野田の人気人形店「
人形の織原」を取材。
ひなまつりが終わるとすぐ、家族総出で鎧兜や五月人形と飾りかえる真っ最中。
大小さまざまな鎧兜が並んで壮観。
とくにこちらのお店がこだわるのは「素材」。
RPGなどだと、布や皮のよろいが弱くて安く、鉄、銅、銀、金、プラチナ、と強く、高くなっていきますが、どう考えても「きんのよろい」なんて重すぎて動けません

五月人形として売られる兜ですが、実はお安いものは金属中心。
和紙を何枚も漆で塗り固めた「和紙小札(わしこざね)」や、鹿の皮に漆で装飾をほどこした「印伝」を使用したものが、実際に武将たちが使った素材であり、高級品なのです。
「戦場で馬に乗って闘うとき、重い装備ではかえって動けないですからね。軽くて丈夫で美しい素材を、工夫して作ったのですね」と日本人の知恵を称え、織原さんは目を細めます。
ほかにも有名作家の作品など、ぱっと見ただけではわからない技術や素材について詳しく説明してくださり、伝統工芸の奥深さを感じさせてくれます。 小川原記

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