昨年は池田洋一郎氏と出たステージに、今年も池田さんが呼んでくれた。池田さんは今年のイベントプロデューサー、私は単独の出演、デキシーユニオンの清水さんと十数年ぶりに再会、当時の金沢ミリオンカントリー時代を思い出した。会場の今夜のメインイベント「興津エリザベス和美」さんとメロメロポッチ以来の再会、ハモンドオルガントリオは最新式のレスリースピーカーに最高級のハモンドB3、かく言う私もハモンドオルガンファン、楽しみだ。彼女はメロメロポッチで2年くらい前に大変嬉しいコメントを寄せてくれたことがあった。
パーカッショニスト小幡氏は秀逸。夜の野外の薄明かりで聞いたら、鳥肌が立ったに違いない。そして私リハーサルなし、アンプのセッティングが決まらないままにスタート、3曲目の「国道8号線」で作曲者、洋一郎さんの紹介をしようとすると「やめやめ」というジェスチャーがブースから見えて断念、しかし8号線は今日は快調。(恒常的に練習してないと弾けなくなる曲、)私が歌って曲が一人歩きしないものかと思う。「8号線」は佳曲だと思う。ここで目の前のお年寄りにサービス、三沢あけみさんの「島のブルース」を唄う。昭和40年、金沢にやってきた幼い私はこの曲にたまらない郷愁を覚えるのだ。もろにハワイアンする。この場では効果的だと思うが、興津エリザベス和美さんに見られて恥ずかしくなる。このあたりから人々が集まってきて、「トライアンドラブアゲイン」「夏の暑い日ビールを下げて」で幼い頃を曲中MC、終わって手を振ると、洋一郎さん出てきて、「彼はストリートミュージシャンでたいがいのリクエストに答えられます、何かリクエストありませんか?」とサポートしてくれ、「蘇州夜曲」をやる。また手を振り終わろうとすると、再び洋一
郎さん出てきて、「リクエストありませんか?」との声に「少年時代」をインストで、そして「アメイジンググレイス」を歌付きで演奏、目の前で聞いていただいている興津エリザベス和美さんのために、カントリー調からいきなりレスリースチールでドライブさせ、ブルージーに演奏、興津エリザベス和美さんは微笑んでくれた。どこかのリクエストしたお父さんがポカリスウェットをステージに差し入れて頂き、金沢らしく、「あぁ〜、どうもきのどくな!」で、感謝を伝えた。清水さんにも「いやぁ〜盛り上げてくれるありがとう!との嬉しいコメント。」そして驚くべきことに!ステージを降りて、かつて数年前、山形駅でストリートをやった時に聞いていただいた女性に再会!薄らいだ記憶のなかで、私を再発見してくれた彼女に大感謝!こんなこともあるんだ、凄く嬉しい気持ち、世間に音楽家は沢山いるのに覚えていてくれるなんて、少女は女性になっていて、私はオジサンのまま変化無し。月日の流れを思う。
次に、メジャーデビューした山崎雄弘氏、ギター弾き語りながら、「感じる言葉とパフォーマンス」で、多くのファン獲得したようである。彼は「明日のジョー」がバイブルだと言っているのもうなずける。と 同時に、自分のステージングのやり方も考えさせられている。「我は我なり」だが、彼、山崎雄弘氏のように、例えば曲中MCナシ、自分の演奏力と歌唱力だけで押し切られるか?「楽しいステージング」は心がけたいものの、彼のように、「自分ギリギリの力」を出し切るようなステージングになっているかをちょっと帰り道で思った。私もまた迷走するシンガーなのだ。
メインイベントの興津エリザベス和美さんの最初のオリジナル二曲は素晴らしく秀逸。彼女はマニアとか、マニアックとかではなく、ハモンドオルガンファンで、ハモンドオルガンを愛している姿勢が素晴らしい。皆さんの知っている曲をやろうとする姿勢はよく分かるが、女性ボーカルの歌が入った「サマータイム」から勝手に私の気持ちがトーンダウンした。山崎雄弘氏の気合いギリギリの歌の後では無理ないかも知れない。こんなケースでいつも思うことは、これだけの演奏力と歌唱力もそうだが、名曲や定番化したナンバーに頼ることなく、彼女のオリジナルで彼女の世界観が伝わる「歌」が聞きたい気分だ。自分のことはたなに上げて言っているかも知れないが…。営業的な歌の弱点と私は思う。洋一郎さん特にお疲れ様でした。

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