和南津遠望 10.23 あれから11年
平成27年10月23日 野田から眺望 ↑ クリック拡大
11年前のこの日もおだやかな秋日和であった。
その記憶の10.23日は長くながく忘れることのない日となるであろう。
が、記憶はうつろうものである。よくもわるくも想いは様々なかたちに変化をとげ、あの日の衝撃はうすらいでいる。
三郎次のムラは魚野川を前にして、和南津を対岸に向きあうている。家のまえから日常的に望む風景は和南津の山並みとムラの家々である。11年前からの風景の変わりように、こうして対峙して見つめているのである。古い家並が消えて新しい家々が秋日に映えている。魚野川の護岸堤も一変して白くかがやいている。
あの日の夕映えに包まれていたムラの日常は、まもなく大変事に見舞われようなどとは、想いだにもしない穏やかな秋日和のなかにあった。
今日も、11年前とおなじ穏やかな秋日和に和南津の山並みが映えている。そして、毎年の山の彩りは地震の記憶とつながるのである。
こうして見ていると、11年前のあの日の記憶よりも、山の彩が濃く感じられるのである。
11年前、地震の翌日の航空写真。和南津のムラを取巻く山の緑は濃く、今日の山並みとは明らかに気配を異にしている。今年は季節の移りが早いのであろうか。

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魚野川の水は黄色に濁っている。上流の魚沼市龍光から流れ込む芋川が、水源地・二十村郷の地震崩落の被害を受けての濁流である。

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