放射能問題は、政府や自治体より市民が先に動いた。
野田市でも、お母さんたちが声をあげて集まり、情報を得ようと活動中。
1月27日、けやきのホールで講演と懇談「福島の今と私達」が行われ、福島県農民連会長の亀田俊英氏が福島の農家の現実を語った。
亀田氏は、東電と国に損害賠償を求めて抗議活動中。
筵旗を手にした農家の人たちが上京する……
と、簡単に言っても、現在常磐線は不通の地域があり、放射線被害のひどい地域から参加するためには、山を越えて郡山まで出なくてはならない。
80過ぎの人が、朝暗いうちから牛の世話を終えて家を出、バスに乗るのが朝5時前。
そう聞くと、筵旗もより重く感じられる。
また、言葉を詰まらせながら、報道されていない自殺者の話も。
津波で町や家を失った被災者たちとは比べようもないが、家や畑があっても見えない恐怖や見えない壁に「生殺し」にされている状態なのが、汚染地だ。
作っても売れない、経費の支払いができない…追いつめられる人々の実態は、なかなか見えてこないものだ。
「福島の農作物は、国が責任を持て。きちんと調べて、安全を確認して流通させてくれればこんな悲劇は起きない。現状では消費者と生産者の対立構造を生むだけ」
「これは福島だけの問題ではない」
という言葉に、大きくうなずく人たち。
正確な情報や知識、信頼。
日本がこの窮地を乗り切るためにはそれらが必要なのだと思う。 小川原記

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