東日本大震災で壊滅した岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の再生に向けて活動中の地元NPO法人のメンバーらが、同松原で採取した種から育てた苗木2本が5月16日、鎌ケ谷市の新鎌ケ谷二丁目公園に植樹された。
苗木は、陸前高田市のNPO法人高田松原を守る会(鈴木善久理事長)が、震災以前から松原保全のために現地で松ぼっくりを拾い、種を採取し、京都の専門機関で研究し、塩害や虫の害に強い松として陸前高田市内で約3600本育成している。
静岡県の三保の松原や神奈川県の大磯にも提供しているという。

今回の震災でボランティアとして参加していた鎌ケ谷市在住の復興支援ボランティア代表の菅原幸司さんが仲介役となり鎌ケ谷市に苗木が提供された。
当日、鈴木理事長らと植樹した清水聖士市長は、「1日も早い復興を願うとともに、鎌ケ谷市でも災害対対応への意識をしっかり持ちたい」と松の苗に託す思いを述べた。
鈴木理事長は、「鎌ケ谷市の皆さんの温かい配慮に感謝します。
松原が立派になるのは50年後。
子どもや孫の世代が美しい松原を見られるよう願っています」と話した。
2本目からは市内の小中学生約30人が二人一組で植樹した。
鎌ケ谷第四中学校2年生の女子生徒二人は、「自分で土を入れたが、この松はみんなの物なので、これからも時々見に来て見守りたい」。
「松が育つのを待ちながら、被災地の人々への思いも忘れないようにしたい」と顔を見合わせて話した。 黒澤 記

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