現在物理学ではニュートンの「運動の法則」もアインシュタインの「相対性理論」も全て「暫定真理」、つまり仮説とされている。
その中で唯一真理であると認められているのが「熱力学の法則」である。
この「熱力学の法則」は第一法則、第2法則からなり、「宇宙における全エネルギーの総和は一定で(第一法則)、全エントロピーは絶えず増加する(第2法則)」というものである。
第2法則は不可逆性の謂いであり、喩えて謂えば「覆水盆に返らず」と言うことである。
我々日本人にはなじみの深い仏教や老子の教えにはこの「熱力学の法則」の基本的な洞察である不可逆性の概念が内包されおり、この法則は我々にとって親和性が高い。
エネルギーは不生不滅であるが、その形はたえず変わっている。
そしてその変化は不可逆で、常に利用できる形から利用できない形へと向かう。
例えば石油を燃やした場合、二酸化炭素などの気体に変わりやがて空気中に拡散する。
その過程でエネルギーはいっさい消失しないが環境の中に拡散してしまい、もう一度燃やして有用な仕事をさせることはできない。
この様に、エネルギーが形を変えるときにはかならず、その過程で”利用可能な”エネルギーが失われる。
この使えるエネルギーの消失が「エントロピー」とよばれる。
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