京観光地案内ですか?」
とツッコミ入れかけたが(爆)
本当はまだまだ全然書き足りないんだけれど、後は劇場公開が終わってからあらためて書きたい。
DVDを買う前にもう一度劇場の大きなスクリーンで観たいと思える、予想をはるかに上回るいい仕上がりだった。

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