国立感染症研究所ウイルス第3部長 田代眞人氏
ベトナムでトリインフルエンザのヒト−ヒト間の感染が疑われ、ヒトへの「新型インフルエンザ」としてパンデミック(汎流行)をもたらすリスクがさらに高まってきた。
ワクチンや迅速診断キットの開発の第一線に立つと同時に、現地、WHO(世界保健機関)、政府など、各方面の状況にも詳しい感染研の田代氏に、ワクチン開発をはじめとした防御対策について聞いた。
■パンデミックのリスク
1997年までは、トリインフルエンザは直接、トリからヒトには来ないだろうというムードがあったのは、甘かった。
トリウイルスが豚の中でヒトウイルスと交雑して新型インフルエンザになるという、「ブタセオリー」が頭の中で強すぎたとも言える。
トリ強毒型がいきなり来るとは思ってなかったので、みんなが慌てているというのが実際のところだ。
最悪でも 18年のスペイン風邪規模(世界で5億人が罹患、4000万人が死亡)と考えていたが、今回のH5N1型が、強毒性を維持したままヒト感染のパンデミック(汎流行)を始めたら恐ろしいことになる。
今は交通機関や輸送手段の発達で、地球が小さくなっているので、あっという間に世界中に広がる可能性がある。
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