会場にいる全ての人間のテンションがヤバイ状態になってるのがわかる。
すると。
フッと客席の照明が落ちる。
来た。
奥からBANDのメンバーが1人ずつステージに上がってきた。
SLYはまだいない。
でもオレらのテンションはもう最高潮。
今回のメンバーは。
Sly Stone(vo, key)
スライ・ストーン(ヴォーカル、キーボード)
Rose Stone(vo, key)
ローズ・ストーン(ヴォーカル、キーボード)
Lisa Banks "Stone"(vo)
リサ・バンクス・“ストーン”(ヴォーカル)
Anthony Stead(vo)
アンソニー・ステッド(ヴォーカル)
Cynthia Robinson(vo, tp)
シンシア・ロビンソン(ヴォーカル、トランペット)
Mike Rinta(tb)
マイク・リンタ(トロンボーン)
Jerry Martini(sax)
ジェリー・マルティーニ(サックス)
Tony Yates(g)
トニー・イェーツ(ギター)
Pete Yates(b)
ピーター・イェーツ(ベース)
Remillion "Spider" Dubose(ds)
レミリオン・“スパイダー”・デュボース(ドラムス)
オレの席の前で、今回のバンマスであるTony Yatesがギターの準備をしてる。
そして、ついにドラムがカウントを打つのであります。
1曲目
『DANCE TO THE MUSIC』
何度もCDで聴いたイントロが生グルーヴでオレ達に迫る。
そして、シンシア・ロビンソンが例の掛け声をかます。
ダメだ!
FUNKが爆発してる!
まだSLYは出てきてないけど、抜群のコーラスワークと演奏でFLOORを最高潮!!
全盛期の頃と比べてメンバーは殆ど違う。ラリー・グレアムがいないのは当然だけど、SLYの弟であるギターのフレディ・ストーンもいない。
しかし、目の前のグルーヴは紛れもなくSLYなのである。
2曲目
『EVERYDAY PEOPLE』
完全にヒットパレードである。
まだSLYは出てくる気配もないけど、客席の誰もがメロディーを口ずさみ、そして。
『アァ〜〜〜っ!ハッハ!EVERYDAY PEOPLE〜!』
と叫ぶのであります。
このありえない状況にテンションは上がるいっぽうです。
3曲目
『HOT FUN IN THE SUMMERTIME』
アノ爽やかなピアノのイントロが聴こえた時、感動で震えました。
しかし、まだSLYは現れない。
聞いた話だけど、ヨーロッパツアーでは10分くらいしかステージに上がらなかったとの噂も耳にする。
4曲目
『DON'T CALL ME NIGGER WHITEY』
Tony Yatesがトーキングモジュレーターを使ってあのサウンドを再現する。
オリジナルアルバムの演奏とは若干違って聴こえた感じだったけど、ドロドロとしたブラックサウンドが腰にくる。
『DON'T CALL ME NIGGER WHITEY』
『DON'T CALL ME WHITEY NIGGER』
物凄い歌詞だと思う。
しかしFUNKだ。
5曲目
『THANK YOU(Falettinme Be Mice Elf Agin)』
SLYが不在のまま、名曲オンパレードは続く。
黒人音楽の中でもかなりの重要曲と言われてるTHANK YOU(Falettinme Be Mice Elf Agin)
スラップベースを駆使した世界初のFUNKとして、SLYの天才を決定付けた曲、と何かに書いてあった気がする。
ここではアルバム『暴動』の最後に入ってる、ミディアムテンポのヴァージョンで演奏された。
まさにFUNKである。
グイグイとしたグルーヴは曲を重ねる度にFLOORのテンションを上げ続ける。
そして、この曲が終わる頃、オレらを含めた会場にいる全員の客がSLYをCALLする。
もう待てない。
SLYに出てきてほしい!
と!その時!
