「農業は今度の選挙でも争点にはなりそうもありませんね:内田樹氏」
国際政治
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> 池田清彦 確かに小選挙区制は最悪だった。 絶対多数の政党が存在せず、なにも決まらないのが、正しい政治なのだ。 新しい法律がひとつも成立しなくても、国民は生活に困るわけではない。 ほとんどの法律は利権のために作られる。
論点で「強い農業」という虚妄について書きました。
1200字さらさら。
農業が成り立つためにどれだけの「不払い労働」が自然の生命力を維持するために投じられているか、企業を経営する感覚で農業を語るビジネスマンは考慮していないという話。
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彼らは、道路を通すのも、電線を引くのも、上下水道を通すのも全部自己負担で工場を運営した経験がない。
そういうコストは全部国か自治体が負担するものだと思っている。
でも、自然の生命力を維持する不払い労働は誰も負担してくれません。
コストを外部化することの専門家が農業に携わったら、彼らは「自然の生命力」を換金することしか考えないでしょう。
10年くらいはそれで金儲けができるかもしれないけれど、彼らが「儲からないから、農業止めた」と言ったあとに残るのは傷つけられた山河だけです。
農業は今度の選挙でも争点にはなりそうもありませんね。
農業が争点にならないのは、日本の農業を持続可能にするためにはどうしたらいいかについて広々としたヴィジョンを持っている政治家も官僚もいないからです。
だから、「強い農業」というような無内容な標語を呟いている。
東京新聞の「私塾」取材のため来館。
私塾立ち上げの理由を説明し、どういうふうにゼミをしているのかは実地に見て頂きました。
今日の発表者はイセカナ、お題は「絵本を出す」。
絵本は読者と購入者がまったく別人という希有なメディアなのでありますね。
全国で私塾が次々生まれていますが、「大学崩壊」に対する個人的な抵抗の企てというふうに理解して頂いてよいかと思います。
いまの教育行政には「次世代を担う若者たちの感性的・知性的・霊性的成熟を支援する」という目標がありません。
国がしない仕事は市民がするしかありません。

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