今日は今年の三郎次のコシヒカリの最初の産米検査日である。

検査初日は、例年この現場に緊張して立ち会うことになる。
やや早め刈り取りのコシヒカリであるから、青未熟米の混入を懸念して見守っていたのだが、全量がうれしい一等米に格付けされて安堵した。
昨年は異常高温の中での登熟で、健康な稔にはなれなく、二等米が多くなって残念な思いを噛みしめただけに、今年の一等米はうれしいのである。

心配していた青未熟米はそれほど多く目につくのではなかったが、一等格付けを手放しで喜べる米ばかりでもなかった。やはりこの連日の暑さで、登熟が健全とならない米が混じっていた。透明感のある完熟米に混じっている乳白色の米がそれである。それでも昨年に比べるなら断然きれいなコシヒカリとなっていた。

今日のコシヒカリにはこの暑さにもかかわらず、割れ米の指摘がなかったことは幸いであった。暑さの中の収穫作業は、胴割れ米が発生しやすいので、収穫作業の進んでいる田んぼの現場に回ってみる。
稲穂を手にとって見ると、穂軸はまだ緑が濃いままで活きているのに、穂の基の籾まで緑がぬけてきれいな熟色をしている(
右の穂)。地力のある湿田の稲である。一見 早刈取りに思えても、ちょうどよい収穫期になっていたから、青未熟の入らない一等米になったのである。
左側の穂は乾田で、地力にやや欠けるのか同じ栽培でも穂軸の色が抜けている。急がないと刈後れとなってしまうのだが、それでも穂の基部にはまだ未熟籾がついている。刈り取りの適期の見極めがむずかしい田んぼとなっている。

今日の産米検査の様子を意識して、刈取作業の進んでいる田んぼを巡ってみると、もう来春の稲つくりのイメージを頭に描かねばならないことになってしまう。

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