数名のスタッフにガードされて、パーカーを被ったSLYが突然現れたのであります。
その瞬間、ありえないくらい会場は盛り上がり、全員総立ちでSLYを迎える。
ちなみに、その時BANDは『SOMEBODY WATCHING YO』をさりげなく演奏してました。けどSLYの登場で、演奏を止めたのですが、私は『SOMEBODY WATCHING YO』が大好きだったので、最後まで聴きたい気持ちも少しありました。
しかし、会場はSLYの登場でパニック状態です。
何故かBAPEのパーカーを身にまとったSLYは、明らかに他のメンバーよりも『違う人間』でした。
不良なオーラを身にまとい、まるで宇宙人の如く他の人間とは何かが違うのです。
それまで楽しそうに演奏してたBANDのメンバーもSLYがステージに上がった瞬間から、別のスイッチが入ったかのように見えました。
明らかにメンバー全員がSLYに注目してて、ステージに上がったSLYがダラダラしてたので、若干困ってるようにも見えました。
そして曲が始まる。
『IF YOU WANT ME TO STAY』
会場の興奮がピークに達してる状態。
しかし、ここで驚きの展開が起こる。
なんとSLYが歌いだしを間違えたのだ。
するとSLYとメンバーはアイコンタクトをして、強引に曲を止めてしまうのである。
これは凄い。
なんてワガママなんだ。
でもSLYは怯まなかった。
6曲目
『FAMILY AFFAIR』
名曲中の名曲をここでカマすのである。
そして、会場にいた全ての人間の目がSLYに集まる。
LIVEを観にきてた客のほとんどが思ってた事(と私が勝手にそう思ってる)。
SLYの声は出るのか?
SLYは歌えるのか?
しかし『it's a FAMILY AFFAIR〜♪it's a FAMILY AFFAIR〜♪』
のコーラスの後、ついにSLYが歌いだしたのである。
出てる!
あのSLYの声である!
感動してしまいました。
本気で感動しました。
ギターのTony Yatesはかなりオリジナル通りにソロを弾いて、それも感動しました。
7曲目
『IF YOU WANT ME TO STAY』
FAMILY AFFAIRの演奏が終わると、なにやらSLYがテロテロと鍵盤を弾く。
さっき演奏しかけたIF YOU WANT ME TO STAYをここでもう一度演奏するのである。
SLYはイスに座って、左足でリズムを刻んでた。
そして歌う。
最高だ〜〜〜〜〜
MICKとあきちゃんとテキーラも呑んだし〜〜〜〜〜
最高すぎる〜〜〜〜〜〜〜〜〜
8曲目
『I WANT TO TAKE YOU HIGHER』
IF YOU WANT ME TO STAYの終盤、ドラムのRemillion "Spider" Duboseがリズムを上げる。
そしてあのイントロ!
爆発でありました。
FUNKが爆発してました。
みんな踊りまくりで、橋川も踊りまくりでした。
するとSLYは『HIGHER!!』の掛け声に合わせて右手でPEACEサインをする。
そしたら当然オレらもPAECEサインをする。
最高だ!!
SLYはノッてきて、ステージの端の方の客席にPAECEサインをして盛り上げにいく。
と!そのまま客席をヌケてPAECEをしながらSLYはステージを去ってしまったのだ。
これはどういう事だ!?
が、しかしまだBANDの最高の演奏は止まらない。
もちろん会場の熱気もすごいものだ。
そしてこの曲でLIVE本編は終了。
メンバーはステージを降りる。
ここからアンコールが始まる訳ですね。
アンコールの1曲目は
『THANK YOU(Falettinme Be Mice Elf Agin)』
一度演奏したTHANK YOU(Falettinme Be Mice Elf Agin)のスピーディーなヴァージョン。
シングルヴァージョンだった気がします。
アンコールの2曲目は
『SING A SIMPLE SONG』
結局SLYはアンコールには姿を出さず、BANDのみだった。
それでも最高な気分には変わりなかった。
夢の中のようであります。
最後は『な〜〜〜〜♪なななぁ〜〜〜なぁ〜なぁ〜〜♪』とコーラスをしながらメンバーはステージを降りた。
いやー
最高でした。
とりあえずこんな感じでした。
帰りにみんなでステーキを食べました。
美味かったです。


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